★★【映画評】ホビット三部作 Part3『ホビット 決戦のゆくえ』(The Hobbit: The Battle of the Five Armies)

三部作リビューの第三部になります。

第一部
第二部

もくじ

(文字通り)種を越えた愛
エヴァンジェリン・リリー(タウリエル)について
ラダガストについて
ビヨルンについて
セットの話
埋められた原作の穴
ルーク・エヴァンス(バルド)について
エスガロスの町長とアルフリドについて
スマウグとベネディクト・カンバーバッチについて
その他のモンスターについて
アゾグとボルグについて
乗り物の話
五軍の戦い
アーケンストーンとトーリンの乱心
指輪とゴラムのこと

(文字通り)種を越えた愛

♣ なんだか紛糾してますが、きりがないので次は闇の森つながりでタウリエルかな。
♦ 彼女だけが原作には登場しない、映画のオリジナル・キャラクターになるんだけど。
♣ あとでエスガロスのところで述べるけどアルフリドもだよ。
♥ 彼女がなんで出てきたのかは単純明快。原作のままだと女性キャラはガラドリエル(も原作には出ないんだけど)ぐらいで、終始むさ苦しいひげ面のおっさんだけの映画になってしまい、ましてや恋愛要素は皆無だから。
♠ むさ苦しいひげ男同士の恋愛要素はたっぷりだけどな。オールヌードもあるし。
♥ 少なくとも『ロード・オブ・ザ・リングス』はアルウェン(リヴ・タイラー)とエオウィン(ミランダ・オットー)という「美女」が登場したから男性ファンも満足だったけど(私見ではミランダ・オットーは汚点でしかなかったけどな)、これは本当に男の映画だからねえ。
♣ そりゃ原作は子供のための童話なんだから、女といちゃつくシーンなんかあるわけがない
♠ 映画ってこういうとこがマジうざい。女が出なくちゃダメとか、黒人や東洋人が出なくちゃダメとか、同性愛者が出なくちゃダメとか‥‥
♦ それはアメリカ映画でしょ? この映画は白人しか出てなかったと思うけど。
♣ 同性愛者は別に決まりってわけでは‥‥。

♦ とにかくそういうわけで、美女が見たい男受け、恋愛が見たい女受けを狙うためには、無理やりでも若い男女の恋愛を入れる必要があったという事情はわかるんだが。
♥ 男の観客のためというのはわかるけど、女性ファンはひげ面のおっさんで十分満足してるみたいだけどなあ。ファンアートだけ見てても。
♠ そもそもジャクソンは『ロード・オブ・ザ・リングス』でも、原作ではバックグラウンド・ストーリーとして語られているだけのアラゴルンとアルウェンのベタなラブシーンを無理やり押し込んでひんしゅく買った前科があるからこれぐらいべつに。
♦ それは映画作りとしては普通だし、そもそも原作にあるものだからいいわよ。でもオリジナル・キャラってことは、タウリエル関係の話は全部ジャクソンと脚本家たちの創作ということでしょう。お話作りでトールキンと張り合うってのがどだい無理なうえに、雰囲気が違いすぎて完全に浮いてるのはどうも。

♥ そもそもなんでエルフ女とドワーフ男なのか? エルフと人間のラブストーリーはよくあるけど、これは新しすぎる。
♠ 逆のほうがもっとひどくない?
♣ ひげ生やしたドワーフ女と女みたいな男エルフ! それはちょっと見てみたかった。
♦ なんか人種差別みたいに聞こえる。いや、性差別か?
♠ 異人種どころじゃないよ。人間なら人種が違っても同じホモ・サピエンスだけど、この人たちはまったく別の種なんだから。
♣ だけど子作りはできるし、生まれた子も繁殖能力があるという不思議。
♦ トールキンも生物学は知らなかったか。
♥ そもそも生物って言っていいのかいな? エルフと人間はイルーヴァタールが作ったもので、ドワーフはアウレが作ったんだよね。(どっちも神様) なんか神様が直接作ったものに生物学当てはめるのは奇妙な感じがするわ。
♠ だからアメリカでは進化論が否定されてるんじゃない。

♦ まあ、結局プラトニックなままなわけだし、これはガラドリエルとギムリの変奏と考えればいいんでは?
♥ あれは騎士道的恋愛で色恋要素はまったくないから違う。やっぱり種を越えた愛というわけでアラゴルンとアルウェンの焼き直しでしょう。でも人間とエルフじゃ二番煎じすぎるし、これはドワーフが主役の映画だからドワーフとエルフの話にしてしまった。
♣ いっそドワーフとホビットにすればよかったのに。それなら体格差もあまり問題にならないし。
♠ ホビットってビルボしか出てないじゃん。やっぱり彼とひげ女?
♥ 実はトーリンは女だったとか?(爆笑)
♣ そういや、この映画のトーリンってめちゃくちゃ性格悪いのに、ビルボにだけはやけにやさしいよね(笑)。
♦ 主人公や13人のドワーフはさすがにいじれないでしょ。かといって、ここにホビット娘を押し込むのはかなり無理があるし、キリはどうせ死ぬ運命だから、ここで恋をさせても歴史が変わってしまう恐れはないし、うまいこと考えたと思うわ。

♥ べつにラブストーリー自体はしょうがないって感じで我慢できるんだけど、その話がつまらないし無理がありすぎるのが問題なのよ。
♦ いちおう映画の設定としては、タウリエルはスランドゥイルの親衛隊長でレゴラスに気がある。
♠ レゴラスがタウリエルに気があるんじゃなかった? そうじゃなかったら追放されたタウリエルを追っていったりしなかったでしょう?
♦ そうだっけ? この辺、どうでもいいと思ってちゃんと見てなかった。
♣ レゴラスはタウリエルが好きなんだけど、それをタウリエルの責任だと思ったスランドゥイルが彼女を嫌ってるんじゃなかった?
♦ どっちにしろ、スランドゥイルはシルヴァン・エルフを見下してるので、タウリエルにつらく当たる。
♣ それでタウリエルは獄中のキリに一目惚れして、主君に背いて脱獄した彼を追っていく。なんでか知らないが反抗期のレゴラスも「父ちゃんなんか嫌いだ!」と言って彼女を追っていく。

♠ なんかもうこの辺ですべてありえない。エルフの世界ってすごい封建的で規律に厳しい感じなのに、ましてスランドゥイルはやかましそうな王なのに、まして親衛隊長が王に背くって、それ反逆罪だし極刑に値する罪じゃん。
♣ 映画だとスランドゥイルがバカ殿だからなんとなく許されるって雰囲気だったね。
♥ なのに、死んだキリをかき抱いて涙するタウリエルを見たスランドゥイルは、いきなり感銘を受けて愛に目覚めて「息子よ‥‥」となるし、もう脚本が頭悪すぎる
♦ 力不足は隠せないな。その辺はなるべくすっ飛ばして見ることをおすすめします。

♣ だいたい、なんでタウリエルがキリに惚れたのかわからない。ガラドリエルとギムリならまだわかるんだよ。ガラドリエルはほとんどこの世のものじゃないし、そういう内からの輝きはドワーフにもわかったんでしょうけど。
♥ 男ばかりの長旅でいい加減たまってたと思えば(笑)、キリがエルフにムラムラするのはまだわかるけど、牢屋に閉じ込めた囚人に下品な冗談言われただけでドワーフによろめくエルフ女って何なの? 尻軽なんてレベルじゃないんだけど、なんかそういう特殊な趣味のある女かと。
♠ そもそもこれだけ文化が違えば美意識だって違うはずだよね。ドワーフ男はやっぱりひげもじゃで屈強な女が好きなはずだし、エルフはやっぱりオカマみたいな優男が好きだろうし。
♥ 「ドワーフとしては背が高い」とかいう言い訳も無理がありすぎたし。
♦ まあ、どんな種族にも変わり者はいるからね。
♥ つまり変態ってことじゃん!

