★★【映画評】『プロメテウス』(2012)Prometheus 後編

prometheus20前編はこちら

♠ なんかいかにも「続編に続く」という感じの思わせぶりな終わり方だったけど、実際、『プロメテウス2』が制作中らしい。
♦ 三部作になるとか、四部作になるとかいう話もあるね。
♥ なんか『スター・ウォーズ』化が進んでいるような
♣ 悪い予感しかしない。
♦ というところで、とんでもなく長いあらすじ終わり。

破綻した脚本の謎

♥ それじゃ役者の話を‥‥
♣ その前に問題の点を片付けてしまわないと。なんでこんなでたらめな脚本なのかと。科学的におかしいっていう以前に、物語としてつじつまが合わなすぎる。
♦ うん、「SF」映画に突っ込んじゃだめというのはわかってるけど、それにしてもこれだけ無茶苦茶な話ないんで、いったい何が起こったのかと、ずっと考えてた。
♥ リドリー・スコットご乱心ということでは? もうかなり前からだけど、爺さん、耄碌しちゃったんでしょう。
♠ 脚本は誰だ?
♣ ジョン・スペイツ(Jon Spaihts)とデイモン・リンデロフ(Damon Lindelof)。スペイツとやらは新人だが、リンデロフはテレビシリーズ『LOST』や2009年の『スター・トレック』の脚本を手がけている人。要するに新人が持ち込んだ原稿を、そのままじゃ使えないからベテラン入れて手直しさせたらしい
♥ 『LOST』は見てないけど話題作だよね。
♦ それでおかしいおかしいと思って調べてましたらね、衝撃の事実が。

デニケンとラヴクラフト

♦ というわけで、実はこれ、リドリー・スコットがエーリッヒ・フォン・デニケンの『未来の記憶』を読んで、それを下敷きにしたらしいのだ。
♠ なにいいい?! よりによって疑似科学っつーか、オカルトっつーか、トンデモさんかよ!!!
♥ それじゃ科学的におかしいとかいう突っ込みもむだですな。
♣ デニケンをご存じない人のために解説すると、「古代文化の伝説や芸術や社会組織などが、別世界からやってきた古代の宇宙飛行士によってもたらされたと主張している」人。(「The Skeptic’s Dictionary」日本語版より引用) 要するにピラミッドとかモアイ像とか、「当時の技術では作れるはずがなかった」と彼らが考えるものはみんな宇宙人のしわざにしちゃう。あと古代の文様を「これは宇宙船の見取り図だ」とか言ったり。
♥ まんまじゃん! 脚本がおかしいのはデニケン理論を無理やり『エイリアン』に当てはめたからってことでいいの?
♣ というか、デニケンらはこれが事実だと主張してるからヤバいだけで、お話としてならちっとも珍しくもないし、SFには昔からよくある話じゃない?
♦ 『2001年宇宙の旅』がまさにそうだしね。だから、その発想自体は間違ってないと思うが‥‥。
♠ もうデニケンとか名前が出てきた時点で興ざめだよ。

♣ ストーリーの類似性については、ラヴクラフトの『狂気の山脈にて』(At the Mountains of Madness)に似ているという話もある。
♥ あれはむしろ『遊星からの物体X』の元ネタでしょう?
♠ 南極の氷の下から宇宙から来た凶悪なモンスターが掘り出されるってところはね。
♣ だけど、廃墟となった古代都市の壁画から、人類誕生以前の地球の歴史が判明するってところはモロじゃない。
♠ あと、宇宙から来て強大な文明を誇っていた「旧支配者」が、自ら作り出して使役していた人工の怪物「ショゴス」に滅ぼされるってところも。
♣ それで最後に、「しかしショゴス(=エイリアン)はまだ生きていた! テケリ・リ! テケリ・リ!」(これはどこかに書いたが、もともとはエドガー・アラン・ポーの小説『アーサー・ゴードン・ピム』に出てきた謎の叫び声なんだが、ラヴクラフトがそのまま頂いて自作に使った)
♥ えええー! まんまじゃない! つまり何? この脚本って、『狂気の山脈にて』にデニケンを振りかけて、旧支配者をエンジニアに、ショゴスをエイリアンに変えただけで一丁上がりって、安易すぎない?!

♦ ラヴクラフトは大好きだから悪口は言いたくないけど、「科学的」に破綻しまくってるのも、これなら当然だわね。
♣ デニケンがカルトなら、今やラヴクラフトだってちょっとしたカルトですしね(笑)。
♠ ええー、『エイリアン』と『遊星からの物体X』の類似性は前々から思ってたけど、ここまでつながりが深いと、なんかかえって興奮してきたぞ。ラヴクラフトつながりってのはこれまで考えてもみなかったし。
♥ だって『プロメテウス』が出るまでそんなつながりなんてなかったもん。これはもうリドリーがカーペンターをパクったと言われてもしょうがない。
♣ でもモンスター・ムービーとしてラヴクラフトは外せないと思わない?
♦ 確かに、最初に「最強にして最凶のモンスターはヴォークト・モンスター!」なんて言ってるが、最強にして最凶で、しかも最狂のモンスターを想像したのは他ならぬH・P・ラヴクラフトだしね。まんざら関係なくもないね。
♠ いや、クトゥルーはあまりにぶっ飛びすぎててでたらめすぎるんで、『物体X』ならぴったりだったんだけど、エイリアンはそれよりずっと優雅でかっこよくてスタイリッシュだからヴォークトを例に出したんだけど‥‥
♣ これもトライロバイトなんか見てると、もうクトゥルーでもなんでもいいよ、好きにして、って気がしてきた。触手モンスターだし。
♦ たしかに‥‥。

