【映画評】どーでも映画劇場 レッド・ライト(2013)Red Lights

RedLights♦ これは本当にどーでも映画としか言いようのない映画だわねえ。
♥ ただ、よくあるB級ホラーというわけじゃなくて、それなりにていねいに作られた重厚な雰囲気の作品だから、よけい扱いに困る。どうでもいいというより、「だからどうしろと?」と言いたくなる映画。

Director:

Rodrigo Cortés

Writer:

Rodrigo Cortés

♥ 私がこの映画に飛びついたのはもう言うまでもないと思うけど、
♦ シガニー・ウィーヴァーというおばさまアイドルと、キリアン・マーフィーという美少年(というにはいささかトウがたったが)アイドル(どっちも私にとって)が夢の共演だから。
♥ ジョエリー・リチャードソンも忘れないで! 念のため言っておくと、私は彼女のお母さんのヴァネッサ・レッドグレーヴ   の熱烈なファンだったので、娘のジョエリーとナターシャもずっと追いかけてたのよ。
♦ それにロバート・デ・ニーロという、(私的には)びっくりするほどの豪華配役。
♥ デ・ニーロだって若い頃は夢中でしたよ。キリアンにだって負けない美青年だったし。
♦ それでこれだけ役者が揃えば、べつに話はつまんなくても顔見てるだけでもいいやと思ったんだが‥‥

♥ まずはストーリーから行こう。ああ、もちろん例によって重大なネタバレありです。
♦ シガニー演じるマーガレットは、あれなんていうんだっけ? スケプティックみたいな、超能力とかオカルトの化けの皮を剥がすやつ
♥ 忘れた。スケプティックでいいよ。
♦ とにかくそういう研究をしている科学者で、キリアン演じるトムはその助手。2人はいろんなインチキ霊能者の嘘を科学的に暴くオカルト・バスターズをやってたんだけど、そこへ有名な霊能者のサイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)がカムバックして、しかも彼らの町へパフォーマンスをしにやってくる。それと同時にマーガレットたちの大学で超科学を研究しているポール(トビー・ジョーンズ)はシルバーの能力を科学的に検証しようとしている。
♥ 大物の正体を暴くチャンスに色めき立つトムなんだけど、マーガレットは浮かない顔。彼女は以前シルバーと対決したときに、息子の死を言い当てられたというトラウマを持っているのだ。
♦ そしてシルバーが戻ってくると、マーガレットとトムの周囲で奇怪な出来事が起こるようになる。あげくの果てにマーガレットは急死して、トムはその弔い合戦とばかりに、ひとりでシルバーの引退公演に乗り込むのだが、実は超能力者はシルバーじゃなくてトムのほうで、これまでの怪奇現象は全部トムのしわざだったことがわかる。終わり。
♥ ぽかーん‥‥
♦ だよね? なんだったんだ?という感想しか残らない。

♦ そこでひとつずつ疑問を解き明かして行きたいんだが‥‥
♥ そんなのやってる暇もないし、そもそもそんな時間かけるような映画じゃないよ。
♦ そうか。ただまあ、この題材も私には一家言あるジャンルだしさあ。
♥ だからそういうのは書きたかったら他でやれって。
♦ 私、いちおうそういう疑似科学を科学するたぐいの本いっぱい持っていて、昔から興味のあるジャンルなんで。
♥ 日本ではと学会あたりが走りかな?
♦ いや、まじめな研究書は昔から出ている。私はマーティン・ガードナーで知ったかな? 少なくともカール・セーガンより前だった。
♥ だからその話は今はいいって。
♦ だからマーガレットにはつい共感すると言いたかっただけ。

♥ 私はそれより、ある小説に似てるのが気になってさ。
♦ ある小説って何よ?
♥ だから書名もどこにあったかも思い出せないんだけど、うちの書庫のどこかにあるはずのホラー小説なのよ。その出だしの、インチキ霊能者の手口の紹介や、ショーに乗り込んでインチキを暴くあたりの描写がそっくりなんで、てっきりあれが原作かとちょっと期待してしまった。
♦ ああ、あれか!って私も思い出せないんだけど、確かインチキ霊能者どころか本当にヤバいものを引き当ててしまう話じゃなかった? すごいおもしろかったことだけは記憶にある。
♥ 後半はまるで違うから違うかも知れないけど、あれの翻案なんじゃないかと思った。でなきゃパクリか。
♦ これはロドリゴ・コルテス監督のオリジナル脚本だからそれはないよ。