♣ あとレゴラスの行動も謎すぎる。『ロード・オブ・ザ・リングス』以降のレゴラスならわかるけど、この当時の彼はまだドワーフを心底憎んでたはずじゃない。なのになんでタウリエルに同情的なのかもわからない。
♦ タウリエルを愛していたから?
♥ それならよけい憎むはずじゃん。
♠ それそれ。これだけドワーフとともに、ドワーフのために戦って、ドワーフにコミットしたら、当然好意を抱くようになるはず、そうでなくても父親みたいに敵意むきだしにはならないはずで、それならなんで『ロード・オブ・ザ・リングス』のレゴラスは最初ギムリに反感持ってたのかってことになるよね。
♣ これじゃLOTRにつながらないね。2つを結びつけるという当初の概念に反してる。
♥ その矛盾はこのマンガがうまく表してるよ。

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「オー・マイ・ゴッド、タウリエル! なんておぞましい!」  その60年後‥‥  「オー・マイ・ゴッド、ギムリ! なんてすばらしい!」

♦ なんかこの映画はどこまでもオカマにつきまとわれているような気がするのだが‥‥。
♥ でもこれは原作通りよ。レゴラスとギムリの友情は終生続いたようだし。
♠ 最後、レゴラスがとうとう西方へ去るときもギムリが同行したというから、この二人、配偶者とかいなくて、最後まで添い遂げたんだよね。
♦ あれってそういう意味なのか??
♣ 原作からはそういう印象を受けたよ。
♥ そういえば、映画『ロード・オブ・ザ・リングス』で不満なのもそこだった。あの映画のレゴラスとギムリはちょっとコミカルな凸凹コンビのライバル同士というだけだったけど、私はもっと真摯な友情関係と思ってたから。

エヴァンジェリン・リリー(タウリエル)について

hobbit-tauriel♦ タウリエルを演じたエヴァンジェリン・リリーはカナダ人。
♥ うーん、美人じゃないとは言わないし、かっこよくないとも言わないけど、なんか中途半端だなあ。
♦ 普通に現代の格好してればそれなりにかわいいし美人なんだよ。コスチュームが似合わないタイプなんじゃない?
♣ つーか、やっぱりエルフらしくない。
♠ 親衛隊長という立場上か、戦闘シーンなんかは(ほとんどスタントとしても)これまでのヒロインの中ではいちばんがんばったのにね。
♥ あのおっ広がった鼻の穴が気になって悲恋に集中できなかった。

♠ どうしてもアルウェンを演じたリヴ・タイラーと比較しちゃうのでなあ。リヴ・タイラーはやっぱり美人だったし。引っかかるのはスティーヴン・タイラーの娘ってところだけで。
♣ そこは意図的に違うタイプにしたんじゃないの? シルヴァン・エルフということで、ちょっと野性的で戦闘的な。
♥ 「戦う女」マニアとしてはそこがいまいちだったんだけど。
♦ それでもミランダ・オットーよりは百倍まし
♠ どうせアクションシーンをやるのはスタント・ダブルなんだしさ、無名女優でいいからもっときれいでエルフっぽいルックスの人連れてくればよかったのに。
♦ 公平に見て、ルックスもアクションも可もなく不可もないって感じね。
♥ 顔は普通に美人だと思うけど、身長と手足の長さが足りないんで、エルフらしく見えないのよ。あと、年取りすぎ(この当時すでに30過ぎ)。そりゃエルフに年齢はないと言っても、ラブストーリー要員なんだからもっと若くて初々しい感じの子にすればいいのに。
♣ いろんな意味で、取って付けた感じのキャラクターだったね。
♥ それでもミランダ・オットーよりは百倍ましだけど
♠ それしか取り柄がないのかよ!
♥ だって、エオウィンは『指輪物語』中屈指の戦うヒロインなのに、あんな鈍重でヘナヘナした女戦士があるか! 顔もドブスだし、(馬好きなせいもあり)私は女性キャラではエオウィンがいちばん好きだったので、絶対に許さない
♦ ある意味、男エルフが不細工なこと以上に、あの映画のアラだったね。

♠ まあ、確かにラブストーリーは取って付けたようだったけどさ、原作だとザコキャラなうえに「気付いたら死んでいた」ひどい扱いのキリに見せ場を作ってくれたのは良かったと思う。
♥ でも、そのついでに見せしめとして投げ落とされて死んだフィリさんの立場が‥‥。
♦ 確かに兄弟なのにこの差はひどい(笑)。
♣ トーリンの最後の話は?
♥ それはアゾグのところでやろう。

♥ しかしファンアート(二次創作)を見てると、ファンの好みがわかっておもしろいね。
♣ タウリエルとキリの恋愛要素で釣ろうとしたんだろうけど、そっちにはみんな見向きもしなくて、釣れたのはフィリ=キリ(ついでにトーリン)ばっかり!
♠ マジでほとんどすべてがフィリ=キリだな。
♦ それも兄弟ホモとかそういうのはほんの一部で、普通にかわいくじゃれ合ってるほのぼのマンガみたいなのが多い。あと、子供時代のわんぱく兄弟がトーリンにじゃれついてるのとか。(トーリンを兄弟の父親と勘違いしてるのも多数)
♥ 私も兄弟ものにはそれなりに関心あるが、単なる仲良し兄弟じゃ萌えないんですけど。
♣ 悲劇性も取って付けた感じだしね。これは原作がそうなんだけど。

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私の好みじゃないけど人気なのはこういうの。

♠ 結局(ヘテロの男は違うかもしれないが)みんな美男子が好きと。この3人を美形にしたのは大成功じゃないの。
♥ 恋愛なんてつまんないというのにはみんな同意してくれたのね。
♦ ていうか、やっぱりバランスが悪すぎるからじゃない? かろうじてキリ=タウリエルをテーマにしたのも、身長差をネタにしたギャグマンガみたいなのが多い。
♣ あの不自然さにはどうもなあ。

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でもこれは映画見た人なら泣ける。敵同士でもなくキリが死ななければ実現したかもしれない光景ってことで。

♦ ファンアートの話を続けると、ギャグ方面で大人気なのはレゴラス=スランドゥイル父子。特にツンデレのスラさん!
♠ だから映画の親子がギャグにしかなってないから。
♦ 作り手は大まじめに作ったんだろうけどね。ファンの目はごまかせないね。
♣ ちなみに映画ではリー・ペイスがオーランド・ブルームの父親役ですが、実際はオーランドのほうが2才年上です。
♥ マジで?! いくら年齢無関係なエルフとはいえ、それでちゃんと父子に見えるのはすごい。
♠ なんか蠟で固めたみたいな顔した息子だけどな。