編集について

♥ 要するにー、ラブクラフトでもデニケンでも、どんなに突拍子もなくても、お話としてはおもしろいからいいの。問題は破綻した脚本でしょ。例の一を聞いて百を知るっていう。
♣ 「あ、ここはわかってることにして次行こう」という監督の声が聞こえてきそうな。
♠ 話が破綻しているのはあまりにもカットしすぎたせいもあるかな。元はかなり長かったのを、大なた振るって2時間枠に収めたようだから。
♦ 実際、カットシーンを見ると意味がわかることも多いしね。
♥ だから映画は4時間ぐらいあってもいいのに。
♣ たぶん最初の脚本は、そういう解説にかなりページを割いてたんだと思う。だけど、映画は「流れ」をさえぎる部分は容赦なくカットしちゃうから。
♠ だったら見ただけでわかるようにしなくちゃいけないのに。
♥ それにメイキング見てて思ったけど、この人自作に執着ないのかしら? 長いのはダメの一言でバッサバッサと切っちゃうんだよね。あまりにスタジオ寄りっていうか、まあそういうのだから重宝されるんだろうけど。

♣ ていうか、リドリーってほんとSFには興味ないんだなってことがわかった。SFファンならラヴクラフトはともかく、デニケンなんて後足で砂かけて埋めるから。
♥ SF映画撮ってなかったのは無理もないか。
♠ こいつ、やっぱり『グラディエーター』みたいなバカ映画が好きなんじゃない?
♦ なら、なんで今さら『エイリアン』に戻ってきたのよ?
♠ 金のため。

『エイリアン』シリーズへのオマージュ

♣ それだけかな? やっぱりあれだけのヒット作だし、彼の名を普及のものにしてくれた映画なんだから、彼なりの愛着はあると思うよ。
♦ うん、そういう意味での「愛」は感じられた。つまりオリジナル『エイリアン』どころか、彼の映画ではない後発の続編にまで、オマージュを捧げたとおぼしき要素がいくつもあるのよ。

♥ まず主人公が女性で、しかも女性とは思えないほど(この映画の場合は人間とは思えないほど)強い女性だってこと。
♠ 最後、人間では彼女ひとりが生き残ること。
♦ それに最後の通信内容。

It is New Year’s Day, the year of our Lord, 2094. My name is Elisabeth Shaw, the last survivor of the Prometheus. And I am still searching.
「今日は西暦2094年元旦。私の名前はエリザベス・ショウ。プロメテウス号の最後の生存者。そして私はさらに探索を続けます」

というのがリプリーの最後の通信にそっくり!
♥ 最後なら良かったんだけど、リプリーは結局、これならあの時死んでた方がましだったというぐらいさんざんな目に遭わされるからね。この場合も悪い予感しかしない。
♠ だからいいんじゃない! ヒーロー(ヒロイン)は誰よりも苦しまなければならないという私の理論に照らして、リプリーが最強ヒロインなのはそのせい。
♣ 長年、ヒロインを痛めつけるという点で最強なのは、ジョン・ヴァーリイだと思ってたんだけど(あと、もちろんヒロインが誰より強くかっこよくセクシーだという点でも)、シリーズだからひとりの作家じゃないけど、エレン・リプリーも負けてないね。
♥ いやリプリーはもうシガニー・ウィーヴァーの作品ですから。

♥ あと『エイリアン』シリーズなら欠いてはならないヒロインのセクシーショット
♠ 下着姿で歩き回るっていうだけだけど、今回もちゃんとある。
♣ 下着っていうか、包帯かサラシ巻いたみたいなの。なんなの、あれ? 2093年の下着ってああなってるの?
♠ それにしちゃ有史以前のエンジニアはふんどし締めてたが(笑)。
♦ 問題は、ノオミ・ラパスが小さくてやせっぽちで、まるっきりエロくないってことだな。シガニーだってグラマーじゃなかったけど、若かったしガタイがでかかったから、まだ見られる体だったけど。
♥ そのかわり、今回は両ヒロインが見せてくれる。というわけで、シャーリーズ・セロンも下着姿で腕立て伏せを見せてくれて私は満足。
♠ あれがエロいか? なんか顔が怖かったんだけど。

♦ あとはなんだ? 乗組員にひとりだけアンドロイドが混じっていて、そいつが秘密を抱えてるってこと?
♠ 自爆/衝突までの秒読みシーンは、今回は短かったけど、ちゃんとシャーリーズが務めた。
♥ ジョーンジー(猫)がいない!
♣ ペットはA1だけだったじゃないか。A2のニュートも一種のペットだけど。

