★★【映画評】『プロメテウス』(2012)Prometheus 前編

prometheus19二部に分かれてます。後編はこちら

1979年に最初の映画が封切られた『エイリアン』シリーズは、私にとって最も大切な映画のひとつで、その初代『エイリアン』の監督、リドリー・スコットが手がけたこのプリクエルも大いに期待して見た映画。おかげでやたら長くなったので2つに分けました。ただ、長いだけで中味はそんなにないです。★2つはまあ、それなりに集大成的なあれなんで。
ついでに今回は「実況風リビュー」を試みたんですが、どうなりますやら。

♦ いつもならまずは、『エイリアン』とのなれそめから始まって、なぜ私がこれほどまでにこのシリーズに入れ込むかの解説などが続くところだが、話が長いのは年寄りの証拠だし、今日は時間もないのでできるだけ早く本題に行くように。まずはなんで『エイリアン』がSF映画としても、ホラー映画としても、モンスター映画としても最高だと思うのか? 手短かにだよ。
♣ 自分で結論言ってる。
♥ シガニー・ウィーバー
♠ それだけかい!
♣ 1、傑作だった。2、傑作だった。3、傑作だった。4、傑作だった。シリーズものでこれだけハズレがないのもめずらしい。世間でわりとハズレ扱いの3と4も私には個人的にたまらなかったし。
♠ リドリー・スコットジェイムズ・キャメロンデヴィッド・フィンチャージュネ&キャロと、私が心から敬愛していた監督ばかりが、それぞれの絶頂期に撮ってるから。どんなヒット作でもこれだけ粒が揃うこともまずない。
♥ しかもその多才な監督たちが、それぞれの持ち味を活かした独自の『エイリアン』を撮ってること。
♦ 1がSFホラー、2がSFアクション、3はダークな宗教と哲学、4はダーク・ファンタジーと、ほんとに切り口が違うからおもしろい。

♠ あともちろん、モンスターとしてのエイリアンが最も完成されたフォルムと美しさと強さと残酷さを持ってるから。
♣ 『エイリアン』を見るまで、私の中で世界一かっこよくて最強にして最凶のモンスターは、A・E・ヴァン・ヴォークトの連作短編集『宇宙船ビーグル号の冒険』に出てくるクァールだと思ってたんだけど‥‥
♥ ほぼ不死身の怪物で、なおかつ人間を欺く狡猾な知性を持っているってあたり。
♠ むしろ近いのは同じ本に出てくるイクストルじゃない? クァールは食欲の権化だけど、イクストルは繁殖することだけが目的で、しかも犠牲者の人間の腹に卵を産み付けるってあたり、モロでしょう。
♦ そのふたつを合わせたみたい。たぶんこの本あたりが元ネタだね。
♣ 強酸性の血液ってのもヴォークトじゃなかったっけ?
♠ その最強のヴォークト・モンスターを、H・R・ギーガーにデザインさせたようなものがエイリアンですから、もうかなう者はいないね。
♥ クァールは触手の生えた猫科の猛獣で、それはそれで好きだったんだけど、やっぱり爬虫類系、というより恐竜っぽい、獣脚二足歩行のエイリアンの方がかっこいい。
♠ 獣脚二足歩行最高にかっこいいよね! デイノニクスみたいで。伸びた後頭部もパラサウロロフスっぽい。

♦ その『エイリアン』の5作目、ではないんだけど(後述)、とりあえず、オリジナルを作ったリドリー・スコットが帰ってきた! というだけでも大事件よね。
♥ リドリーが続編を撮るって話は何度もあったんだけどね。だけどそのつど流れて‥‥っていうか、このシリーズの監督と脚本はいつも二転三転してもめてばっかりで。
♠ 彼も原作者としては、続編を見て、いろいろ思うところはあったはずだし。
♣ ただ、昔のリドリーなら大歓迎なんだけど、はっきり言ってこれだけだめになっちゃうと、期待していいものかどうか‥‥
♠ なまじヒット作を撮ってしまったために、ハリウッドで酷使されてだめになった天才の典型だよな。
♥ 『テルマ&ルイーズ』まではほんと輝いてたんだけどねえ。(『レジェンド』を除く)
♦ 『グラディエーター』で再度注目はされたけど、歴史映画好きの私でもうんざりするような映画だったし。
♣ ただ、『エイリアン』と『ブレードランナー』というSF映画で名声を築いた監督なのに、その後あえて1本もSF撮らなかったよね。それが今になって、というのはなんか思うところがあったんじゃないかと。

♦ まあゴタゴタ言うより見たほうが早い。まずは時間のない人のためのあらすじ。

短いあらすじ

神は宇宙人だった(笑)。

♠ なんだ、こりゃー!
♦ 私が書くと長くなりすぎるからたまにはこういうのもいいかと思って。
♣ なんのことやらわからないよ!
♥ まあこれだけで終わらすのもなんなので、次に詳細な解説と感想付きの長いあらすじ。
♦ ちなみに私はこれまで3回見ている――ロンドンからの帰りの飛行機の機内映画、アメリカ版ブルーレイ、テレビで放映されたもの(日本語字幕付き)――が、先の二つは海外版だし、特にBDはもしかしたら劇場版にはないシーンがまぎれ込んでいるかもしれず、それ以上に私の記憶がごっちゃになってる可能性もあるので、ご了承ください。
♣ また、四重人格の発言はいずれも個人的見解であり、定説でもなければ正しいという保証もないこと、『プロメテウス2』が公開されたら瓦解する理論かもしれないことをご承知ください。

長いあらすじ

太古の地球とおぼしき荒涼たる世界。頭上には巨大な宇宙船が浮かんで見える滝の上。筋肉隆々で白目のない半裸の大男が容器に入った黒い液体を飲み干す。すると男の肉体はDNAレベルまでバラバラに崩壊し、それが滝の水にまじって流れていく。宇宙船は去って行く。