♦ それでこの映画のどこがだめかは上のあらすじ読んでもらえばわかると思うけど‥‥
♥ 超能力(幽霊、あの世などなんでも)なんてないと思っていたら実はあったとか、実は自分が犯人(悪魔、霊能者などなんでも)だったと最後にわかる話とかはありふれてるからべつにいいんだけど、問題はその発見がなんのカタルシスにもつながらないところなのよね。
♦ うん、私はまたてっきりあそこでトムがぷっつんして、『キャリー』ばりにデ・ニーロを殺したあげく、観客も虐殺して去って行くのかと思ったら‥‥
♥ 誰も死なないし、逆にトムはシルバーの用心棒だか何かにボコボコにされて帰るだけ。
♦ それにトムとしてはそれまで信じていたもの(超能力なんか存在しないという信念)がガラガラと崩壊して存在基盤が崩れたんだからさ、少しはショックを受けてもいいのに‥‥
♥ むしろトムは晴れ晴れした感じで、なんか達観してありのままの自分を受け入れる気になったみたいで、♪レリゴー、レリゴーと歌い出す。(当時はやっていたディズニー映画『アナと雪の女王』から)
♦ 嘘を付け! 嘘を!
♥ だいたいこの人の超能力ってなんなのよ? このクライマックスでも少し地震が起きて、ライトがいくつか消えただけじゃん。
♦ だいたい超能力なんてヘボいものと決まってますけどね。スプーン曲げたりカードを読んだり。それにしてもなんか偉そうなご託を並べてたいしたことないのがね。
♥ 結論としては、いくら好きな役者を並べても、話がつまんなきゃ何にもならないという当たり前の話でした。
♦ ロドリゴ・コルテスという監督は『リミット』という棺桶の中だけで展開される低予算サスペンスで注目された人で、バカとは思えないんだけどねえ。
♥ 一発屋だったというだけじゃない?

♦ せっかくだから役者についても。
♥ ここでは主役3人を差し置いて、ジョエリー・リチャードソンの話をしようと思う。
(この話は映画となんの関係もないうえ、長くなったのでカットされました。ジョエリーとレッドグレイヴ・ファミリーについてはこちらをどうぞ

♦ じゃあ、まずは敬意を表してデ・ニーロさん。
♥ デ・ニーロってこんなつまらない役者になっちゃったの?
♦ 年取ってからはこういう感じのが多いね。つまり、出しておけば映画に重厚な感じが加わるから、とりあえず出しておこうという感じの
♥ もったいない。若い頃のデ・ニーロは体当たり演技が売りの本当の演技派だったのに。
♦ その意味、なんかかつてのマーロン・ブランドみたいな役どころになってきている。『ゴッドファーザー』つながりかな。
♥ あそこまでは太らなかったし、今でもハンサムなんだけどね。

♦ そしてかつては私のおばさまアイドルNo.1だったシガニー・ウィーヴァーお姉さま。
♥ これがねえ、さすがに寄る年波には勝てないって感じで、めっきり老けたね。ここまで年取ったと思わなかったから、けっこうショックで。
♦ いくつだっけ?
♥ 1949年生まれだから、この頃62か3ぐらい。
♦ そりゃしょうがないよ。
♥ えー、でも60ぐらいの頃の『アバター』ではまだかっこいいと思ったのに、なんかすごいシワシワになっちゃって。
♦ しわなんかどうでもいいけど、私がショックだったのはすっかり太って体の線が崩れちゃったこと。
♥ ぐえ! 私も痩せなきゃ本当にまずい。
♦ まあ年相応ではあるんですけどね。元から美人ではないし、年取ったぐらいで責めるのはかわいそうだけど、なんか見る影もないねえ。

♥ でもどうせ私の目的はキリアン・マーフィーだからいいやと思ってたんだけど‥‥彼も老けたね。
♦ 彼もそろそろアラフォーですからね。でも元々がファニーフェイスだし、むしろ年取ってからのほうが性格俳優として使えそう。
♥ まあ、それでもあのガラス玉のような目は健在だし、まだ十分見られるんだけどさ、彼ってチビなのを忘れてた。
♦ 公称175cmかあ。シガニーが公称180cmなんだけど、実際並ぶと5cmどころの違いじゃないよね。
♥ ヒールの差を差し引いても10cmはある感じ。おかげでいつもシガニーといっしょなんだけど、身長差がちょうど普通の男女のそれなんだよ。ところが顔はかたやおばさんでかたや「美少年」だから、そのミスマッチでクラクラする! なんでこの2人を絡ませようと思ったんだ?
♦ 別に変な意味はないんだけど(笑)。

♥ だけどキリアンの名誉のために言っておくと、演技的にいちばん見所があったのは彼だよ。
♦ だいたい彼が主役だし。
♥ ラストのあれは納得いかないけど、それまでの悩むキリアンはすごく力のこもった熱演で真に迫ってた。
♦ こんな映画でそこまでしなくてもいいのにと思ったぐらい。
♥ それにトイレでボコボコにのされるところもステキだったし。
♦ なんか加虐心をそそるタイプなのよね。
♥ ああ、もったいない。せっかくの素材なのに、脚本が破綻してるなんて。これならまだキリアンが悪魔の子だったとかそういう話のほうがましだったわ。
♦ 『オーメン』やったら似合いそう。

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