♥ ちょっとした小ネタだけど、デヴィッドがバスケットボールで遊んでて、「人間には不可能なスーパーショット」を決めるシーンは、A4のクローン・リプリーがやってたことだ。
♦ マジでA4なんて好きなのか? あれは相当異色だったし、「原作者」としてはむかつくんじゃないかと思ったが。
♠ だってかっこよかったし、めちゃくちゃ印象的なシーンだもん。
♥ しかもシガニーはあれを実際に決めたけど、マイケルは本当にやったのかしら? 自転車を乗り回しながら片手で後ろ向きにシュートしたんだけど。
♣ あとはえーと、『エイリアン』シリーズのロボットの名前はアルファベット順に付けてるっていうのは? A1はAsh、A2とA3はBishop、A4はCall、そして今回がDavid。
♠ シリーズとは関係ないと言いながら、ちゃっかりあと継いでる。
♦ とにかく、そういうちょっとしたところに過去の『エイリアン』へのオマージュとリスペクトが見えるんで、いくらアホ映画でも憎む気になれないのよね。

役者評

公開時のプロモフォト

公開時のプロモフォト

ノオミ・ラパス(Noomi Rapace)

♥ 早く役者の話に行こうよお。
♦ じゃまずヒロインから。ちなみにノオミ・ラパス(発音聞いてるとヌオミに近い)はスウェーデンの女優で、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』で主演して注目された女優さん。
♣ あれ全編録画したのに見てない。
♠ やっぱり「外国語映画」ってつらくて。
♣ フィンチャーの英語版リメイクも見てないじゃん。
♥ あれは見るよ。ジョエリーも出てるし。

♦ 見た目がぜんぜん北欧っぽくないのはお父さんがスペイン人だからかな。
♣ 顔は完全にスペイン人だね。
♠ シガニーも美人ではなかったからブスなのはいいけど、なんかイラッとする顔なんだよな。
♥ なんで嫌いなのか見ながら考えてたんだけど、彼女すごくよくいる「教師顔」なんだよね。ああいう顔した女教師多いんだ。日本人にも白人にも。それで本能的に引くのかも。
♣ (顔は)北欧人もスペイン人も嫌いだから悪い部分が重なった感じじゃない?
♠ おばさん臭いし、髪色(わざとらしい赤毛)も髪型もひどいし、化粧が濃いのが気になるし。
♥ なんであんなの選んだの?
♦ それは言わないほうがいいような。あの当時のシガニーだって、一部じゃ「なんであんなの?」と言われてたし、実際、映画界では完全に無名だったんだから。
♣ それに『エイリアン』に出てなかったら、その後も無名なままだったはず。人が選ばないような役者を選ぶ、その意欲は買うよ。
♥ うーん、だから髪型やブスなのは我慢するけど、でもやっぱり顔と体がなあ。彼女がいなけりゃ長身の金髪美男美女のカップルで完璧だったのに。
♣ でもやっぱりそれだと『エイリアン』て感じがしないよ。
♥ 『プロメテウス』なんだから美男美女だっていいじゃない。
♠ やっぱり演技力で選んだんでしょ。実際、あの「堕胎」の演技で許す気になったし。
♣ ブスとかいうけど、人によってはかわいいと思えるタイプなんじゃない? 赤毛だし。
♥ 女教師好きな人だっているんだし(笑)。私の好みじゃないってだけ。
♦ 少なくとも知的だし、演技力あるし、最善とまでは言わないが、納得の人選ということで我慢するしかない。

シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)

ファシストっぽい制服と、引っ詰めの金髪が似合うシャーリーズ・セロン

ファシストっぽい制服と、引っ詰めの金髪が似合うシャーリーズ・セロン

♥ なんでもいいけどノオミちゃんは背が低いところだけが許せない。これならシャーリーズ・セロンがヒロインのほうが良かった
♦ ヒロインだったんだよ。
♥ え?
♦ 最初は彼女にオファーしたんだけど、スケジュールが合わなくて流れた。ところがその後時間が空いたので、ヴィッカーズ役で入ってもらったんだそうだ。
♠ それは惜しかったな。シャーリーズのほうがぜんぜん良かったのに。背高いし。
♣ なぜか身長にこだわる(笑)。
♦ だってリドリーがシガニーを選んだ時、身長で決めたんじゃなかったっけ?
♥ 初めて会った時、長身で威風堂々としてるところに圧倒されたって言ってた。
♠ シャーリーズってまさにそのタイプじゃない。シガニーと違って美人だし金髪だけど。