太古の滝の上に立つエンジニア

太古の滝の上に立つエンジニア

♠ 男は明らかにエンジニアの種族なんだが、なんのためにこうしたのかは不明。
♦ ブルーレイに入っているアウトテイクを見ると、どうやらなんらかの生贄の儀式のように思える。
♥ 頭上の宇宙船は明らかに男がやることやるのを見届けて去って行くという感じだったし。
♠ 私は処刑の一種かもと思ったよ。
♣ タイトルも『プロメテウス』だし、彼が自らの命と引き替えに、地球に生命をもたらしたプロメテウスなんじゃない?
♥ それにしちゃ後のエンジニアの行動と完全に矛盾してるんで、謎が増すんだよね。

♦ それはそうと、この風景は本当に美しい。
♠ このあとすぐにIsle of Skyeの字幕が出るから、てっきりスカイ島で撮ったと思って興奮したよ。
♣ 最初に見たのがスカイ島からの帰りの飛行機の中だったんで。
♠ 実際はアイスランドのDettifoss waterfallという滝でした。スカイ島の風景に確かに似てるけど、スカイ島は小さな島なんで、さすがにここまでダイナミックな景色はない。
♣ だから景色はスカイ島で、滝はCG合成かと。現実にあんな景色があるなんて思わないじゃない。
♥ でも、そもそもスカイ島やハイランズに惚れたのは、この世のものとは思えない、異星のような風景のせいだもんね。だから私はこの風景だけでも胸一杯でとりあえず満足した。
♣ 同じくアイスランドにロケした『オブリビオン』も風景をほめちぎったけど、やっぱり似てるね。
♠ 青く無機的な画面処理がそっくりだし。

♦ アイスランド行きたいわー。こういうとこを死ぬ前にこの目で見たい。
♥ スコットランドへ行って、もう思い残すことはないと思ったけど、次々に欲というものは出てくるもんだなー。
♠ スコットランドは長年、「映画だからこんなにきれいに見えるんだろう」と思っていたんだが、実際に行ってみたら映画以上に美しい風景が周囲360度、それもどこまでも切れ目なく続いてるんで本当に驚いたんだけど(それはイングランドもウェールズも同じだけど)アイスランドはどうだろう? Googleマップとかで見るかぎりでは、スコットランドよりもっと荒涼としてもっとなんにもないだけに見えるんだけどな。
♦ だからそれこそ自分の目で確かめるっきゃないのよ。

オールドマン・オブ・ストー

オールドマン・オブ・ストー

2089年、スコットランドのスカイ島。考古学者のカップル、エリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)とチャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)が洞窟の壁に古代人の描いた壁画を発見する。

♣ スカイ島はオールドマン・オブ・ストー(Old Man of Storr)が舞台。行った時は名前も知らなかったけど、もちろん見てる。
♥ やっぱりスカイ島もいいわー。
♠ 風景の話ばっかり! 観光ビデオじゃないんだから(笑)。
♦ でも2089年になってもスカイ島はまったく変わってないのね(笑)。
♥ そうでなくっちゃ。
♣ LV-223の風景の一部には同じスコットランドのグレンコーの映像が使われてるし、もうたまらないですね。
♦ あそこも異星だもんなー。
♠ ていうか、この映画見た時の旅行記早く仕上げろよ。なんで4年もかかってるんだよ!
♦ ロケーションの話を続けますと、冒頭の空撮はアイスランドのKrossa River、LV-223の主な舞台になってるのはヨルダンのWadi Rumです。

♠ そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。せっかくヒロインが出てきたんだからなんか言いなさいよ。
♣ シガニーのあとだからめちゃくちゃ叩かれるだろうというのは予想してたんですけどね。
♥ 他にもうちょっとましな女はいなかったのかと。
♠ それしか言うことないのかよ?
♦ とりあえず役者の話はあとで。ここではストーリーに話を絞ってくれ。

♣ そういえば、これはシガニーの出ない『エイリアン』だってことに今さらながら気が付いた。
♠ 正確にはこれは『プロメテウス』であって『エイリアン』のシリーズじゃないから。
♦ ややこしいんだけど、いちおうプリクエルの形で、同じ『エイリアン』世界のできごとだけど、『エイリアン』の直接の前日談ではないんだそうだ。というのも、『エイリアン』の舞台は惑星はLV-426だけど、こっちはLV-223だから。つまりあの難破した宇宙船もリプリーたちの発見した宇宙船とは別。同じ星系にあるという設定だけどね。
♣ 版権の問題?
♥ 矛盾が出てきても、これは『エイリアン』とは直接関係ないからと言って逃げられるしね。

前のシーンから4年後の2093年、宇宙船プロメテウス号がLV-223に到着し、乗組員たちがハイパースリープから目覚める。

♦ ここで唯一のアンドロイド乗組員であるデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)が登場。人間の乗組員たちがまだ眠っている間、ひとりで遊んでる場面が続く。
♥ これだけ見てマイケル・ファスベンダーに惚れました。
♠ なんかむっちゃ挙動不審なロボットじゃない? 人の夢を盗み見たり、『アラビアのロレンス』のピーター・オトゥールにあこがれて髪を染めるようなロボットに命あずけたくない!
♥ いいじゃない! 私は『アラビアのロレンス』の大ファンだし、あれ見た時はピーター・オトゥールに心底恋したもん。アンドロイドだってそうなってもおかしくない。
♠ だからロボットがなんで映画スターにあこがれたりするんだよ!