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上のフィリ=キリとよく似た構図だけど、こっちはすごくわかるし笑える。セリフ(映画のまま)も決まってるし。

♦ しかし今回ファンアートを集めていて、みんな絵がうまいのに驚いたよ。リアル路線からマンガまでそれぞれタッチは違うんだけど、その独自のタッチで13人のドワーフを描き分けるのってうますぎる。
♣ DeviantArtなんかはプロも多いでしょ。

ラダガストについて

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ガンダルフとラダガスト

♥ あとキャラクターって誰がいたっけ?
♣ 茶色の魔法使いラダガストは?
♠ 彼はイスタリのひとりでガンダルフやサルマンの同僚なんだけど、原作『ホビットの冒険』では名前のみ。『指輪物語』でもガンダルフの話の中でちらっと出るだけで冷遇されている。あまりに影が薄いので、イスタリの任務は放棄して世捨て人になったとかいう説も。
♥ そういう不遇なラダガストにちゃんと人格を与えてストーリーにも関与させたのは良かったと思うよ。
♣ ただ、原作でも「色の変化と形の大家であり、また薬草とけものたちのことにくわしい。とりわけ鳥たちはかれの友じゃ」というぐらいしかわからないんで、結局キャラクター描写はほとんどピーター・ジャクソンのオリジナル。
♥ 結果としてちょっとイカレた動物好きの森の隠者になりました。
♠ それはイメージ通りでいいんだけど、あそこまで脳みそのいかれた奇人変人にする必要あった?
♣ そこがいかにもジャクソンのセンスで。
♦ 見た目も汚すぎる! 帽子の中で鳥飼ってるのはいいが、鳥の糞が髪の毛にべったりかたまりになってるあたりのセンスがもう。
♠ ウサギに引かせたソリとかもバカバカしすぎる。あんなの森の中じゃ一歩も進まないだろうと。
♣ そこが魔法というか童話の世界だからいいんじゃないの?
♦ とりあえず好人物だし出過ぎたまねはしないからいいけどね。
♣ 伝令やタクシー代わりに大活躍だったね。
♠ 鳥や獣をあやつる「色の変化と形の大家」ってことだから私は変身魔術師だと思ってたんだがな。
♦ それだとビヨルンとかぶってしまう。

♦ 演じたシルヴェスター・マッコイは『ドクター・フー』の7代目ドクター。
♥ 私は『ドクター・フー』見てないから知らないが、お茶目なかわいいおじいさんでよかった。

ビヨルンについて

♦ ビヨルン(Beorn)はスキン・チェンジャー、夜になるとクマの姿に変わる熊憑き
♣ 民間伝承の中から出てきたような、いかにも童話っぽいキャラクターという点で、『指輪物語』のトム・ボンバディルと通じるんだけど、映画ではトムは抹消されちゃったのに、ビヨルンが残ったのはやっぱり引き延ばしのため?
♠ いや、彼の出番は映画ではかなり削られている。「五軍の戦い」でも圧倒的な強さを見せて、ボルグを殺すのもビヨルンなんだけど、映画じゃ原作には存在もしないレゴラスにその役を奪われた結果、ビヨルン(クマ)が暴れてるシーンはほんのちょっとになっちゃった。
♥ それでも残っただけよしとしなきゃ。でもさすがにビヨルンの家では犬や馬が給仕をするという童話的な場面はカットされてたね。
♣ 動物好き、自然と一体化した暮らし、という点でビヨルンとラダガスト、トム・ボンバディルもかぶるんだよな。トールキンの理想がその辺にあるのは明らかだけど、どうもジャクソンはそういうのが嫌いらしい。
♠ いかにもほのぼの童話っぽくなるからじゃない?
♥ 原作が童話なのに!

hobbit-beorn♦ ビヨルンを演じたミカエル・パーシュブラント(Mikael Persbrandt)はスウェーデンの俳優。
♠ 名前も北欧語だし、北欧神話っぽいキャラクターだから北欧人が演じるのは納得。顔も体も野人っぽいし。
♣ 例によって分厚すぎるメイクで素顔なんかほとんど見えないけどね。
♥ チューバッカみたいだ(笑)。でなきゃ『オズの魔法使い』のライオン。獣人っていうとなんでこう発想が貧困なの!
♣ そもそもクマっぽくないよね。もっとクマらしい容貌の人っているじゃない。ジャクソンもテディベアそっくりだし(笑)。
♠ 長髪だから変なんじゃない? なんでクマ人間が長髪というイメージになるんだ?

セットの話

♦ そういえばビヨルンの家も大がかりなセットを建てたんだけど、原作というかトールキンの挿画とはぜんぜん違ってた。
♣ 大がかりになったのはビヨルンは巨人なんで、特大セットを建てたり、彼のサイズとホビットのサイズに合わせた家具調度をぜんぶ2種類ずつ作らないとならなかったからです。
♠ トールキンの描いた挿絵ではビヨルンの家はバイキングの家そっくりで、私もずっとそのイメージでいたのに。
♣ バイキングの家のデザインはエドラスで使ってしまったのでかぶるのを嫌ったんでしょうな。
♥ 動物と同居してるから、まるで南部の曲がり屋みたいだ。
♠ バイキングじゃなくて、日本の東北地方かよ!
♦ でも実際、厩に見えてしまう。すべてが馬サイズだからか。

♠ 『ロード・オブ・ザ・リングス』では美術のすばらしさに目を見張ったけど、今回はそういうちょっとした不満が多かったな。
♥ スラの館である地下宮殿も私のイメージとぜんぜん違う。夢で見たことあるんで。森エルフの宮殿だから、森の木でできているイメージだったのに。
♦ それだと今度はロスロリエンとかぶってしまうからね。
♣ 地下宮殿だからか微妙にゴブリンキングの宮殿と似ているんだよね。
♠ まああのスラ公だからゴブリン並みでも上等って感じだが。
♦ セットの話が出たからついでだけど、セットで良かったのはエスガロス。めちゃくちゃ生活感があったし、いかにも難民があり合わせのもので作った町って感じが出てた。
♣ 水上生活者ってあこがれるし。
♠ 逆にエレボールはちょっと期待外れかな。LOTRのモリアの壮大さを見ちゃったあとでは。
♣ 実際、全盛期のエレボールですらあまりぱっとしなかったね。
♥ LOTRのほうがこれよりはるかにお金かかってないはずなのに、セットやCGはあっちのほうがリアルで豪華に見えるのはなんでなんだろう。

埋められた原作の穴

♦ 次は当然バルドってことで、物語の本筋に入ってくるんだけど、その前にここで述べたように原作にはもともとかなりのアラがあること、映画はそれを埋めたり補足したりして、なるべく整合性のある物語にしようと努力したことは認める。
♣ 原作の穴っていうのは、繰り返すと、