♦ ちなみに、ノオミ以外にヒロイン候補に挙がったのは、(リドリーが言ってるわけじゃないから、どこまで本当かは知らないが)ジェマ・アータートン、キャリー・マリガン、オリヴィア・ワイルド、アン・ハサウェイ、アビー・コーニッシュ、それとナタリー・ポートマンだそうだ。
♥ アン・ハサウェイだけはやめて! お願いだから!
♠ まあ、普通に考えてあり得ないわ。
♣ ナタリー・ポートマンは好きだし見たかった気もするが。
♥ 『エイリアン』にかわいこちゃんはいらねーよ。それだとA4のウィノナ・ライダーみたいだ。
♠ ジェマ・アータートンはナシね。あんな眠そうな顔した女にSFアクションができるか。他は知らない。
♥ 調べてみた。キャリー・マリガンはイギリス人で、たれ目のロリ顔。タイプじゃない。オリヴィア・ワイルドは『トロン: レガシー』に出てたアメリカ人で、名前の通りワイルドな感じの美人。これはありかも。アビー・コーニッシュはオーストラリア人らしく大味な感じのブロンドでデブだしナシ。
♠ 誰もあんたの好みなんて聞いてないよ。
♣ やっぱりこの中じゃシャーリーズがいちばんましだわ。

♦ そこでシャーリーズ・セロンですが、たまたま出てる映画が私のアンテナに引っかかるようなのがなくて見たことはなかったが、わりと気にはしていた女優さん。
♠ 『ディアボロス/悪魔の扉』は見てるはず。キアヌの映画だし。
♥ つまんなかったので忘れた。
♣ 『サイダーハウス・ルール』は見てない? アーヴィング原作だよ。
♦ これは見逃した。『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストレム監督だし、見なきゃいけないんだけど。
♥ 『モンスター』は見たじゃん!
♠ あれだけ化けたらわからないよ。
♣ なんだ、けっこう見てるじゃん。
♦ それでなんで気にしてたかっていうと、やっぱり背が高くてきれいだから。
♥ モデル出身だしね。ユマ・サーマンを好きなのと同じような理由で好き。

♦ いわゆる美人女優なのに、『モンスター』みたいな役をやるってあたりで、この人はただのブロンド美女じゃないなとは思ってたんだけど。
♣ 美人女優が13キロ増量して、ブスの女シリアルキラーを演じたというので話題になりました。
♥ でもリビューはかなり冷淡だったよね。
♠ シリアルキラー・マニアの私としては、映画の出来とアイリーン・ウォーノス自身が殺人鬼としちゃ二流な感じがしたので。でもシャーリーズはすごいとは思ったけどね。ほんとにアイリーン・ウォーノスそっくりだったから。

♥ でもほんとに好きだと思ったのはやっぱりこの映画から。なにしろああいうタイプの女優さんが髪を引っつめに結って、軍服っぽい服着て、冷酷な女司令官を演じるっていうだけでもうたまりません。
♠ 美人美人っていうけど、そんな美人か? 個性的ではあるけど、レッドグレイヴ一族みたいな古典的美人ではないよね。
♣ 完全な美人には一歩足りないけど、それはそれで魅力的だと思うよ。スタイルは完璧だし。

プレミアでの主役4人

プレミアでの主役4人

♥ うわーっ! 何これ? この女神は誰?
♣ ていうか、この身長差。
♦ 嘘! マイケルより背高いなんて聞いてない。
♠ 多少遠近差があるみたいだけど、ヒール履けばこんなもんじゃないの?
♥ 身長もだけど、顔だって、他の三人がかすむほどきれい! 大好き! やっぱり愛してる! ああ、悔しい! 彼女が主役ならもっとたっぷり体も拝めたのに!
♦ 死んじゃったんで、もう続編には出ないのが残念だ。
♥ 実はアンドロイドなんで生きてました!というので復活してほしい。
♠ 死に方がマヌケすぎた。
♥ マイケルとのからみもかなりゾクゾクしたんだがなあ。ノオミ・ラパスじゃ何も感じないんだよ。ちっ!
♣ 黒髪にしたところも見たいね。
♦ じゃあ、『イーオン・フラックス』も見なくちゃ。

マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender)

この髪型がたまりません

この髪型がたまりません

♦ さーて、それではお待ちかねの‥‥。
♠ 私は最近知ったけど、もう若くはないんだよね。今38才で。
♣ それなりにしわとかあるし。
♥ くっそー! この人の10代、20代の頃が見たかった! それこそアンドロイドみたいに一点の疵もない美青年だったに違いないのに。
♠ ロボット作るのになんでしわまで付けるのか?っていう突っ込みも可能か?
♦ だったらビショップなんてシワクチャじゃん。それは人間らしく見せるために必要でしょう。あと、この時代のロボットは食べたり飲んだりもできるんだよね。さすがに『鉄腕アトム』やアシモフの時代よりは進化している。

♣ 映画デビューは『300』だったんだね。おえー。
♦ 『SHAME -シェイム』(2011)というイギリス映画でいっぱい賞取ってるね。「セックス依存症の男の苦悩と孤独を鮮烈に描き出した衝撃の問題作」で、赤裸々かつ過激な性描写が物議を醸したんだって。げっ、これは見なくては!
♥ うーん、それはテレビじゃ見れそうにないから、ビデオ借りてくるか。
♣ 最近では『危険なメソッド』のユングとか、『スティーブ・ジョブズ 』でジョブズを演じたり、前に書いた『マクベス』やったり、引っ張りだこで芸域も広いですな。