♦ 実はこの映画には公開前に作られてネットに流されたバイラル広告があるんだけど、その中でピーター・ウェイランドが『アラビアのロレンス』を引き合いに出して語る場面があるのよ。映画にもロレンスがマッチの火を指でつまんで消すシーンがあるんだけど、ウェイランドはバイラルの中でそのエピソードを引き合いに出して、「この火こそはプロメテウスが神から盗んだ火なのです」と述べる。
♣ そしてウェイランドの分身として作られたデヴィッドは、ウェイランドの好みをそのまま植え付けられたと考えられるから、ロレンス・ファンであってもおかしくないわけ。
♥ ストレート・ブロンドの長い前髪いいわー。本物のピーター・オトゥールより美しいわあ。
♦ 長くなるからこの話もあとで。

参考までにピーター・オトゥール(左)とマイケル・ファスベンダーの比較画像

参考までにピーター・オトゥール(左)とマイケル・ファスベンダーの比較画像

その後に船内で行われたレクチャーで、この探検の目的が明らかにされる。ショウとホロウェイの二人は世界各地の古代遺跡からよく似た絵を発見していた。それは6つの星を指さす巨人を古代人が崇めている絵だった。その星はどの絵でも共通で、調べてみると遠すぎて肉眼では見えないため、古代人には知りえたはずのない銀河系を示していた。ショウらはそこからやってきた宇宙人が、人類の造物主であると考え、彼らに「エンジニア」と名前を付けた。

これがその洞窟壁画

これがその洞窟壁画

♠ さーて、ここがこの映画の一番の突っ込みどころ。なにしろ、古代人が描いた稚拙な洞窟画(星が6個並んでいるだけ)から、どこの銀河系かまでつきとめて、なおかつその中のひとつの星を特定し、なおかつその星に地球とよく似た惑星と月があることまでつきとめる。いくら未来の話とは言え、ありえなすぎ!
♦ いちおう宇宙探査の進んだ時代だから‥‥と好意的に解釈しても、情報少なすぎだよねえ。
♥ あの絵を見ると描かれてるのはどう見ても星座だよね。そして星座ってのは単に地球から見た星の見かけの位置が並んでるだけで、実際の距離はとんでもなく離れてるよね。それからどうやって1個の星を特定できるのか。
♦ だいたい、絵に描かれてるのはどう考えても恒星だと思うのだが、それを銀河と言い張っている。おまけに「この銀河系にはひとつの太陽があり、そこには地球によく似た惑星がある」 銀河系というのは無数の太陽の集まりなんだが‥‥。
♠ 銀河の中のたったひとつの星を特定するだけでも大変だよね。しかも手がかりはあれしかないんだから。
♦ いや、古代人には見えなかったという設定だから、あれはエンジニアが教えて描かせたんでは? 将来、宇宙旅行が可能になったら訪ねてくるようにと。
♠ だったらもっとおかしいや。どうせ教えるなら座標かなんか教えろよ。
♣ ていうかそれだけ進んだ宇宙人なら、原始人の絵よりましな媒体使ってくださいよ。
♥ 「モノリス」を残すとかね。

♣ なんか科学の「か」の字も知らない人が書いた脚本という気がひしひしとするんですが。
♠ まあ、たかがモンスター・ムービーだから科学考証なんかどうでもいいけどさ、少しはそれっぽく聞こえるようにすればいいのにとは思った。
♦ とりあえずこの矛盾についてはまた後で。
♣ でもこれだけは言わせてよ。ショウたちは映画のオープニング・シーンを見たわけでもないのに、あれだけの絵からどうしてエンジニアが人類を作ったとわかるんだろう?
♠ エンジニアが宇宙人という証拠もないしな。
♥ ただの大きい人かもしれない(笑)。

ショウとホロウェイの研究に興味を持った大企業ウェイランド・コーポレーションの高齢のオーナー、ピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)は彼らの計画に出資し、エンジニアを捜す旅にプロメテウス号を送り出した。宇宙船にはクルーと科学者たちのほかにも、ウェイランド社の責任者であるメレディス・ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)と、ウェイランド社の最新技術の結晶であるアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)も乗っていた。

♥ このシャーリーズ・セロンがまた魅力的だったんだが、役者の話はあとでまとめてするわ。

惑星に到着した一行は、ピラミッドに似た巨大建造物を発見し、それがエンジニアの手になるものと信じて調査隊を送り込んだ。彼らは建造物の内部で、さまざまな発見をする。人間の顔を彫った巨大な像。その周囲に並んだ円筒状の容器。そしてエンジニアとおぼしき種族の最後を映したホログラフ映像。ホログラフの中で何者かに追われて逃げようとして、閉まった扉に挟まれたエンジニアは、そのままの姿で頭部を切断された状況で発見された。
さらに3Dマップによると、彼らがいるのは建造物の中に埋め込まれた宇宙船の中であることがわかる。その宇宙船は、『エイリアン』に出てきたエイリアン・シップと同じ形だった‥‥

♣ ここから「エンジニアの秘密」に関連したものがいっぱい出てくるんですがね。あのでかい顔は誰の顔なのかとか。あの円筒には何が入ってるのか?とか。いずれ、その秘密がすべて明かされるんだろうと思ってたら‥‥。
♥ 「次回をお楽しみに!」で終わってしまった。
♠ なんであの状況でホログラフを撮っていて、それを未だに上演してるのかもわからんね。
♦ 好意的に解釈してあげれば、次にやってくる仲間に危険を知らせるために、録画しておいて、人が来たら再生するようにセットしておいたんでしょ。
♥ あれが古代の亡霊みたいに見える演出はちょっと好き。
♣ でも「エッグ・チェンバー」だ!と思ったら、卵じゃなかったのでちょっと面食らった。
♦ その秘密は見てればわかるよ。