  • ドワーフたちの宿敵のはずのスマウグが、唐突に登場したバルドにあっさり殺されちゃう。
  • スマウグ殺しまではいちおう童話らしく進んでいたのに、スマウグが死ぬと唐突にシリアスな戦争物になる。
  • トーリン、フィリ、キリというドワーフたちの中でも重要な3人がラスト直前で唐突に死んでしまう鬱展開。
  • しかも語り手のビルボがその間気絶していたため、彼らがどんなふうに死んだのかもわからない。

♠ たとえば1は、最初に往年の活気にあふれたデイルの町を先に見せて、それからスマウグがデイルを滅ぼすさまと、バルドの父親の先王を見せて、なぜバルドがああいう弓矢を持っていてスマウグの仇敵かということを明らかにしている。
♦ 同様に、トーリンの祖父スロール王の時代に、スマウグがエレボールを陥落させたところも見せてくれた。このとき助けを求めるドワーフをスラが見捨てるところを映すことで、ドワーフとエルフの確執の原因もわかる。
♣ ナンドゥヒリオン(おぼろ谷)の戦いも出たしね。スロール王がアゾグに殺されたのがきっかけで起きた戦争で、ドワーフとオーク、ひいてはトーリンとアゾグ(原作ではアゾグはこの戦いでトーリンのまた従兄弟のダイン・アイアンフットに殺されるのだが、映画ではトーリンに片腕を切り落とされたが生き延びたことになっている)の確執も明らかになる。
♠ とにかくこういうのは原作でも軽く触れられてるけど、やっぱり映像で見せられるとすごい感動する。
♦ と思うのは原作を知ってるからで、原作にも『指輪物語』にも縁のない一般の観客が見てもわかったかね?
♥ 無理! 複雑な因縁話多すぎ!
♣ ちゃんと説明付きで見せられればわかるだろうけど、こういう「回想シーン」は物語に入る前にパパパッと見せられるんで、原作読んでない人にはつながりが見えないと思う。
♠ なんのことやらさっぱり、だろうね。「旅の仲間」だけでも多すぎる登場人物に、ただでさえ頭が混乱しているだろうから。
♥ 意味ないじゃん!
♣ それでも指輪ファンにとっては大いに意味があるからいいの。

ルーク・エヴァンス(バルド)について

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バルドと息子のバイン

♦ まあ一般観客には漠然とでもわかればいいんじゃないの? それなりになんとなく感動的な話になってたから。
♣ それでもバルドの家族まであんなに長々出す必要があったのかは疑問だけど。
♠ 時間稼ぎ
♥ やっぱりそうだよね? どこかで水増ししないと、どうしても三部作にはならないから。
♠ バルドはまだ原作通りのキャラクターだからいいよ。エスガロス編では町長とアルフリドは水増し感が半端ない。

♦ とりあえずその前にバルドについて。どう思った?
♣ 正統派ヒーローでしたね。
♥ ビルボは主人公なんだけどつねに一歩引いてるし、映画だとトーリンがあのざまなんで、自動的に押し出される形でバルドがヒーローっぽくなってる
♠ まあいいんじゃない? スマウグ殺しという大役を務めるんだから、あれぐらいの扱いでいい。そうじゃないと原作みたいに「誰こいつ?」になっちゃうし。

♥ 問題は配役か。
♦ かわいそうだから弁護しておくけど、ルーク・エヴァンス(Luke Evans)は悪い役者じゃないよ。ただ、私は先に『タイタンの戦い』みたいなおちゃらけ映画を見ちゃったんで印象が悪くなっただけで。
♣ 『タイタンの戦い』はそんなに悪くなかったよ。悪印象は『インモータルズ』のせいでしょう。
♠ 貴重なウェールズ人役者なのにね。
♥ ウェールズの山賊顔とか書いてる。
♣ エイダン・ターナーのことも山賊顔と言って嫌ってたけど、この人たちって典型的ケルト人顔でしょう?
♥ そうなんだけど、どうもこの手の黒髪巻き毛で目がギョロっとしたタイプって苦手だ。ハンサムはハンサムなんだけどねえ。
♦ オーランド・ブルームもまさにそうよね。
♥ 同じ黒髪で眼光鋭いタイプでも、イングランド人の方が端正で品がある感じがするのは、リチャード・アーミティッジとくらべるとよくわかるでしょう。
♣ おもしろいことにスコットランド人はまた顔が違うよね。スコットランド人の顔はなんか親しみが持てる。同じケルト系なのに違うのはバイキングが入ってるからかな?
♠ 英国人の血統なんてまぜこぜすぎてもう何が何だかわからなくなってるわ。

♥ 息子のバイン(John Bell)がまたかわいくないのよね(笑)。この年頃の男の子は本当の美少年もよくいるのに。けっこう重要な役柄で出番も多かったんでがっかりだわ。
♦ バルドの娘二人は先に述べたように、ドワーフ役のジェイムズ・ネズビットの娘なのよね。かわいいけど、よく見るとお父さんそっくりなんでバルドの娘と言われても違和感が(笑)。
♠ ジャクソンは自分の娘もホビット役で出してたし、いくら子役だからって手近なところで間に合わせないでほしい。
♣ 残念ながらルーク・エヴァンスはゲイなんで、実の子供はいないから。
♥ それもマジなの~?
♦ 恋人とのツーショットがあちこちで見られるよ。

エスガロスの町長とアルフリドについて

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スティーヴン・フライとライアン・ゲイジ

♦ 続いては湖の町エスガロスの町長スティーヴン・フライ(Stephen Fry)と、その手下のアルフリドを演じたライアン・ゲイジ(Ryan Gage)。
♥ あのー、あれは町長と言わずに統領と言うことになってるのでは?
♣ 英語ではmasterなんですけどね。mayorじゃないから区別したのか。
♠ 統領ってなんだよ。大きくない大統領か? でも町長なんだから町長でいいじゃん。
♦ あんまり使わない日本語で違和感あるね。じゃあめんどくさいからここでは町長で。とりあえずこの人は原作にも出てくるけど、ドワーフにも好意的だし悪い人じゃないんだよね。それが映画だと町民を足蹴にする金の亡者に。
♣ いや、原作でも最後は金を使い込んでクビになるからそれほどいい人ではない。町長のキャラクターは原作通りと言ってもいい。アルフリドは映画だけの創作だけど。
♠ この二人は単なるコミック・リリーフ&時間稼ぎに出てきただけだから、極端な性格付けをされてるのもわかるけど、なんかマンガチックで他の登場人物から浮いている。
♣ だいたいこの映画金の亡者が多すぎ!
♥ 金を巡る話だからしょうがないが。