♥ でも私が知ったのはやっぱり『プロメテウス』っていうか、前述のバイラルビデオの“Happy Birthday David”。ウェイランド社の新製品のコマーシャルという設定のビデオです。こんなの。

♠ クロネンバーグの『危険なメソッド』(2011)のほうが古いのに、『プロメテウス』(2012)のほうを先に見てるんだね。私は『危険なメソッド』だって封切り時に劇場で見てるのに。
♦ 日本の洋画の封切りは世界的に見て異常に遅いのよ。それで機内映画ってのは(少なくともヴァージンは)最新作を流してるから、国内よりずっと早く見られる。バイラルの方はYouTubeだからリアルタイムに見てるし。
♣ どっちを先に見ようが、どうせリビュー書くのに4年かかるんだから関係ないじゃん。
♦ 確かに‥‥。
♠ あれから4年て、信じられない。

♠ それじゃもうさんざん言ってるような気がするが、マイケル・ファスベンダーのどこに惚れたのか?
♥ 『アラビアのロレンス』だな。あれがなかったら、単に「はいはい、ハンサムですね」としか思わなかったと思う。
♠ じゃあ、『アラビアのロレンス』のどこがと言い換えよう。
♦ もともとロレンスが好きだったのに加えて、あの映画のピーター・オトゥールほどホモっぽさとマゾっぽさの危険なフェロモンをムンムンさせてる男はいなかったから
♣ べつにマイケルはホモっぽくもマゾっぽくもないけどなあ。むしろ女好きに見えるし、どっちかというとSっぽいし。
♦ でも似てるだろうが。というところでもう一度証拠写真。

参考までにピーター・オトゥール(左)とマイケル・ファスベンダーの比較画像

参考までにピーター・オトゥール(左)とマイケル・ファスベンダーの比較画像

♥ これは髪型を似せただけじゃない? オトゥールとロレンスは確かに瓜二つだったけど。
♦ いや、やっぱり似てるわ。あのガラス玉のような目は。
♠ ピーター・オトゥールもこの頃を見てたらなんていう美男子だろうと思ったけど、なぜか年取ったら貧相なジジイになっちゃったね。イギリス男はむしろ年取ってからのほうが見栄えがするのに、なんかすごい勢いでしなびてしまった。
♣ マイケルはそうならないことを祈ります。

♦ ここでもうひとつ衝撃の事実。どうやら、デヴィッドのモデルは『地球に落ちてきた男』のデヴィッド・ボウイらしい。名前がデヴィッドなのもそのせいだって。
♠ マジで? ボウイが死んだから出回ったデマと違う?
♦ ボウイが死んだのは2016年で、この映画は2012年だ。その頃の情報だから。
♥ 確かに髪型は似てるし、あの映画はボウイがいちばん美しかった時だからいいんだけど、顔も体もぜんぜん似てないよねえ。
♣ でもちょうど今ボウイの追悼文書いてるところだったから、ちょっと来たわ。
(写真は追悼文ができたら入れます)

ロボット愛の話

♥ でも実はそれだけじゃないの。何を隠そう、私には秘密の性癖がありまして‥‥
♠ ありすぎるだろ。今さら秘密でもないし。
♥ でもこれは書いたことなかったよ。なんて呼ぶんだろう? 男ならピグマリオン・コンプレックスという言葉があるが、女の場合は?
♣ 何かというと、要するに人間型のハンサムなロボットに弱いのだ。
♠ 原型はなんだ?
♦ たぶん上にも名前が出てるけど、ジョン・ヴァーリイの『ミレニアム』(1983)だと思う。ああ、ちなみにタイトルが同じでも『ドラゴン・タトゥーの女』とはまったくの別物ですから。
♥ ヒロインのルイーズはシャーマンという名前のアンドロイドを持ってるんだけど、彼は彼女にとってパートナーであり、使用人であり、保護者であり、教師であり、とにかくなんでもありなんだけど、ついでにセックスの相手でもあるっていうのが、当時としてはすごい衝撃であり、理想の恋人に思えた。
♠ ハンサムなロボット? シャーマンは顔ないけど。彼が人間に見えるのをルイーズが嫌って、わざと顔をのっぺらぼうにしてあるんだけど。
♥ そう言えばそうだったけど、イメージ的にはハンサムなの!
♣ なんでかっていうのは、短く説明するのがむずかしいんだけど、さっきも言ったようにヴァーリーのヒロインって私の理想の女で、つまり心情的には私とかなり共通点があるんだけど、そういうタイプっていうのは、あんまり男に対して素直になれない(笑)。特にルイーズは説明は面倒だから省くけど、「本当の自分」をさらけ出せるのはシャーマンの前だけで、確かに相手が「物」なら、好きなだけ甘えることも頼ることも感情をぶつけることもできていいなーと思ったわけ。
♦ 私のようなタイプの女はそういうのが苦手だからね。
♥ それで相手もロボットなら、そういうのをすべて受け入れて文句も言わないしね。
♦ 『ミレニアム』のシャーマンも最後は「神」に近付くし、まんざら似てなくもないね。