この探検の最中、激しい嵐が襲ってきて、隊員たちは船に呼び戻される。その際、生物学者のミルバーン(レイフ・スポール)と地質学者のファイフィールド(ショーン・ハリス)が道に迷ってピラミッドに取り残される。
ショウはどうしてもエンジニアの頭部を持ち帰ると言い張って嵐に巻き込まれ、あやうく死にそうになるが、デヴィッドに助けられる。一方デヴィッドはこっそり円筒容器をひとつ持ち出していた。

♥ 完璧な3Dマッピング装置を持ってたミルバーンとファイフィールドが「道に迷う」(笑)。
♣ 船内にも、それで作ったホログラフの立体マップがあって、隊員がどこにいるかも常に見えてるのにね。
♦ だからいちいち突っ込むなって。ミルバーンとファイフィールドが殺され役ってことは最初出てきた時からわかったね。雑魚なのにちゃんとキャラクター紹介っぽいのがあって。
♠ 私はむしろチェストバスターの犠牲になるのは誰だろう?というのを気にして見てた。『エイリアン』ならそれがなくちゃ始まらないし、チェストバスターにやられるのは食われ役の花形だからね。

お笑いコンビ?のミルバーンとファイフィールド

お笑いコンビ?のミルバーンとファイフィールドと、腕に取り憑いたハマーピードさん

♣ ところで今彼らの写真検索していたら、ミルバーンとファイフィールドのやおいコミックがたくさんあって衝撃を覚えた。
♦ やおいって?
♣ だからゲイコミック。外人のだけじゃなくて日本人作のもあったし。
♥ どういうこと? 二人とも汚いおっさんじゃない!
♠ それがツボる人もいるんでしょ。
♦ 理解できん。主役の三人ならいくらでも妄想全開にできるけど。
♠ この二人になんかあるとすれば、それは初対面でミルバーン(気のよさそうな太めのオヤジ)が友好的にあいさつしようとしたら、ファイフィールド(モヒカンに刺青の痩せたオヤジ)が「俺は仕事しに来ただけで、友達作りに来たんじゃねー」とすごむところぐらいなんだが。
♥ だからなんでこの二人をホモにする? なんかある種の闇を見てしまった気分だ。
♣ レイフ・スポールって『ストーリー・オブ・パイ』で見た時もっと痩せてたと思ったんだが。こうやって見るとやっぱり親父さん(ティモシー・スポール)に似てるなあ。

船に戻ったショウと医師のフォード(ケイト・ディッキー)はエンジニアの頭部を調べる。かぶっていたヘルメットを外すと中から現れたのは人間そっくりの顔で、DNAも人間のものと一致した。このことからエンジニアが古代の地球にやって来た人類の祖先であることは間違いないと思われた。

♠ だからそれを知る前になんでエンジニアが人類の創造主だと思ったのか。「あらかじめ脚本を読んだから」としか思えない。
♥ ケイト・ディッキーだけがスコットランド人という設定らしく、スコットランド訛り丸出しでしゃべるのがかわいい。こういうおばさん好き。
♣ この「解剖」シーンとか、めっちゃくちゃ『物体X』を思い出すんですけど。いつ中からエイリアンが「ピギャーッ!!」って飛び出してくるかとハラハラしてしまった。
♦ これも似たようなものだけどね。

デヴィッドは秘かに持ち出した円筒容器に入っていた黒い液体を、酒に混ぜてホロウェイに飲ませる。ホロウェイはその後ショウとセックスするが、翌朝体の異常に気付く。

♣ さあ、いよいよデヴィッドが正体を現して参りました。
♠ 前のビショップとコールが良い子すぎたから、次はきっとロボットが悪役だろうという予想は立ててたのだが。
♥ まったく今どきのロボットは「ロボット三原則」も知らないから始末に負えないね。
♦ 誰かで人体実験したかったのはわかるけど、「なんでホロウェイなのか?」っていうのが議論になってるね。
♣ それまでデヴィッドがロボットだと言うことをからかって、チクチクいじめてたから。
♥ 女とイチャイチャして目障りだったから。

一方、建造物の中で迷っていたミルバーンとファイフィールドは蛇に似た生物(Hammerpede)に襲われる。ミルバーンは殺され、生物の腐食性の血液がファイフィールドのヘルメットを溶かす。
翌朝、二人を救出に向かったチームはミルバーンの死体を発見するが、ファイフィールドの姿は消えていた。

♦ はい、いよいよエイリアン、と言っていいのかどうか、とりあえず謎のクリーチャーの登場です。いちおうハマーピードという名前が付いてるんだけど、見た目はやっぱりヴァギナのあるコブラだよね。
♠ Hammerpedeと言ったら「ハンマーの足のある生物」っていう意味だけど、足ないしハンマーでもないし、まるっきり意味不明。
♥ しかしなんでヘビなの?と、最初は思ったけど、あとからブルーレイで見返して納得。あの円筒から黒い液体が漏れて、その中にミミズみたいな虫がうごめいてたんだよね。
♣ 機内映画なんて画質が悪すぎて暗いシーンはほとんど何も見えないから。
♠ あの液体はおそらくエンジニアが作った「DNAを組み替えてメタモルフォーゼを起こさせる薬」。それにミミズが触れてできたのが、あの蛇の化け物というわけらしい。
♥ はあ? フェイスハガーは? チェストバスターは? エイリアンのライフサイクルについては、四部作でかなり解明されてるのに。

♣ しかしここでのミルバーンの行動がアホ丸出しだっていうので叩かれてる。
♥ だって正体もわからない異星生物の頭を「いい子いい子」しようとして手を出すんだもの。
♦ 地球のヘビにだってしないよ、そんなこと! まして生物学者のやることじゃない。
♠ これまでのエイリアンの犠牲者の中でも、最上級のバカだな。

エンジニアは何者かに襲われて全滅したと思われていたが、デヴィッドは生きて冬眠状態にあるエンジニアを発見し、ホログラフの星系図が地球を指し示しているのを見つける。

天空図に心奪われるデヴィッド

星系図に心奪われるデヴィッド

♥ あの天空図はとってもきれいでした。
♣ なんかいきなりファンタジーの世界に。
♠ “Let it go! Let it go!” とか歌い出しそうな感じ(笑)。
♦ マイケルは氷のプリンス然としてるから合ってる(笑)。
♣ 実際、ファンアートにそういうのがあったよ。
♠ でもこれだけで、エンジニアは地球を滅ぼそうとしている!とか、なんでわかるんだよ? この人たち一を聞いて十を知るっていうか、何も聞かないうちから知りすぎ!

