【マンガ評】『寄生獣』映像化作品二題 前置き

先に断っておきますが、以下の2つのリビューは「ふだんまったく日本映画や日本のアニメを見ない人」がたまたま日本のアニメや映画を見るとどう思うか?という、一種の実験だと思ってください。
何もわかってないだけに、かえって新鮮な視点があるかも。ただし染谷将太や深津絵里や平野綾のファンが読むときっと発狂すると思うので、決して読んではいけません。原作ファンもちょっと怒るかも。
というぐらい言いたい放題言ってますが、私としてはべつに悪口のつもりじゃなく、本当に見たままを言ってるだけなんだけど。

岩明均の原作マンガ『寄生獣』は『アフタヌーン』で1980年代に連載されいてたマンガ。それがどういうわけか今頃、しかもテレビアニメと劇場映画が同時に制作された。何か再流行のきっかけがあったわけでもないし、どういう戦略なんだ、これ?

原作のマンガはともかく、アニメにも邦画にもまったく興味のない私は、特に興味を引かれたわけでもないんだが、たまたまネットで英語字幕付き『寄生獣 セイの格率』(外国人向けに日本のテレビ放映と同時に配信されていた)を見始めたらハマってしまって結局最後まで見た。(アニメの英語字幕や吹き替えは、「へー、こういうときはこう言うんだ」というのがおもしろくて、すごく会話の勉強になるのでときどき見てる)

実写映画のほうは見るからにひどそうというのが予告編だけでもわかったので、見るつもりはなかったのだが、たまたまテレビでやっていたのを見てしまった。そこでせっかくだからひとこと感想を書き残しておこうと思ったわけ。

その前に原作についても。原作はもちろん知っているし、パラパラと読んではいるが、ちゃんと全部は読んでない。
というか、私は「ストーリーマンガ」で全巻通して読んだのってほとんどない。理由はマンガは(特に最近のは)中身が薄いわりには、(露骨なコマ稼ぎとかで)長すぎるのが多くて、時間のむだと感じてしまうこと。よくできたマンガでも、長すぎるとストーリーや構成上のアラが目立っていやになることなどだ。ま、いちおう私、これでもプロの物語の読み手なんで(笑)。って、幼児向けのアニメ見て喜んでる奴に言われたくないだろうな、作者も(笑)。
そんなわけで、私が読むマンガは原則ギャグマンガだけだ。ストーリーよりギャグ書く方がはるかにむずかしいし、ユーモアというのは最も高尚な感覚だからね。(でも許容するのはギャグマンガまでで、日本のお笑いは大嫌い)

ただし、ストーリーや脚本レベルで言ったら、ハリウッド映画も日本のマンガもほとんど同等ということは、漫画家の名誉のために言っておこう。ただ、映画はそれ以外のいろんな要素(演技とか演出とか美術とか)があるので、まだ見てられるだけ。だいたいハリウッド映画なんてとてつもない予算を使って、膨大な人数で作ってるのに、あのレベルなんだから、ほとんどすべてをひとりでやってる漫画家はたいしたものだと言っていい。
原作の『寄生獣』も、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のリビューにも書いたように、『The Thing』の亜流のひとつとして見てて、グロだというので期待して見たら、大してグロじゃなかったのでがっかりしてそのまんま放り出していた。

こういう身も蓋もない言い方すると、原作ファンは「グロだけじゃない!」と怒るだろうな。でも、私に言わせると、そうじゃない部分のほうがもっととんでもないっていうか、ああいうエコロジーっていうか、宇宙船地球号っていうか、「ミミズだって、オケラだって、パラサイトだって、生きているんだ友達なんだー」的な考え方は、80年代だからこそ真剣に受け入れられたが、今見たらうさん臭くてたまらない。少なくとも私はとても耐えられない。
ましてや「寄り添って生きる獣」という結論にいたっては、知ってたにもかかわらず、吹き出さずに聞いてることはほぼ不可能というぐらい、やめて! 死ぬ!!ってぐらい恥ずかしい。だいたい、寄り添って生きるのは共生生物っていうんだよ。寄生獣は誰がどう見たって寄生生物じゃないか。
逆に言うと、このくっさいお説教部分さえなければ、『寄生獣』というマンガはけっこう好きだったのにな。ほんとにただのグログロ・ホラーだったらステキなマンガだったのに、お説教でチャラって感じ。あと、絵も下手すぎてあんまり好きになれなかった。

マンガはほめるつもりだったのに、なんか身も蓋もない話になってしまった。というだけでも以下のリビューが冷淡になるのは予想が付くはず。それにしても自分で読んでもあまりの熱の入らなさに笑える。ふだんは「どーでも映画」評ですら、かなり気合い入れて書いてるのにね。つくづく日本とは相性が悪いと思ってあきらめるしかないか。

というわけで、以下はアニメと映画の感想。

【アニメ評】『寄生獣 セイの格率』

【映画評】『寄生獣』(2014)(実写映画)

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