♥ でも他にあんまりいなくない? ハンサムなロボットって。
♣ 『A.I.』のジュード・ロウ
♠ やめてよ! あれは映画がひどすぎ!
♥ セックス・ロボットじゃ狙いが露骨すぎて本末転倒なんだよ。まったく性的なものを感じさせないからロボットがいいのに。
♦ アイザック・アシモフの『お気に召すこと受けあい』あたりがいちばん古い古典だね。
♥ あれも同じ意味であざとすぎ。あとロボットがたとえ芝居でも感情表しちゃだめ。
♦ タニス・リーの『銀色の恋人』
♠ ロボットに恋したり、恋愛ものにしちゃうのって最悪!
♥ それじゃ相手が人間と変わりないよね。人間じゃないからこそいいのに。
♦ 文句が多い!
♥ だからデヴィッドは貴重なのよ。
♠ バイラルじゃ「感情はないけど、人の感情は理解できる」って言ってたな。
♥ 理想的じゃん。
♣ やおいなんかよりよっぽど女性に需要あると思うんだけどね。案外ないよね、そういう話。
♦ でもアシモフはあれで女性読者が一気に増えたそうだよ。
♥ やっぱり女にとって、奴隷みたいにあごで使っても、すべてを無条件に受け入れてくれて、絶対に裏切らなくて、いざというときは誰よりも頼りになって、ハゲにもデブにもEDにもならない不老不死のハンサムガイって、抵抗できない魅力があるよね。
♣ それは男女を逆にすれば男にとってもそうなんじゃないすか?
♠ いや、男が女を奴隷(か、妻という名のそれに準ずるもの)にしてきた歴史は長いけど、逆はほとんどなかっただろ。だからこそあこがれるのよ。

♣ でもそういう話や映画がほとんどないから、私は自分で作っちゃった。
♠ 少女期の私のオナペット‥‥もとい、少女期の私がよく見ていた白昼夢のひとつにそういうロボットものがあるんだけど‥‥
♥ 夢見がちな少女だった私はしょっちゅう白昼夢を見て、それも1本2時間ぐらいのがシリーズもので何十本と続く大河ドラマ。もちろん私がひとりで監督・主演・脚本・カメラ・美術・衣装・音楽も全部担当で(笑)。細かい設定や背景も詳細に作り込んでね。
♦ あいにく、本当に夢に見ただけで何ひとつ書き残してないので、もったいないことをした。今の子ならそれこそ同人誌にでも書くんだろうが。
♠ ちなみに主人公のロボットの名前は「ノーマン」。No-manということで。もちろん『ミレニアム』のシャーマンにも引っかけてある。
♥ この話してると長くなるから端折るが、この映画のデヴィッドがまさに私が夢見ていたロボットそのままで、っていうかほんとにノーマンに瓜二つだったんで、すっかりツボにはまったわけです。
♣ はっきり言って、スクリーンでデヴィッドを見た時は目を疑った。よく一目惚れの話で、夢の女に会ったというのがあるけど、マジで私の夢から抜け出てきたみたいなんだもん。
♦ イギリス人じゃないところが違う。(ノーマンはロボットだが、もちろん完璧なブリティッシュ・アクセントで話す。だいたい私の白昼夢はすべてイギリスが舞台だし) あとノーマンは見かけ20代でこれほど年寄りじゃない。
♥ だから雰囲気の話!

♣ でもこの映画のデヴィッドはまるで理想と逆じゃない! 何考えてるんだかわからなくて、いざというときは平気で人殺すし、絶対に信用できないアンドロイドってヤバくない?(笑)
♠ ノーマンもかなり信用ならなかったよ。
♥ そこがいいんじゃない! 特にあの冷たさはいかにも冷血な機械って感じでいいわあ。
♦ もうなんでもよくなってない?
♠ シャーリーズとのSMっぽいやりとりも良かったなあ。ほんと彼女がヒロインじゃなかったのが残念だわ。すてきなアンドロイド・カップルになれたのに。
♣ シャーリーズは人間だって!
♥ メイキングに出てきたNGシーンでさ、マイケルとシャーリーズがふざけてアドリブでしゃべってる場面があるんだけど、シャーリーズの“How long?”というセリフに、マイケルがあのロボットボイスで、「勃起時は40cm、平常時は‥‥」とかめちゃくちゃ笑った。ああ、同人誌でもなんでもいいから誰かああいうの本気で作って!
♣ そんなのより夢の方が億倍いいわ。とりあえずいいネタをもらったという感じ。