探索の途中で急速に具合が悪くなったホロウェイはショウに支えられて急いで宇宙船に戻るが、彼が何かに感染していることを見たヴィッカーズは火炎放射器で彼を焼き殺す。

♦ このときシャーリーズは本物の火炎放射器持たされて、それでスタントマンを撃つように命じられたんだって。もちろん安全対策はしてあるとは言え、生きた人間に実際に火炎放射器で火をつけるわけだから、あのシーンでシャーリーズがビビってるのは演技じゃない。
♣ リドリー・スコットは鬼畜野郎ですな。
♥ しかも、彼女の意思で殺したわけじゃない。自分はもうだめだということを悟って、他の人間に危害が及ぶよりはと思ったホロウェイ自身が自分を焼くようにヴィッカーズに頼むんだよね。これはけっこう泣けた。それを目の前で見た恋人のショウが取り乱すのもわかるし。

♠ ここで納得いかないのは、このホロウェイとヴィッカーズの反応。
♥ えー? だってあんな化け物に殺されるぐらいなら死んだ方がましじゃん。
♠ そう思うのは後のシリーズを見てるからでしょ? これがリプリーだったら大いにわかるんだ。彼女はさんざんそれを見せつけられてきたから。だけどこの人たちは何も知らない。ホロウェイに何が起こったのかも知らないし、エイリアンが寄生生物だってことも知らないし、そもそもエイリアンの存在も知らない。なのにどうしてすぐに自殺=殺すって選択肢が出るの? The Thingみたいにキエー!と奇声を上げて化け物に変身したならともかく、見た目は単に病気の人なんだから、普通なら隔離して治療しようとするか、少なくとも冬眠ポッドに閉じ込めるはずじゃない? まあ、いつもそれでやられるんだけど、いきなり焼き殺すって選択肢はねーよ
♦ それは一理あるな。観客はみんな『エイリアン』見てるから何とも思わないけど、登場人物が見てるはずないのに。
♣ このあとに焼き殺されるファイフィールドなら、確かにもう人間の姿してないからわからなくもないけど、確かにホロウェイは単なる病人だしねえ。
♠ 『エイリアン』シリーズを見てなくてこれが最初の観客には、すごい冷血に見えるはずだよね。そこがかっこいいし、そういう映画はそれで好きなんだが。
♣ なんかアラがポロポロ出てくるなあ‥‥。
♥ ていうか、ここまでのアラ全部いっしょじゃない。一を聞いて十を知るってとこ。
♠ 一を聞いて百を知るどころか、何も聞かなくても千を知ってるところだな。脚本ほんとうにバカ。

ホロウェイと肉体的に接触したショウも検査を受けさせられるが、彼女はもともと不妊症であるにもかかわらず妊娠していることがわかる。すぐに胎児を取り出してほしいと頼むショウに対して、デヴィッドは彼女を冬眠状態にして地球へ運ぶと言う。しかしショウは逃げ出して、ヴィッカーズの船室にあった医療ポッドに入り、自分で帝王切開手術を行う。

♦ ショウが半狂乱なのに、デヴィッドの落ち着き払って薄笑いを浮かべた態度は恐ろしいんだけど、後のウェイランド社の行いを見ている観客には当然の態度に思えてしまう(笑)。
♥ エイリアンを孕んだ人間は金の卵らしいからね。
♣ いま気が付いたけど、これってウェイランド社が湯谷と合併する前の話なのね。
♠ どうやらイギリス企業らしいウェイランドは不死を追い求め、日本企業は生物兵器と利潤を追求するわけか。なんとなくわかる。
♥ ネタバレしてるってば。それじゃ日本ひどすぎ。
♦ この頃はまだ社主の鶴の一声で動く私企業という感じだったウェイランドも、のちに合併して巨大コングロマリットになってからは、否応なしに利潤追求に走るしかなかったんでしょう。
♠ それは説得力があるな。

ショウと堕胎された「胎児」

ショウと堕胎された「胎児」

♣ しかしこの妊娠・出産のテーマは、このシリーズじゃ執拗に繰り返されるね。
♠ そりゃエイリアンを孕むってことが妊娠そっくりだからでしょ。
♦ 思うに、リプリーの「妊娠」や、この「帝王切開」シーンは男よりも女性が見るほうがショックがでかいし、生理的にキツいと思う。なんかすごい実感できるから。妊娠することのない男にはそこまでリアルでグロテスクには思えないと思う。

