【映画評】どーでも映画劇場 コララインとボタンの魔女(2009)Coraline

Coralineこの映画は向こうでの公開時、当時仲の良かった外人の誰かが、原作が大好きなのですごい期待していると言ってたのを覚えている。だけど当時の私はアニメにはまったく興味なかったし、同じ監督の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』にも大して感心しなかったので無視していた作品。
どうも私は(ディズニー出身だからか)ティム・バートンとはソリが合わないのだが、どうなりますやら。

Director:

Henry Selick

Writers:

Henry Selick (screenplay), Neil Gaiman (book)

ちなみに『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』とは監督が同じヘンリー・セリックだが、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』ってティム・バートン が監督じゃなかったのか。制作・原案・デザインがバートンだから、てっきり彼の映画だと思っていた。(それでも彼の映画だけど) じゃあ、ヘンリー・セレックという人はアニメーターか?

ついでに、見終わったあとで原作者についても調べたら、「ニール・ゲイマン(Neil Gaiman)は、イギリスのSF作家、ファンタジー作家並びに脚本家。現在のアメコミ界を代表する原作者のひとり」(Wikipedia)だって!
英国SF作家だって? 私のジャンルじゃないか。調べるとほとんどの作品が翻訳もされているのに、なぜかこれまで私のアンテナに引っかからなかったんだな。これは読まなくちゃ! カーネギー賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞、ヒューゴー賞、ローカス賞と、私が気にしてるファンタジー・SF系の文学賞はほとんど総なめにしているし!(まあ、賞とった作品が必ずしもおもしろくはないのは知ってるが)
代表作らしいアメコミ『サンドマン』は名前だけは知ってるが、見たことはない。画像検索したらシド・ヴィシャスがゴスにかぶれたみたいな主人公でちょっとかっこいいかも。それでもアメコミって(日本のマンガやアニメが苦手なのとはまた別の意味で)ちょっと苦手なんだけど。
映画関係だけ拾っても、『ベオウルフ』の脚本とか(この脚本はけっこうほめた記憶がある)、『もののけ姫』の英語版脚本なんか書いてる! うわー、なんか気になる!

とりあえずゲイマンについては読んだらまた書くことにして、この原作は明らかに児童書だからどうなんだろ? でも児童書なのにヒューゴー賞取ったというあたり、なんか妙に、児童書なのにウィットブレッド賞の大賞を取ったという『ライラの冒険』を思わせるね。どっちもイギリスの、子供向けのファンタジーだし。うーん、これはブックオフで100円になってたら読もう。

で、さっさとリビューをすませてしまうと、やっぱり技法やデザインが似ているせいか、見た目は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』に似ている。人形を使ったストップモーション・アニメ(CGも使ってる?)だが、動きもいい。デザインがややブラックで、主人公の少年少女やネコがぜんぜんかわいくないのもバートンっぽい。
でも類似はそこまでで、物語ははるかに複雑で深いし、なるほどそれなりのちゃんとした原作を元にしているんだなというのはよくわかる。お話もどこにでもいそうな普通の女の子が、がんばって人助けをする話だから嫌な気分になるはずがないし。(なぜか私は心温まる話でもディズニーやバートンやスピルバーグだと嫌な気分になるんだが)

私自身が主人公のコララインと同じ10才ぐらいの頃、興奮して読んでいたファンタジーも、まさにこういう感じの筋立てだった。普通の子供が奇妙な異世界に入り込んで、悪いやつをやっつけたり、すてきな人や変な人や動物と出会ったり、愛する誰かを助けたりするお話。
だから子供向けのファンタジー映画としてはとてもよくできていると思う。私も子供の頃に出会っていたらすごい好きになったはず。ただ、小さい子は怖がるだろうからちょっと無理かな。私のようなヒネた子供でない限り。けっこうグロいしダークな雰囲気だから。

ただ、大人になった今見て楽しいかというと、う~ん‥‥。すごい微妙。嫌いでもないが、別に興奮するような要素はないし、泣かせるわけでもないし、「そうですか」という感じで、もう一度見ようとは思わないな。アニメが好きな人なら技術的なものだけ見ても楽しめるかもしれない。確かにストップモーション・アニメは手間だけでもたいしたものだから。ただ、私は基本的に人形が嫌いだし、このデザインも美しいともかわいいとも思えないんで。

そう言えば前に小さい頃から動物が好きで「狼ごっこ」とかして遊んでたと書いたが、反面人形遊びは(いちおう持ってたけど)ほとんどしなかったな。私がいつも握りしめて離さなかったのは、母が気まぐれで作ってくれた編みぐるみのヒョウで、そういや友達と人形ごっこやおままごとするときは、このヒョウで参加していた。黄色に黒い斑点があって、長い手足としっぽがブランとしていて、ピンクパンサーみたいなプロポーションのヒョウで、これがかわいくてかわいくて、どこへ行くときも持ち歩いていた。ちなみに当時(3~6才?)好きだったのは、オオカミとヒョウの他にはヘビとワニ。まだ馬への信仰が生まれる前だったが、とことん捕食動物にこだわるのな(笑)。三つ子の魂百までとはよく言ったものだ。
だから人形が好きだった人はこの映画も感情移入できるし楽しめるかもしれない。でもこの映画の人形も怖いよね。コララインのそっくりぬいぐるみは子供の魂を奪ってしまうし、そもそも「ボタンの目の魔女」ってぬいぐるみの擬人化でしょ?

そんなだから、むしろ見ながらつまらないことばかり考えていた。『千と千尋の神隠し』と似てるなとか。どこがかって?
まず、主人公の少女一家(娘ひとりの核家族)が新しい家に引っ越してきたところから話が始まること。少女は親にかまってほしいのに、両親は比較的娘に冷淡に見えること。少女が「向こう側」で得体の知れない奇妙な人たちに出会うこと。男の子(と、この映画では猫)が彼女を助けてくれること。両親がとらわれの身になってしまい、最後に少女が「魔女」と賭をして、それに勝てば両親を元に戻してもらえること。
実はこれはこじつけで、こういう設定の童話や児童小説がすごく多いというだけですけどね。

けなすところもないけど、特に絶賛するほどのところもない優等生的な作品。実はこういうのがいちばん書きにくいんだわ。とりあえず縁があったらニール・ゲイマンの大人向けの作品は読んでみるつもり。
などと、子供向けだからと言って冷淡なこと書きながら、なんで『マイリトルポニー』と『アドベンチャー・タイム』にはこんなに熱中できるのか、我ながら不思議。やっぱり「大きなお友達」向けに作ってるからかな? とりあえず『アドベンチャー・タイム』も全話・全シーズンのブルーレイ注文してしまった‥‥あああ‥‥

広告
カテゴリー: 映画評 タグ: , , , , , , , , , , パーマリンク