すてきなアンドロイドカップル

すてきなアンドロイドカップル

その他キャストについて

♦ それ以外の役者は?
♥ あー、この3人だけでいいんじゃない?
♦ なにそのやる気ない態度。
♣ 正直印象薄いんだもん。ヤネック役のイドリス・エルバなんてすごくかっこいい黒人なんで、演出次第じゃすごくいい話になったと思うんだけど、なんか自己犠牲も取って付けたようだし。
♦ 彼、何気にヴィッカーズと寝てるのよね。
♠ リドリーってほんと人間ドラマが撮れないね。キャラクターがまるで操り人形みたいで。
♥ ミルバーンとファイフィールドのコンビなんて、いくらもおもしろく撮れたと思うんだけどただの殺され役だし。
♠ とりあえずリドリーは役者を見る目はあるので、役者はみんな良かったけど、主役の3人以外は出番少なすぎ。

♦ そういや、役者を非アメリカ人で固めるというのは意図的なものかね?
♥ アメリカ人出てなかった?
♦ ホロウェイを演じたローガン・マーシャル=グリーンと、ショウの父役でカメオ出演するパトリック・ウィルソン以外は全員非アメリカ人。ほとんどがイギリス人だけど、ノオミがスウェーデン人、マイケルがアイルランド人、シャーリーズが南アフリカ人、ガイ・ピアースがオーストラリア人といったところ。
♣ ノオミ以外は全員英連邦出身者か。やっぱり彼女だけ浮いてるな。
♥ イドリス・エルバもイギリス人なの? アクセントの感じからてっきりジャマイカ人とかかと思った。
♠ 撮ってるのがロンドンなんだから、イギリス人役者が中心になるのは普通なんじゃない? リドリーもイギリス人なんだし。
♦ スタッフもほとんどイギリス人で固めてるね。その意味、イギリス映画といってもいいぐらい。
♥ それって重要なことなの?
♦ うん、なんでリドリーが嫌いになったかというと、アメリカに染まりすぎたからなんで。その意味、ちょっと昔のリドリーが戻ってきたようでうれしかった。

ゼノモーフについて

♣ 人間の役者より大事なもの忘れてませんか? 肝心要のエイリアンの話しましょうよ。
♠ ゼノモーフ(xenomorph「異形の者」って感じか? いちおうエイリアンの正式名称)って言ってよね。もともとアレのことはエイリアンとは言ってないし、alienというと異星人すべてエイリアンだから、この映画ではエンジニアもエイリアンなんで混乱する。
♦ だいたいあらすじの中で言い尽くしたんじゃない?
♠ 私はまだ納得してないぞ。ゼノモーフのライフサイクルは元々謎だったけど、この映画は特に意味不明すぎる。
♥ いちおうこのインフォグラフィックがわかりやすいと思うけど。

prometheus16♣ ますますわけがわからない。いちおう解説すると、エンジニアが謎の液体を摂取して人類が生まれた。謎の液体をホロウェイに飲ませたら病気になった。そのホロウェイとショウが性交したらトライロバイトが生まれた。トライロバイトがエンジニアに寄生したらディーコン・エイリアンが生まれた。
♥ あと、ミミズみたいなのが液体に触れてハマーピードになった。ハマーピードがミルバーンに寄生したのに、なぜかファイフィールドが変身したのもある。
♠ なんかおかしいよな、この理屈は。

♥ 最初にエンジニアが飲んだ液体と、円筒容器(アンプルと呼ばれてる)に入ってた液体が同じものだと考えるからおかしくなるんじゃない? 最初のは明らかに播種が目的なのに、エンジニアの船にあったのは生物兵器なんでしょ。
♠ なら見た目そっくりにするなよ。
♥ 私が気になってるのは、「感染」したホロウェイの目の中に虫みたいなのがうごめいていたこと。あの虫はどこから来たんだ?
♦ あれにそっくりな寄生虫現実にいるよね。
♠ しかもセックスでうつったということは、あれは性病かい! 精液の中にでもいるんかい!
♣ ここが新解釈すぎるんだよなあ。
♠ おまけに、その後ショウが「産んだ」トライロバイトはタコだし。これまでのエイリアン世界の常識では、ゼノモーフは宿主の特徴を取り入れていくもんだとばかり思っていたが、人間の男女からなんであんな化け物が産まれるんだよ!
♥ それがエンジニアに寄生すると、いきなり人間っぽい形になるしね。むちゃくちゃだよね。
♦ たぶんその辺の生物学的根拠はなーんも考えてない。はっきり言って、今までのシリーズ中、最も非科学的エイリアンだもの。
♣ やっぱりそうか。私はてっきり何か重要なシーンを見逃したかと思って必死で何度も見返してしまったよ。

♠ 結局『エイリアン』ファンはゼノモーフが見たくて映画見るのに、白塗りの暗黒舞踏みたいなおっさんなんか見たくねーよ!ってことじゃないかな。
♦ 確かにどう見ても主役はエンジニアの方だしね。まあ、『エイリアン』とは直接関係ないって予防線張ってるからいいようなもんの。
♣ そのエンジニアの話は矛盾だらけで結局どういうことなのかさっぱりだし。
♥ まあその辺は続編で説明されるんだろうけど‥‥
♠ この調子じゃよけい失望させられるだけみたいな気もする。