♠ このシーンははリドリーさんよくがんばったとほめてあげよう。20世紀フォックスのお偉方はレーティング的に不利になると反対したそうだけど、押し切ってグロを撮ったから。
♣ 手術もグロいけど、あの狭いポッドにチェストバスター(のようなもの)といっしょに閉じ込められて身動きできないのがすごい嫌だった。
♥ ところで手術の前後にショウがなんかバンバン注射打ってたけどあれ何? 麻酔?
♦ 逆だと思う。これはスターシップ・トゥルーパーズ2でブレンダ・ストロングが打ってたのと同じ、気付け薬みたいなものだと思うよ。手術中に気絶しないための。
♣ 麻酔は当然医療ポッド(ところで今はオートドックって言わないのね)がかけてくれるから必要ないよね。でも眠ってしまったらエイリアンに何されるかわからないから、気を確かに持つ必要があった。
♠ おかげで麻酔は効かないとしたら、よけい凄惨さがましていいね。
♣ 実際そう見えたよ。
♦ ノオミ・ラパスは嫌いだったけど、この奮闘を見てたら同情する気になった。やっぱりエイリアン・ヒロインはこうじゃなくちゃと。
♥ でも開腹手術した直後、あんなホチキスみたいなので雑に閉じただけで走り回って平気なの? いくら未来の医療技術とはいえ。
♦ 手術自体もずいぶん雑だった(笑)。切腹みたいに横一文字に腹切り裂いて、そこからクレーンで「胎児」をつまみ上げるだけ。
♠ ありえねー! 今どきあんなにでっかく切ることもありえないのに、ましてはるかな未来の医療技術があれ?
♦ どう見ても切腹だよなあ。これはリプリー以上の超人だな。
♥ ほんと強い女好きだよね、リドリーってば。

その間、プロメテウス号の格納庫で働いていた作業員たちは、もはや人間の姿をしていないファイフィールドが外にうずくまっているのを発見する。ファイフィールドは超人的な力と生命力でクルーを何人も殺すが、最後は火炎放射器で燃やされて絶命する。

♣ 変身すると体の関節が柔らかくなるんだね。
♥ The Thing
♠ The Thingだな。
♦ 確かにどう見ても、ジョン・カーペンター版『遊星からの物体X』のベニングスのシーンにそっくり。何かにつけて火炎放射器で焼き殺すところもまんま『物体X』だし。
♠ だって、弾丸バンバン撃ち込まれても、トラクターで轢かれても死なないんだもの。
♦ どこまで意識してるのか知らないが、『エイリアン』と『物体X』の類似性は前から気になってたんだけど、これなんてほとんどオマージュと言っていいぐらい似てる
♠ 『遊星からの物体X』(1982)が『エイリアン』(1979)を模倣したとずっと思ってたけど、今やその逆もありだな。

「堕胎」を終え、命を取りとめたショウが医務室に戻ると、そこには死んだはずのピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)がいた。100才を超えるウェイランドは迫り来る死から逃れるために、エンジニアから不死の秘密を手に入れようともくろんでいたのだ。ここでヴィッカーズがウェイランドの娘であることも明らかになる。

♥ 裸で血まみれの女がよろめきながら入ってきても、誰ひとり驚きもしない皆さん。こいつら全員ロボットじゃないのか? 犯人のデビッドは「ずいぶん生存能力が高いんですね」なんて人ごとみたいに言ってるが。
♦ 確かにウェイランドとヴィッカーズはあんまり人間に見えない。
♣ なんで最初から年寄りを使わずに、若いガイ・ピアースを使ったんでしょうね。
♦ リドリーはマックス・フォン・シドーを使いたかったんだがだめだったんだそうだ。
♥ 私はウェイランドはマイケルにメイクすべきだと思ったな。マイケルは冷血なところも含めて、どうやらウェイランドの分身らしいから、自分(の若い頃)に似せて作ったというほうがいい。
♠ 確かに誰が中の人でもどうせ素顔なんか見えないんだから、他の役者を使う意味ないし。
♦ あるとしたら、続編でウェイランドの若い頃を出すってことかな?
♣ バイラルでは素顔で若いウェイランドを演じてたよ。
♥ ところがBDにはそのバイラルが入ってない! あんだけ無駄なものたくさん盛り込んでおいて、なんで入れてくれないんだ!

♥ ヴィッカーズとウェイランドの関係も謎なのよね。
♦ なんで?
♥ やけに冷淡だし、ウェイランドの娘にしては年が離れすぎてるんで、ヴィッカーズもアンドロイドなんじゃないかという説もある。
♣ つーか、そもそも親子なのに名字が違うし。
♠ それはないよ。アンドロイド説は否定されてる。それより、これまでの『エイリアン』シリーズは常に母子の関係だったのに、ここでは父子の関係がやたら強調されてるのは気になった。
♦ なるほど、これまでは

リプリーは母
エイリアン・クイーンも母
リプリーとニュートは疑似母子
3のリプリーとエイリアンは母子
リプリーとニューボーンも変態母子
リプリーとコールも疑似母子っぽい

のに対して

ウェイランドとヴィッカーズは父子
ウェイランドとデヴィッドは疑似父子
ショウと死んだ父親は父子

と、これは意識してのことだろうね。
♣ しかもその関係が込み入ってるんだよね。ショウのお父さん(パトリック・ウィルソン)はアフリカかどこかでエボラにかかって死んだみたいだけど、デヴィッドはそのことに異常な関心を持ってるし、ショウのほうは触れられるのをいやがってる。
♥ ほんの短い夢のシーンにしか登場しない役に有名俳優を使ったっていうのは、これもやっぱり続編に関係してる?
♠ ウェイランドとヴィッカーズは実の親子なのに冷たい関係だけど、デヴィッドはロボットなのに息子のように忠実とか。
♣ で、だから何なの?
♥ これがなんかの伏線だといいんだが、この映画ではさんざんほのめかすだけで終わってる
♠ 次はエイリアン・キングが出てくるのか?