♣ まあそういうわけで安易なキャラクターだし、ギャグもベタすぎてあまり笑えないんだが、演じてる役者二人はどちらも芸達者で、心底楽しそうに喜々として演じてるので救われてる。
♦ そこが英国役者を使う利点だね。どんなアホな役でも全力で演じるからすがすがしい。『ハリー・ポッター』を見ているとつくづくそう思う。
♠ スティーヴン・フライは前述のように長いキャリアのある役者なんだが、ここではもっぱら「巨デブ」というところを買われた模様。
♥ ひどい役なんだけどなんかかわいくて憎めない。
♠ つながり眉毛のアルフリドは、権力者に追従する小悪党ということで『ロード・オブ・ザ・リングス』の「蛇の舌」グリマ(ブラッド・ドゥーリフ)とかぶりすぎじゃない?
♣ グリマは小悪党じゃないよ。「蛇の舌」で一国を牛耳ってたんだから。こっちはいやなやつだがそれほど罪はない。
♦ あれほど不気味じゃないし、こっちのほうがずっとふざけてる。ルックス的にはブラッド・ドゥーリフといい勝負の変な顔だけど。
♣ ブラッド・ドゥーリフというよりスティーヴ・ブシェミの英国版って感じだな。この手の「変な顔」役者は貴重。
♠ だから、ちょこっと出てきて笑わせるコミック・リリーフならいいと思うんだけど、この二人は出番が多すぎ、しつこすぎるんで飽きてくる。特に町長が死んだ後もバルドの足を引っ張り続けるアルフリドは。
♥ 町長が死んだから解放されて善人になるとかならまだいいんだけど、この二人はまったく性格も同じで死ぬまで変わらないから。
♣ もとより原作には登場しないキャラだから、話の本筋には触れられないし。
♦ そのあたりが時間稼ぎと思われるんだけどね。

スマウグについて

♦ さていよいよお待ちかねのモンスター編だ。まずは最大の敵のはずなのに、原作でも映画でもなぜか扱いが軽い火竜スマウグ
♠ やっぱりデザインの話から行くか。予備知識なしで最初に見たときはまあこんなものかなと思ったんだよね。でもその後ブルーレイを買ってメイキングを見ていたらふつふつと怒りがこみ上げてきて。
♣ とにかくピーター・ジャクソンのコンセプトが一貫してないんですわ。最初に今まで見たことのないタイプのドラゴンをと言っておいて、そうするとかなり奇抜なデザインが続々出てくるんだけど、それはすべて却下。
♥ それに初めは年寄りだからと言っておいて、年取った感じのドラゴンが出てくると、途中から町を滅ぼすぐらいだから若くないとだめとか言い出して‥‥
♦ 結果として実にオーソドックスなドラゴンになった。途中のデザインの過程ではすごいかっこいいドラゴンや斬新なドラゴンも出てきたのに、なんかぱっとしないんだわ。悪くもないんだけど。

♣ だいたい映画のドラゴンで良かったのってほとんど記憶にないんだけど。
♥ 『ドラゴンスレイヤー』(1981)のドラゴンがいいってみんな言うね。
♦ あの時代にあれだけ動かしたのはすごいと思うけど‥‥
♠ そう言うから今、YouTubeで『ドラゴンスレイヤー』のトレイラー見たら、主人公があまりにもアホ面なのと、王様がまるでトランプの王様なんでお茶吹いたじゃないか!
♣ そこがディズニー・クオリティー。アメリカのファンタジーなんて見れたものじゃないって。
♠ ディズニーは恨むよ! おかげで『ナルニア』がぶちこわしになったし。これやLOTRをディズニーが撮っていたらと思うと心底ゾッとする。
♦ 私はやっぱり『ゲーム・オブ・スローンズ』のドラゴンが最高峰だと思うわ。リアルだし生物らしい。早く成長したところが見たい。
♠ 最悪は『エラゴン』の人面ドラゴンか(笑)。
♣ アニメ版『ホビット』のスマウグもなぜか顔だけ狼なんだよね。『ネバーエンディング・ストーリー』は犬だし、『ヒックとドラゴン』は猫かなんかだし、なんでせっかくの爬虫類を哺乳類顔にしたがるのか?ってのは『エラゴン』のリビューでも嘆いたけど。

hobbit-smaug

こうやって見るとかっこいいが、でかすぎるスマウグ

♦ 話を『ホビット』に戻すと、トールキンの描いたスマウグは四足。だから私もずっとそのイメージで考えてたのに、ジャクソンの鶴の一声で二足に
♥ あれもよけいなことをするなあと思った。ペガサスの翼は六本足になっちゃうから解剖学的におかしい(実は天使も)とはいつも言ってるけど、それはペガサスの馬部分も翼もリアルな馬にリアルな鳥の翼だからで、ドラゴンぐらい荒唐無稽な想像上の生物ならなんでもいいのに。
♣ 代わりに翼竜かコウモリのように翼の先に爪を付けたんだけど、それだと物理的にコウモリ歩き(いざり歩き)しかできなくなる。コウモリはほぼ一生地上に降りない生物だからあれでいいけど、スマウグはほとんど地面で暮らしているので、不格好なことこの上ない
♠ まず第一に歩き方がギクシャクするうえに、杖ついたお爺さんみたいでかっこ悪くなるし、翼で体がほとんど隠れてしまう。スマウグというと、挿絵のせいもあって、財宝の山の中で蛇みたいにのたくっている印象があったんだがな。
♦ 例によって体を非合理なぐらい大きくしすぎたせいで(ジャンボジェット2機分の長さだそうだ)、エレボールの広間ではほとんど身動きもできなくなっちゃうし。
♠ 怪獣かよ!
♥ デル・トロなら確実に怪獣映画になりそう。
♦ これが四足蛇体なら狭いところでもスムースに動き回れて、宝の山にも潜れるし、いきなり目の前に現れて怖がらせることもできたのに。
♣ サイズがおかしいことを除けば、飛んでるところはなかなかかっこいいんだけどね。

♣ スマウグの声を担当したベネディクト・カンバーバッチについても言ってあげなくちゃ。
♠ 彼はなぜかマーティン・フリーマンにくっついてやってきて、そのままスマウグとサウロンのボイス・アクターとして出演。
♦ あの顔、あの体で、あの声が出ることには心底驚いたよ。声の低さと迫力ではクリストファー・リーにも匹敵する。当然、この吹き替えは大正解。
♠ 確かにすばらしい声の持ち主なんで、顔出さずに声優だけやっていればいいのに。
♥ それはひどい。『シャーロック』見てたら顔も好きになっちゃったよ。
♦ それに彼は吹き替えだけじゃなく、モーション・キャプチャーで床を這いずり回って楽しそうにスマウグを演じてたよ。

その他のモンスターについて

♦ 後述するオークとワーグを除けば、この話にはトロル、岩巨人、ゴブリン、クモが登場するんだけど、これらモンスターについては?
♠ まったくと言っていいほど記憶に残りませんね。
♣ 三匹のトロルのエピソードはいかにも童話っぽくて全体から浮いてるし。これは原作通りなんだけど、映画が童話色を薄めてるので。
♥ トロルって『ロード・オブ・ザ・リングス』ではオーク軍の生物兵器みたいに扱われてなかった?
♠ 生物兵器としてのトロルは五軍の戦いでも出てくるよ。あれだけアホならオークに使われても不思議はない。
♥ あそこで出てきた目をつぶされて手足もがれて兵器化されたトロルは痛ましかったなー。あれもジャクソンらしいやり過ぎ。トロルに同情してしまう。

♦ 一行は霧ふり山脈を越える途中でストーン・ジャイアントが岩投げで遊んでいるところに出くわす。
♣ これも童話っぽいね。
♠ ストーリーとも関係ないし特に感想なし。パス。