リドリー・スコットについて

♦ しかし、本当に何を言いたかったんだろうね。
♠ 造物主と「我々はどこから来たのか?」という話にしようという魂胆はよくわかるんだけど、力量が追いついていない。
♣ リドリーは自分の『2001年』を撮りたかったんだと思う
♥ 『2001年』にも似てるけど、私はあらすじ聞いた時、てっきり『巨人の星』になるものと思って期待したのになあ。
♣ それじゃ星飛雄馬だよ!
♠ 『巨人たちの星』か。ジェイムズ・P・ホーガンの連作長編。
♦ そういえばあの巨人もエンジニアを思わせる。

♣ とにかく『プロメテウス2』ではパラダイス(エンジニアの母星)へ行く話になるんでしょ?
♥ エイリアンの母星に行く話は以前から話題に上がってたのに。そっちのほうが見たかったのに。
♠ だいたいパラダイスに行っても話が進みそうにない。こっちはひ弱な女と壊れたロボットだけ。向こうは白塗り巨人が山ほどいるんじゃ、あっという間に叩きつぶされておしまい(笑)。
♣ ひどすぎ‥‥(笑)。
♠ よって、パラダイスに行く話にはならないというのが私の予想なんだ。
♦ まあ、とりあえずマイケル・ファスベンダーは引き続いて出るみたいなんで私は見るけどね。

♥ なんか見た直後は興奮して書き始めたけど、テンション下がってきたね。完成までこんなに長くかかったのもそのせいなんだけど。
♠ 最初に機内で見た時はすごいおもしろいと思ったんだよ。つまり徹夜の朦朧とした頭で、細部はほとんど見えないし、英語だから細かい理屈とかは適当に聞き飛ばして見てたときは。要するに知的レベルを数段階落として見ればすごく楽しめる映画かもしれない。
♦ まあ、今のリドリー・スコットの能力を考えたら妥当なところじゃないの? これがすごい良かったら、じゃあ今までのあれはなんだったんだ?ってことになるし、この年でいきなり復活というのも考えられないし。
♠ 確かに黒澤だってコッポラだって、晩年の作品はひどかったし。
♣ でも昔取った杵柄という感じで、さすが一定レベルは楽しませてくれたからよしとすべきなんじゃない?

♠ 私が思うに、リドリーってやっぱりビジュアル派なんだよ。『エイリアン』にしろ、『ブレードランナー』にしろ、視覚的インパクトがあまりにも強烈だったから、あれだけ話題になったわけだし。
♥ 今回も確かに絵はすばらしくきれいでした。特に冒頭の風景は。
♦ コンセプトアートとかも美しいし、今どき実物大の超巨大セットを組んだ美術は小道具まで絵的には超一流でしょ。
♣ ギーガーとかシド・ミードを抜擢するセンスもすごかったよね。
♠ メカも文句なくすばらしい。いかにも男の子が喜びそうな。

完璧に近いメカデザイン

完璧に近いメカデザインと映像美

♦ そう言えば、ギーガーは2014年に死んでるんだけど、メイキング見てたらこの映画の撮影を見学に来たりしてるのね。
♠ ギーガーの『エイリアン』読むと、リドリーとはケンカ別れしたんじゃないの?
♥ そんなの大昔の話じゃん。ギーガーがいなければここまでヒットしなかったし、彼には大いに敬意払ってるでしょ。
♣ 映画のためにゼノモーフのスケッチ描いたりもしてたよ。結局使われなかったけど。
♦ いちおう美術はギーガー・モチーフを使ってるがね。
♠ 同じ作品世界なんだから当然でしょ。
♥ エンジニアはどう見てもギーガーじゃないが。
♦ 次の『2』では「H・R・ギーガーに捧ぐ」という献辞が出るな、絶対。
♠ 惜しい人を亡くしました。R.I.P.

♥ で、絵がすばらしい代わりに、ちゃんとしたお話が書けないと。
♠ 絵だけじゃないよ。演出力もそれ以外もやはり一流。だけど脚本がパー。
♣ ただ、これまでの『エイリアン』シリーズ、完成した映画は見られるものになってたけど、途中で無数に生まれた没アイディアとか草稿とかは本当にひどいのが多かったんで、なぜかお話作りがむずかしい映画みたいよ。
♦ それはSFだからよ。SFはバカには撮れないから
♥ それでそういうのを見聞きするたび、「でもリドリーなら‥‥」という思いもあったんだけど‥‥
♦ 作中にこんな会話があるんだけど。

ホロウェイ「僕らは自分たちの造物主に会いたかったんだよ。答をもらうために。そもそも彼らがなんで僕らを作ったのかという問いの答を」
デヴィッド「なんであなたたちは私を作ったのですか?」
ホロウェイ「単に作れたからさ」
デヴィッド「自分の造物主からそれを聞かされたらどれだけ失望するか想像できますか?」

♥ (『エイリアン』の)造物主の答もかなりがっかりだったというところでおしまい。
♣ まあ、いちおうその答は続編まで保留するけど、あんまり期待はできないね。

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