【病気の話】 良性発作性頭位めまい症

命に関わらないような病気のデパートと言える私だが、また新しい病気をゲットしたので、参考までにその報告と感想を。

やっと大学の授業も終わった翌日、朝目覚めてぱっと上半身を起こしたら、同時にベッドにバーン!と叩き付けられた。その時の感想は「は?」という感じ。確か私起きたよね。なのになんでまた寝てんの?
でももともと寝起きはいい方じゃないし、そういうこともあるかと思って、もう一度、今度は勢いを付けずにそーっと慎重に起き上がった。すると、ベッドがグルグル回転し始めて、またも起きてられなくてベッドに倒れ込んだ。
なるほどめまいか。疲れてるのかなあ?なんて思いながら、しばらくベッドでグズグズしていたら治まったので起きて、その日は普通に生活してた。

翌朝、昨日のことがあるので、いきなりまっすぐ起きるのは怖い。そこでゆっくり寝返りを打って、ベッドから転がり出ようと思ったら、単に左から右へごろんと寝返りを打っただけなのに、またもベッドがグルグル回転を始めるではないか! このめまいはじっとしていると治まるんだが、もう一度同じように寝返りを打ってみるとまた回転が始まる。
錯覚なのはわかっていても、本当にベッドから振り落とされそうで、つい必死でそこらにしがみついてしまう。これまでは怖いので目をつぶっていたが、試しに薄目を開けて見てみたところ、なんと部屋全体が、ベッドの周囲でグルグルと回転しているではないか。
これは怖い! はっきり目が覚めているのに幻覚(みたいなもの)が見えるのはマジで怖い。なんか吐き気と頭痛もしてきたし、もしかして怖い病気かも知れない。オリヴァー・サックスの本がおもしろかったので、私は神経学の本を読みあさっていたので、怖い症例は山ほど知ってるし。本当に脳がいかれちゃってたらどうしよう?

この日もしばらくじっとしていたら治まったので、起き出してすぐにインターネットで検索した。すると、私の症状にぴったり当てはまる(寝起きや寝返りでひどいめまいが起きる)のは、良性発作性頭位めまい症というやつみたいだ。
とりあえず、一時的なたいしたことない病気みたいなんで安心するが、ネットで素人診断しただけじゃ怖すぎる。ただ、本当に一時的な可能性もあるので、もう一晩寝て、明日も症状が出るなら病院へ行こうと思った。日中は本当になんともないんである。

それで翌朝もまったく同じ症状。っていうか、だんだんひどくなってる気がする。めまいは一時的だが、吐き気と頭痛はしつこく続くし。それでやっぱり病院行き決定。ただ、どこの病院にかかればいいんだろう?
良性発作性頭位めまい症だとすると、三半規管の異常だから耳鼻科なんだが、万一神経の病気だったら怖いので、最初は神経内科を受診することにする。それで神経に異常がなければ耳鼻科に行けばいいんだし。

そこで近所の神経内科へ行って症状を話すと、まだ検査もしないうちから、「良性発作性頭位めまい症でしょう」という話になった。試しに頭をベッドからはみ出した形で寝て、そこから右へ寝返りを打ってくださいと言われ、言う通りにしたら、これまでで最大級の津波にさらわれて、思わずすごい悲鳴を上げて、医者と看護婦さんをビビらせてしまった。逆の方向だとなんともない。
医者が言うには、症状から良性発作性頭位めまい症でほぼ間違いないから検査の必要もないでしょう。何も怖いことはない病気だし、すぐに治るという話だった。

良性発作性頭位めまい症の原因は、「正常であれば内耳の一部分(卵形嚢と球形嚢)に収まっているカルシウム粒子(耳石)が、そこから離れて内耳の別の部分(後半規管)に入ったときに生じます」(メルクマニュアル医学百科より)だそうだ。

その耳石を元に戻すには、エプリー法というのがあって、それを医者に教えてもらって、あとめまいを軽減する薬をもらって帰った。エプリー法は要するにめまいを強制的に起こさせるようなものなんで、やると絶対気持ち悪くなるし、ネット情報によると、あまり素人がむやみにやらないほうがいいと書いてあるところもあったので一度でやめたが、原因がわかってほっとしたせいか、それとも薬が効いたのか、翌朝には治っていた。ただ、いまでも軽いめまいと頭痛が残ってるような気がする。

それに一度なるとまた再発するみたいなのもいやだ。この病気になりやすいのは、高齢者、運動不足、ストレス過多、寝たきり(苦笑)、枕が低いなど、ほとんど私に当てはまるし。
私は生まれつき三半規管が弱いっていうか、回転運動をやるとめまいで立っていられないし、すぐに乗り物酔いになる(ブランコでも酔う)のと関係あるんだろうか?
こんなだからめまいはよくあったが、これほどひどい、立ってられないほどのめまいは初めて経験したので本当に怖かった。

ところでこのメルクマニュアル医学百科(家庭版と、もっと専門的な医師向けの2種類がある)というのは、アメリカの製薬会社がサービスで提供している医学データベースなんだが、家庭版は素人でもわかるように、でも普通のサイトじゃ書いてないような病気の症状や原因が詳しく書いてあって、とてもいいサイトなのでおすすめ
今回もべつに病院行かなくても、実質メルクだけで解決したようなものだもんな。ちなみに神経内科でエプリー法のやり方を書いた紙をもらったのだが、見たらメルクのこのページを印刷したものだった(笑)。
これほど有能なら一家に一冊あってもいいから、本買おうと思って調べたら、紙の本はもう廃刊で、今は(無料の)オンライン専門らしい。なるほど、こういうのは情報を常にアップデートしなきゃならないから当然か。でも本当に具合が悪い時はパソコンの前に座るのも大変なので、紙の本も持っていたかったな。とりあえず、これだけの情報が無料で手に入るなんてすごい時代になったものだ。

めまいのもたらす幻覚はマジで怖いので、この病気の患者には精神的におかしくなる人もいるらしい。私も「不安をなくすお薬いりますか?」と聞かれたので、いいですと答えた。自己診断が合ってたので、「やったー!」と思うと同時に不安は消え去っていたし。それもメルクのおかげ。(宣伝かよ?) 私も医者に行く前に調べたことでずいぶん気が楽になったし、体調不良の人は読んでみるといいと思います。

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