♠ ゴブリンについては一言いっておかないと。原作の『ホビット』では全部ゴブリンと呼んでいて、五軍の戦いで戦う相手もゴブリンだったんだけど、なぜか『指輪物語』では呼び名がオークに変わっていてゴブリンの名前一度もは出てこない。
♦ つまりトールキン的にはゴブリンとオークは同じ種を指してるってこと。おそらくゴブリンは英語なので、従来のゴブリンと混同されるのを嫌ったんだと思うけど。
♥ それだけならいいんだけど、ややこしいことに映画の『ホビット』ではゴブリンとオークは別の種族として扱われている。途中でドワーフ一行を捕虜にするのがゴブリンで、アゾグの一族がオーク。当然姿も違う。
♣ オークの小さくて頭も悪いのがゴブリンという感じかね。
♥ オークはわりと人間っぽいんだけど、ゴブリンはなぜか顔が溶けて崩れたみたいになっている。
♠ どっちにしろ邪悪さや怖さよりグロさを優先した感じ。これもジャクソンだから驚かないけど、『ロード・オブ・ザ・リングス』のオークは(特にウルクハイは)かっこよかったのに。
♦ なーんか今回のオークはチープだよね。アゾグとボルグでさえも。

♦ とりあえずアゾグとボルグはメインキャラなんで次はクモか。
♥ またクモかい!って、これは原作にも登場するんだが。『ロード・オブ・ザ・リングス』のシェロブとかぶりすぎ!
♠ 当然絵的にも似てしまうし、もうどっちがどっちだっけ?というレベル。
♣ こういうのこそ、差し替えてもいいのに。
♦ ジャクソンはアラクノフォビア(クモ恐怖症)だそうだから。

♣ 話変わるけど、人が蛇やクモを恐れるのは種族的記憶だっていう説、私は怪しいと思ってる。
♦ なんで?
♣ なぜなら人類にそういう記憶があるなら、人はみんな猫を見たらぞっとして逃げなきゃならない。というのも、人類は長きにわたって剣歯虎やその後継者たちのキャットフードだったわけで。
♠ 蛇やクモはたまたま出くわせば噛まれるけど、自分から人間を狩ったり食べたりはしてないけど、猫はずっとそうしてきたわけで(笑)。
♣ なのに、人はちっぽけなクモや蛇に悲鳴を上げるけど、猫はライオンでさえかわいいと思う。やっぱり種族的記憶なんてものはないってのがよくわかるね。
♦ かわいいは正義なのよ。クジラやイルカやシャチもそうでしょ。みんなシーワールドでしか見たことないからかわいいかわいい言うけれど、海の中で出くわしたら、あんな不気味で怖いものはないと思うよ。
♥ でもこういうクモならやっぱり怖い。

hobbit-wolfanitaスランドゥイル「もう寝なさいと言ったはずだぞ、レゴラス」
レゴラス「でもぼくの枕の上にクモがいるの」
スランドゥイル「まったく信じられん。私の息子ともあろうものがたかがちっぽけなクモ一匹を‥‥」
スランドゥイル「‥‥こわがるなんて‥‥」

アゾグとボルグについて

♦ 原作のアゾグはモリアのオークの首領で、ナンドゥヒリオンの戦いでトーリンの従兄弟(原作ではまたいとこ)のダインに殺されている。だから原作だと五軍の戦いでオーク軍を率いるのはアゾグの息子のボルグなんだけど、映画ではアゾグは死んでなかったということにして、再び指揮官に返り咲いている。
♣ おかげで親子競演ができました。
♠ サウロンがまだ本格始動してないこの時期には、彼がメインの敵キャラだからね。やっぱり敵キャラには強そうなのを出したかったんでしょう
♥ ゲームだとザコなんだけどね(笑)。
♣ LOTRのあとだとオークっていうだけで雑魚って気がするわ。
♠ ナンドゥヒリオンの戦いにはトーリンも参戦していて、トーリンは祖父のスロールを殺され、辱められた恨みアゾグはトーリンに片腕を切り落とされた恨みを持っているという因縁話も付いている。この辺はきれいにまとまってるね。年齢的には合わないけど。

♣ その前半は原作通りなんだけど、子供向けの童話にしては重すぎる!
♠ 敵の戦意をくじくため、総大将を殺すばかりか死体に陵辱を加えて送り返すなんて普通じゃん。
♦ あんたは『ゲーム・オブ・スローンズ』の見過ぎよ! 童話でそれはないって!
♥ あるじゃん(笑)。ていうか、子供向け童話でGOT並みのリアルな戦争描いちゃうトールキンって‥‥。
♦ いくらなんでもそのエピソードは『ホビット』じゃなくて外典のどれかでしょ。
♣ これは原作にはなかったけど、アゾグとボルグってアルビノのオークなんだよね。彼らだけ真っ白。
♦ それも違いを出すための設定としてはおもしろいね。顔は上に書いたようにどうも好きになれないんだが。
♥ だいたい色違いでもないと、オークなんてみんな同じに見えて区別が付かないし、これはいかにも映画的配慮。

hobbit-azog-borg

アゾグ(左)とボルグ。この顔で実は作中屈指のインテリです。

♦ アゾグとボルグの造形については?
♠ マジでキモかったLOTRのオークとくらべるとわりと人間くさい顔立ちになってるのは、やっぱり「芝居」させなきゃならないからかな?
♣ それはわかるけど、そのぶんおもしろみのないルックスになったね。
♥ 顔がいじれないからか、代わりに人体破壊に走ってる。アゾグは片腕ないし、ボルグなんか頭欠けてるし、体中なぜか鉄が食い込んでるし。

♥ ルックスはともかく、アゾグって司令官としてめちゃくちゃ優秀だし頭いいじゃん。あれだけの混成の大軍を率いて奇襲作戦を成功させ、その後も軍旗を使った画期的な伝令方式で全軍を巧みにあやつるあたり。
♣ マジでトーリンやスランドゥイルよりはるかに賢そうに見えるのが何とも(笑)。
♠ だってトーリンと一騎討ちして相打ちになるぐらいなんだから、それぐらい優秀でないと。
♣ あれだってトーリンをまんまとはめただまし討ちだからね。頭は絶対にこっちのほうがいい。
♥ 『ロード・オブ・ザ・リングス』のオークってもっとバカじゃなかった? 戦闘もただ突進するだけだったし。
♦ LOTRのオークはあくまでサルマンに操られる道具でしかなくて、司令官はサルマンだったし。
♠ もしかしてオーク界では千年に一度の不世出の天才かも。
♥ ボルグもそれなりに健気で有能な息子だったし。原作には存在もしないスランドゥイルのバカ息子に殺されたけど。
♣ 悪役っていうだけでかわいそう‥‥。
♠ まあ世の中なんてそんなものさ。