♥ しかしウェイランドもバカだよね。エンジニアが不老不死だなんて誰も言ってないのに、勝手に決めて宇宙くんだりまでやってきて。
♦ いちおう彼の頭の中ではエンジニアは造物主=神=神は不老不死だからきっとエンジニアも、という構図ができてるんでしょう。
♣ なんかなー。一を聞いて十を知るのもアレだけど、この人たちなんでも勝手に断定するのも得意だね。

プロメテウスの船長ヤネック(イドリス・エルバ)はショウに自説を語る。彼の考えではここはエンジニアの軍事施設で、それも危険な生物兵器の実験場だった。ところが何かの手違いで、彼らは自らの作り出した生物に滅ぼされたのだ。ヤネックは何があろうとあの生物を地球に持ち帰ることはしないとショウに宣言し、ショウもそれに同意する。

♠ だからこいつもどうして何の根拠もなしにそこまでわかるんだよ!
♥ しかもヤネックはエンジニアも見てないし、ピラミッドに入ってさえもいない。まして科学者ではなくて単なる操縦士と自分で言ってるし。
♣ どういうわけかこの映画の登場人物は全知全能なんですよね。
♦ そういうことがわかるとしたらデヴィッドだけで、それもエンジニアと直接話すか、なんかの資料を読んだ場合だけだよなあ。彼はどっちもしてないし。
♠ なのにこいつら、なんでも証拠なしに直感と当てずっぽうだけで判断するんだよな。これが本当に科学者か?
♥ 少なくとも脚本家がファースト・コンタクトもののSFを1本も読んだことがない、どころか異星人ものすら一度も読んだことがないのは明らかだね。
♦ バカバカしいけどどうやらこれがこの脚本家の癖みたいなんで、そういうものだとあきらめるしかないね。
♠ 脚本だけじゃないじゃん。例のCinemaSinsだと、わずか4分のビデオで82個の突っ込みどころって、ほとんど新記録じゃないかっていう数字が出たぞ。
♦ うーん、いいところもいっぱいあるんだけどね。

デヴィッドはウェイランドを含めた一行を、生きているエンジニアの元へ案内する。彼はエンジニアを蘇生させ、このために習った古代語でエンジニアに話しかける。すると、エンジニアは無造作にデヴィッドの首を引きちぎり、腕の一振りでウェイランドとフォードを殺す。ショウは辛くも逃げ出すが、エンジニアは操縦席について船を発進させる。

♥ はいはい。これでウェイランドの希望的観測は間違いだったことがわかるんだけど。つまりショウやヤネックの考えが正しかったと。
♣ エンジニア、エイリアン並みに凶暴じゃない(笑)。
♠ ただ、このエンジニアが、この場合は、この連中に対して敵対的だったというだけだよね。なのにそれがなんで「エンジニアの種族が地球人類を滅ぼそうとしている!」に短絡するわけ?
♥ 単に気持ちよく眠ってるところを起こされてむかついたのかもしれない。
♣ あるいは、デヴィッドの翻訳が間違っていて、とてつもなく侮辱的な言葉になってたのかも。

♦ ブルーレイのカットされたシーン見ると少しはわかるよ。エンジニアが「何しに来た」と訊ねて、デヴィッドが「不死の秘密を知りたい」と言うと、「なぜ?」と言われるの。そしたらウェイランドが調子に乗ってペラペラと、「こいつ(デヴィッド)は私が造った。だから私はあなたたちと同じ神だ。そして神は不死でなければならないのだ」とかなんとかしゃべるんだよ。
♥ これはエンジニアが切れるのも当然ですわ。せっかく寝てたのに叩き起こされて、いきなり不死にしろとかずうずうしいにもほどがある。
♣ デヴィッドの首をもいだのも、「こんなもので神だと?」というつもりなんだろうね。

♦ ところでこの「古代語」、ちゃんと言語学者に監修させたんだよね。元はサンスクリットかなんかだっけ?
♣ その言語学者はデヴィッドがビデオ見ながら練習しているところでビデオ教材の講師として登場してます。
♠ まったくそんなところ凝らなくてもいいから、脚本をなんとかしろよ! エイリアンの言葉なんてデタラメしゃべっていても誰も気にしないのに。
♥ でも、メイキングに入ってたおまけには感動したよ。この言語学者が何か古代語でペラペラしゃべってて、下に翻訳が字幕で出るんだけど、それが『ブレードランナー』のルトガー・ハウアーの最後のセリフなの。ほら、あのタンホイザー・ゲートがどうとかいうやつ。
♠ おお!
♦ 実はウェイランドがホログラフで登場するシーンで、隣にルトガー・ハウアー(バッティ型レプリカント)をボディガードとして立たせておくというアイディアもあったんだそうだ。
♣ それもちょっと見たかった。
♥ よくある話だけどね。同じ作家の2つの作品世界を結びつけてしまうというのは。

♣ 少なくとも『プレデター』なんかといっしょにされるよりずっとまし
♥ そしたらレプリカントとデヴィッドの関係も描けておもしろくなったかもね。
♠ あ、ちなみにアメコミだかなんだか知らないが、私は『エイリアンVSプレデター』なんぞは絶対、『エイリアン』シリーズの一部とは認めないからね。
♣ エイリアンが家畜扱いだもんね。
♦ ここでも生物兵器扱いみたいだが。
♠ エイリアンは知的生物だから! 動物じゃないから! ましてプレデターみたいな下品な奴の仲間じゃないから!

