【映画評】どーでも映画劇場 ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日(2013)This Is the End

という、頭の痛くなるような邦題から予想される通りの、頭の痛くなるようなコメディ。

そういや、最近コメディって見てないな。私の永遠のバイブルはモンティ・パイソンだし、マンガは基本ギャグマンガしか読まないし、私は本来コメディこそ至上の芸術と考えていた人間なんだが、いつからか、周囲のみんながおもしろいと思うものと、私が笑えるものの差が開いてきたように思う。


それでも英国コメディだけは信じてたんだけど、ミスター・ビーンが流行り始めて、私にはあの笑いがさっぱりぴんとこなかったので、自然と遠ざかった。これも向こうじゃ大受けだった「The Office」も(リッキー・ジャーヴェスとの因縁にも関わらず)さっぱり笑えなかったし。

一方アメリカはというと、マイナーな映画には好きなのもときどきあるが、だいたいジョン・ベルーシのあたりで止まってる。実はベルーシ本人は嫌いなんだけど、彼の時代の「サタデー・ナイト・ライブ」はすごかったので。
だいたいコメディ映画って最近作られてるの? ってぐらい、日本じゃあまり見ない。まあ、外国のコメディは、文化的背景がわからなかったり、話術の巧みさがわからなかったり、いろいろつらいのはわかる。ミスター・ビーンが日本でも受けたのは、言葉を使わないコメディだったからだろうし。

なら日本はどうかというと、日本のコメディやコメディアンに関する私の知識はクレイジーキャッツのあたりで止まってしまっている。特に、国民的な人気者だったドリフターズを私は一度も見たことも聞いたこともないというあたり、いやでもギャップを感じざるを得ない。べつに毛嫌いしていたわけでもなく、単にドリフがデビューした頃には一切テレビを見なくなっていただけのことなんですけど。
さらにそれに続く漫才ブームや吉本にも完全に乗れなかった。まず関西弁は聞くだけでも無理なので吉本は無理だし、ビートたけしとかもキモいとしか思わなかったし。
なのになんでこんな映画見たかというと、終末テーマだというのをちらっと聞いたからなんだが。

まあそんなわけで、みじんも期待していなかったが、その期待に違わず、血も凍るほど寒い映画だった。だいたいクエンティン・タランティーノ絶賛とかいうが、私はそのタランティーノこそ寒くてしょうがないからな。
この映画は    セス・ローゲンというカナダ出身のコメディアンが監督・制作・主演した映画だが、人気ある人なのかな? とりあえず、彼を初めとするコメディアンや俳優が全員実名で登場するのが売り。私はほとんど知らない奴ばっかりだからわからないが、知ってる人には笑えるのかもしれない。
セス・ローゲンという人はスタンダップ・コメディアンだったそうで、なるほど、登場人物全員が全編ツバを飛ばしてしゃべくりまくるのは、映画というよりスタンダップ・コメディの乗りだな。もっともアメリカ人は普段からこういう感じでしゃべるが。

私はとりあえず最初の10分ぐらいで音を上げた。何がってこの身内ネタ、ギョーカイ乗り、楽屋落ちギャグのオンパレードに。映画が好きだからこういうのも好きだと思われそうだが、私はハリウッドの内幕なんてなーんも興味ないんだってば。
そもそもハリウッド人種なんて役者もスタッフもみーんな人間のクズだと思ってるし。で、その偏見に違わないゴミみたいな人間ばっかりが、ラリってくだ巻いてるだけの、この会話のどこがおもしろいんだ?と歯ぎしりしながら見ていた。

その拷問のようなしゃべりが永遠に続くかと思われたころ、やっとお話が始まる。いきなり空から光が差してきて、人々を天に吸い上げたかと思うと、地面には巨大な亀裂が走り、そこから化け物が出てくる。私はてっきりUFOによるアブダクションかと思ったのだが(笑)、実は最後の審判でした。それで善人だけが昇天できて、悪人は地獄から這い出してきた化け物の餌食というわけ。
これ、終末テーマかと思ったらアセンションじゃないけー! アセンションというのは、私は興味ないから知らないが、ニューエイジだか、新興宗教だか、スピリチュアルだかの人たちがよく使う言葉。知りたければ試しにGoogleで「アセンション」で検索してみれば、そういうすっごいキモチワルイのがいっぱい出てくるから。これは楽屋落ちよりひどい。おえええ‥‥(ゲロが止まらない)。

唯一、エマ・ワトソンが出てくるのがちょっと楽しみだったんだが、ほんとにしょうもない顔見せだけで、実はエマちゃんが好きな私はむかつく。

もちろん業界人など全員地獄落ちなので、主人公とその仲間はみんな地上に残る。そしてドタバタしながらサバイバルもどきが始まるのだが、そのうち、善行をすれば昇天できることに気付いて(どうやら偽善でもいいらしい)、みんなで昇天して、最後はラスベガス風の天国でバックストリート・ボーイズが歌って踊る。
ああ、くだらねえ。ていうか、こんな天国死んでも行きたくないと思う時点で、この映画が好きになれるはずもないけど。

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