乗り物の話

♥ ところで五軍というから、人間、エルフ、ドワーフ、オーク(原作ではゴブリン)ときて、あとひとつは誰なんだろう?と考えてしまったよ。ゴブリンかと思ったけど、原作じゃオークとゴブリンは同じものだし。ワシだっけ?とか。
♠ 実はワーグなんだよね。悪の軍団はオークとワーグの連合軍ということになっている。
♣ でもただの乗り物じゃん
♦ と見えるよね、映画だと。
♣ 原作でもその辺はあいまいなんだけど。
♦ いちおう知的生物なんじゃないの? オークとは利害が一致したから乗り物をつとめているだけで。
♠ ワーグも宝物の分け前を主張してるのか? どうも信じられないな。

♥ アゾグの乗るワーグだけは白いんだよね。
♣ 「黙れ、小僧!」
♠ (笑)どう見ても『もののけ姫』だよね。ワーグも狼だし。
♦ でもデザインがいまいちかっこ悪いなー。ハイエナみたいな尻すぼみ体型だし、子供が書いた絵みたいで、生身の生きものに見えない。
♣ 子供っぽく見えるデザインは全部ジャクソンの趣味と思っていい。

hobbit-thranduil-elk♥ 『もののけ姫』と言えばスラ王が乗ってるエルク(ヘラジカ)!
♠ そうじゃないかと思ったが、やっぱりパクリだよねえ。
♣ でも『もののけ姫』のヤックルは乗りやすそうだし格好良かったのに、これだっていくらでもかっこよくできたはずなのに、例によってのやり過ぎでこうなりました
♠ 角でかすぎ!
♣ これはちょっと横向いただけで、乗り手は確実に突き落とされますね
♥ お尻がかゆくなったりしたらヤバい(笑)。
♦ 乗り手ばかりか周囲の人も危なくて近寄れたもんじゃない。
♠ それぐらい気付けよ、おい。いくらファンタジーだからって、無理なものは無理なんだが。

♥ それ言ったらワーグの乗り方も疑問。あんな風に腰に乗ったらたちまち振り落とされると思うのだが。
♦ まあ、ベースが犬だから、猫科の動物(全身をバネのように波打たせて走るため、乗ってることは不可能だし、無理に乗れば走れない)よりは無理がないと思うけど、落っこちそうでハラハラするね。普通に肩に乗れよ!と思うんだが。
♣ とにかく馬というのは奇跡的に人間が乗るのにぴったりにできているだけで、他の動物はほとんど無理と言えば無理なんだが。
♥ そう言えば今回馬がほとんど出ない。ドワーフの乗るポニーだけで。それがつまらないと言えばつまらないな。

♠ そしてドワーフ軍はというと、今回はこれも原作にはない戦馬ならぬ戦山羊(ウォー・ゴート)部隊が参戦。
♣ 乗れるかどうかは別として、これはいいアイディアだと思った。山羊の戦闘力と機動力は体の小ささのわりにはすごいから。イメージ的にもドワーフとあってるし。
♥ でもダインだけはブタに乗ってくる。
♦ 原作だとイノシシなんだけど、どう見てもあれはブタだったよね。そういえばダインの話してなかった。演じたビリー・コノリー(Billy Connolly)はスコットランド人で、このお爺ちゃんもすごい好き。戦場では大活躍だったけど、まともなセリフやアップがほとんどなかったのが残念。
♠ でもエクステンデッドではちゃんとトーリンのあとを次いでエレボールの王に戴冠するところまで描いてくれたので満足。

hobbit-dain

ビリー・コノリーはいい役者なのに、映画では顔なんてまったく見えなかったので素顔の写真も付けておきました

♥ あとワシにも乗るよね。これまたどうして落ちないのかは謎だけど。
♦ このワシたちこそ知的生物どころか神の使いなのに、映画だとやっぱり乗り物の役割しか与えられてないけど。
♣ 映画ではしゃべりはしないけど、戦場ではかなり活躍しているよ。
♠ デザインはワシそのものだからいいんだけど、なんかワシというよりハトっぽくて、獰猛さがいまいちなのが気になる。
♥ 顔がワシじゃなくてハトなんだなー。くちばしが小さすぎ、まっすぐすぎるから。
♠ 『ナルニア』でも感じたけど、WETAって動物作るの下手じゃない?
♦ でも夜明けの雲海の上を飛ぶシーンは美しかった。

五軍の戦い

♦ 『ロード・オブ・ザ・リングス』でも戦争シーンがすばらしかったので、今回もこれは期待してた。
♥ ちなみに私はたいていの戦争映画では戦争場面は退屈しちゃうんだけどね。『ロード・オブ・ザ・リングス』は例外的に手に汗握った。
♠ 今回もおもしろかったけどね。ただ、どう見ても『ロード・オブ・ザ・リングス』の二番煎じというのが多かった。もうだめだという絶体絶命の場面で必ず騎兵隊が登場するあたり(笑)。(「騎兵隊の登場」というのは比喩表現だが、もしかして西部劇を知らない若い世代には通じないか? デウス・エクス・マキーナなら通じるか?)
♦ それは原作もほぼそうだから。
♣ 圧倒的な敵軍に決死の少人数が切り込むところとか。これはToMEのリビューで勝てるわけないとバカにしたけど。
♠ そういう理屈はわかってるんだけど、やっぱり目で見ると感動するじゃん。ダインのドワーフ軍が単独でオークの大軍に突撃して(その間、トーリンは知らんぷり)、「エルフはまたも彼らを見捨てるのか!」というところで、ドワーフのファランクスを飛び越えてエルフがジャジャーン!と参戦する場面とか。(下の動画がその場面。ここだけ取り出しても意味わかんないだろうけど)
♥ ツンデレ、ツンデレ(笑)。

♦ 不思議に思うのはピーター・ジャクソンはこういう団体戦を描くのがうまいよね。普通こういうのってグチャグチャの乱戦になって何がなんやらわからないし、退屈だから飛ばすところなんだが。
♠ ゲーム的センスがあるからじゃない? ちょうど戦争ゲームやってるような楽しさがある。
♣ 逆に一騎討ちの場面がつまらないと思った。トーリンとアゾグの戦いなんて最大のクライマックスのはずなのに、なんかダラダラ長い気がして。
♥ 主要人物が戦闘で死ぬのはめったにないから、じっくり描こうとしたんでしょ。
♣ LOTRのボロミアがまさにそうだったんですが。
♠ そして死ぬときは当然すぐには死なないで、愁嘆場が用意されている。
♦ 原作があまりにあっさりしてたからなあ。トーリンの最期は良かったよ。
♠ これも改心して死ぬってところがボロミアの最期にかぶるんだけど。
♣ 悪人のまま死んだらいやじゃん!
♥ “Plant your trees, watch them grow.”というのは原作にないオリジナルのセリフだけど泣いたけどなあ。