首だけになってもまだ作動しているデヴィッドは、エンジニアの目的は地球にあの黒い液体を持ち込み、全生命を抹殺することだと言う。プロメテウスに残っていたヴィッカーズはヤネックに地球への帰還を命じるが、ヤネックはそれを拒否してプロメテウス号を上空のエンジニアの宇宙船に衝突させ、墜落させる。ヴィッカーズはその直前に脱出ポッドで地表に降りるが、落下してきたエンジニアの船を避けられず下敷きになって死ぬ。

♠ あんまこういうことばっかり言いたくないけど、縦に細長いものが、その縦軸に沿ってゆっくりと倒れてくるのに、どうしてその縦軸に沿ってまっすぐ逃げるかな? ちょっと横にずれればいいだけなのに。
♥ パニックに陥った猫がこういう動きするよね。
♣ せっかく大がかりで感動的な自己犠牲のシーンだったのにね。なんかこの辺になるともう、納得いかないことだらけであまり話に入り込めない。
♥ とりあえず巨大宇宙船同士の衝突・墜落シーンはかっこよかったが、その下でチョロチョロしてるショウとヴィッカーズのおかげで興ざめ。

ショウは命からがらヴィッカーズが乗ってきた脱出ポッドにたどり着くが、そこで彼女が「堕胎」したエイリアンが今ではタコのような巨大なクリーチャー(Trilobite)に成長しているのを見る。そこへ墜落を生き延びたエンジニアが襲ってくるが、トライロバイトと格闘になって喉に触手を突っ込まれる。

♠ 腹まっぷたつに切り裂かれて、それをホチキスで止めただけで、普通なら歩いてるだけでも奇跡なのに、この人はその状態でパルクールをやってのける(笑)。
♣ やっぱりショウも人間とは思えない(笑)。
♥ それでもリプリーならそれぐらいやるかと思うけど、見るからにか弱いショウじゃ無理でしょう。
♠ リプリーだって無理だよ。エイリアンの血を引いたクローン・リプリーならなんとか。

♦ ちょっと説明が必要かな。なんでここにエイリアンがいるかというと、ショウが使った医療ポッドはヴィッカーズのものだったんだよね。
♥ じゃあ、ヴィッカーズはエイリアンといっしょにこれ乗ってきたわけ? そこら中血だらけだと思うのに、それにも気付かなかったわけ?
♣ もうそういう矛盾突っ込んでたらきりがないですよ。
♠ だいたいこのポッドって男性用なんだよね。なんで女性のヴィッカーズが男性用の医療ポッドを持ってるのか?
♥ そもそもなんで男性女性で分かれてるのかも謎。男性専用の医者とかいないよね。
♠ それで最初は女性はだめですと拒否されるのに、ショウの口先一つでだまされるコンピューター。こんなのに命預けて大丈夫なのか?(笑)

トライロバイトと格闘するエンジニア

トライロバイトと格闘するエンジニア

♦ そこで新クリーチャーのトライロバイトですが。
♠ なんでトライロバイト(三葉虫)って名前なんだろう? 三葉虫とは似ても似つかないで、むしろイカかタコの怪物なんだが。こいつら本当に適当に名前付けてるとしか。
♥ イカタコというよりはヒトデっぽい放射線体型だね。ぶっとい触手が6本生えてて、その触手の根っこの真ん中に、例によってヴァギナっぽい歯の生えた口があって、その下に男根めいた太い触手が伸びてて、さらにその周囲に6枚のビラビラが生えてて、そこにそれぞれ小さい丸い口があって、そこから細い触手がピュルピュル出てくるの。
♠ 口で言われても意味わからん!
♦ これはグロいね。この映画の中でいちばんグロい。
♥ デザインはいいけど、これがエイリアンだと言われてもピンとこないよ。
♦ しかもそれが「犯す」相手が屈強な男性のエンジニアってのがいい。エンジニアも巨体で馬鹿力の持ち主だから、この格闘シーンは迫力があった。
♣ 人間相手だと弱っちすぎて、そもそも格闘にもならなかったしね。
♠ それに変にエロい。
♣ 触手マニア垂涎のモンスターですね。
♠ ところで女性のエンジニアっているのか?
♦ それも謎なのよ。
♥ だいたいこれが男性なのかどうかもわからない。
♣ 男性でしょ。おちんちん付いてるし。だからパンツも履いてる(笑)。

ショウは逃げ場を失うが、そこへデヴィッドから無線で他にも船はあると知らされる。ショウはデヴィッドの頭部と体を回収し、エンジニアの宇宙船に乗って、「パラダイス」と呼ばれるエンジニアの故郷の星を目指す。なぜ彼らが人類を創造し、後になって滅ぼそうとしたのかを知るために。

♠ 突っ込んでもむだとはわかってるが、なんでデヴィッドがそんなことを知ってるのか? なんで彼にエンジニアの宇宙船の操縦ができるのか? ああー‥‥。
♣ 小柄なショウが6フィートある男性の体をどうやって運んだのかという疑問もあるね。
♥ 頭はバッグに入れて運んでたけど。体は引きずってた。
♣ シガニーなら男を担ぎ上げるぐらいできるかもしれないけど。
♦ 人を化け物みたいに言うな。

一方、脱出ポッドの中では、エンジニアの胸を突き破って、人間型になったエイリアン(Deacon)がジャジャーン!と誕生する。

ディーコン・エイリアン

ディーコン・エイリアンの誕生

♥ 『エイリアン』なのにエイリアンが出ないー!と嘆いていた人(私)にとっては、最後の最後にやっと、という感じでした。
♣ チェストバスター・シーンはエンジニアがやるはずだったのか!
♠ チェストバスターじゃなくていきなり成体じゃん。それにフェイスハガーとかはどこ行っちゃったのよ?
♦ だからまだこれはエイリアンじゃないんだってば。
♣ とりあえず、エンジニアに寄生したことによって人間要素が入ったというのはわかった。
♠ タコはどこから来たんだよー! ファンの需要わかってないな。ファンは長年あの変態の謎を知りたいと思ってたのに。ここで明らかにされるかと期待してたのに。
♣ あと、今回は名前がみんなヘン。意味がわからなすぎる。
♦ もちろん作中ではエイリアンに名前なんてついてないけどね。あくまで制作サイドの付けた名前で。
♠ 正式名称というより、現場での通称という感じでしょ。それ言ったら、元祖エイリアンだってBig Chap(でかいやつ)といういい加減な名前だし。

後編に続く

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