アーケンストーンとトーリンの乱心

♦ というわけで、もちろん楽しめたし悪い作品じゃなかったんだけど、それでもつい一言いいたくなってしまう。
♣ 私が不満なのはデザインぐらいかな。Wetaがせっかく洗練されたいいデザインを作ってもジャクソンが趣味悪くしちゃったところ。
♥ 私はトーリンの乱心に納得がいかない。アーケンストーンにしても、原作では単に家宝というだけだったのに、映画だとこれを所有するものがドワーフの王になるとか、人を狂わす魔性の石みたいな設定に変わってるし。
♣ 『ロード・オブ・ザ・リングス』ではパランティアもそんな感じだった。サルマンがダークサイドに落ちたのはパランティアを覗きすぎたからだってことで。
♠ 結局この映画の主要人物はみんななんらかの宝石に取り憑かれてるんだよ。ビルボはもちろんひとつの指輪、トーリンはアーケンストーン、スランドゥイルは(原作にはない)ラスガレンの白い宝石、スマウグはもちろん竜だから金銀財宝に目がないし、かろうじて町の再建のために金がほしいというバルドがまともなぐらいで、金の亡者の集まりかよ

♥ 中でもトーリンの変貌は極端でしょ。トーリンはアーケンストーンに触ってもいない、どころか見てもいないのに毒されてしまうって、どれだけ危険なんだよ、アーケンストーン。そんなものが家宝で大丈夫なのかよ。
♣ 祖父のスロールも、父のスラインも最後は狂死してるんで、これは血筋だって話もある。
♠ 王様が悪に毒されて自分を失ってしまうというのは、『ロード・オブ・ザ・リングス』のセオデンの二番煎じって感じがしてならないし。
♣ やたらキャラやエピソードがLOTRとかぶるよね。これをオマージュと見るか、二番煎じと見るか微妙なところ。

♥ だいたいこの映画のトーリンは出てきたときから性格悪かったよね。自分がリクルートしたくせにビルボに意地悪く当たったりしてさ。トーリンもリチャード・アーミティッジも好きだからショックだったわ。
♦ それ言ったらスランドゥイルだって、原作では難民を助けたり、最後まで戦争は回避しようとする平和主義者だったのに、映画だとめっちゃくちゃ好戦的で性格悪く描かれてるし。
♣ だからハンサムな男はみんな悪いやつなんだって(笑)。

♠ とりあえずトーリンのご乱心はいいけど、立ち直るきっかけが納得いかない
♦ 死んだスマウグの幻影を見て、宮殿の床に引きずり込まれる幻覚を見て正気に戻るんだよね。
♠ 外じゃ戦争やってるのにそれどころじゃないだろ! それより大事な仲間が死ぬとか死に瀕してるのを見て目がさめるほうが普通じゃない?
♦ でなきゃせめてビルボを介入させるべきだった。彼が鍵なんだから。
♥ 話の都合上、さっさと正気に戻らないと話がつながらなくなるので唐突に正気に戻った感じがした。

指輪とゴラムのこと

♣ しかし魔法使いの長や一国の王を堕落させたパランティアやアーケンストーンの毒気がどれほどのものであれ、ビルボが持ってる指輪の邪悪な力にくらべたら、ものの数でもないはずなんだが、かんじんのビルボは何ひとつ変わらず善良なままという矛盾。
♦ それなんだよねえ。もちろん原作の時代には、指輪は単に付けると姿が見えなくなる不思議な魔法の指輪というだけの位置づけだったんだけど、ジャクソンのもくろみはこれを『ロード・オブ・ザ・リングス』と結びつけることでしょう? その二つを結びつける要素と言ったら指輪以外にないんだけど、そもそもビルボがあの指輪を持ち帰らなかったら指輪戦争自体なかったんだけど、なのに、指輪については完全無視ってなんなの?
♠ あれを単なるなぞなぞ合戦のご褒美として、サウロンの話とかは出さないならまだわかるんだよ。ところがサウロンも出てくるし、指輪の幽鬼も出てくるし、賢人会議の面々も出てくるし、他の指輪についての言及もあるのに、誰も力の指輪のことには触れない。ガンダルフなんてあれだけそばにいながらビルボが持ってる指輪の存在に気付かないし。
♣ 気付いてはいたけど、むしろビルボが持ってる方が安全だから黙ってたんじゃなかったっけ?

♦ 無理に好意的に解釈すれば、誰もが力の指輪は失われたと思ってるからまさかそんなところにあるとは気付かないとか。
♣ あれは自分の意思を持ってるから、あえてまだ存在を明らかにしないようにしようと思えばできるんじゃないの?
♠ 上ふたつの解釈はおもしろいんで、それならそうとわかるようなほのめかしを付け加えれば良かったのに。
♥ でもサウロンは血眼で探してるし、指輪を付ければサウロンに筒抜けのはずなのに。
♠ とにかく他は無理やり『ロード・オブ・ザ・リングス』とくっつけたのに、最大のシンボルである指輪だけ原作のまま、取るに足らない扱いなのが解せないんだわ。
♣ フロドは指輪を持ってるだけであれだけボロボロになったのに、ビルボはなんの影響も受けないというのもおかしい。
♦ でも実際ビルボはあれから60年間指輪を所有し続けても、寿命がちょっとばかり伸びた以外の影響はなかったんでしょ? ビルボが稀に見る超人だったというだけじゃないの?
♠ ビルボが悪影響なしにあれを持っていられたのは、彼が善良すぎて悪に染まる余地がなかったからと、『指輪物語』でガンダルフが説明してなかった? だからそもそもビルボがリングベアラーに選ばれたわけで。フロドはそこまであいにく善良じゃなかった。
♦ 自分からすすんでフロドに指輪を譲ろうとしたあたりも、指輪の脅威もわかってないし、その悪影響も受けてないって証拠だし。
♥ もしかしたらその辺の矛盾を解消できないから指輪には触れなかったのかもね。
♠ それが大きな落ち度だと思うんだよ。独自解釈だろうがなんでもいいから、指輪について言及しないのはおかしい、っていうか、これを続き物の一部とするなら、指輪が話の中心にならないとおかしいのに。
♦ それを考えなかったはずはないので、たぶん指輪を出すと話が大きくなりすぎて、脚本家たちの手に負えなかったんでしょう。

♣ あと、ゴラムの扱いにも腹立たなかった?
♥ ある意味このシリーズの影の主役であるゴラムがあれしか登場しないとは思わなかった。原作では名前すら出ないレゴラスが出ずっぱりなのに!
♦ 私もゴラムにはもっと見せ場が用意してあると思ったよ。ほんとに謎々勝負のシーンしか出ないとは思わなかった。
♥ あれは楽しいシーンなんだけどさ、先にLOTRを見た人からすると、あれだけの重い業を背負ったキャラがあんな軽くていいのかって感じになりそう。いかにも童話っぽい、ほのぼのした場面だからね。
♠ どうもこの映画じゃ指輪の力や脅威はわざと卑小化されてるような気がしてならない。

♦ やっぱりこれは『ロード・オブ・ザ・リングス』とは別物だよねえ。あっちは世界の命運を賭けた絶対悪との戦いだったけど、こちらは個人的な復讐と失った故郷(ドワーフはエレボール、人間はデイル)奪還の物語で、ホビットや魔法使いはちょっと手を貸しただけ。続きは『ロード・オブ・ザ・リングス』でお楽しみくださいと。
♣ まあ、もともとそういう話だからね。それでいいんじゃない?

♥ というわけで、不満はあったけどやっぱりおもしろい映画でした。
♠ 一方でピーター・ジャクソンの限界も見えちゃったので、やっぱりデル・トロの『ホビット』も見たかったなーと思います。

おわり

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