【ゲーム評】Rusty Lake「キューブ・エスケープ」(Cube Escape)シリーズ紹介

rustylake

「あなたが触るものはすべて変化する」
「過去は決して死なない。過去は過ぎ去ってもいない」
「記憶は過去だけなく、未来にも通じる鍵である」
「血が流れることになるだろう」

(引用はゲーム内で繰り返し現れる言葉)

というわけで、ゲーム評で最初に取り上げるのは、Rusty Lake(このシリーズの舞台となる湖の名前であり制作者の名前でもある)の連作脱出ゲーム「キューブ・エスケープ」シリーズ。というのも、これを久々にやって感動したのでどうしても攻略記事が書きたくなったから。
先に述べたように私は脱出ゲームが嫌いなんだが、このシリーズだけは本当に好きだった。全部ダウンロードして持ってるぐらい好き。(こういうフリーゲームは突然ネットから消えてしまうことがあるので、本当に好きなゲームでダウンロード可のやつはDLしている)
それでひさしぶりにやりたくなって、プレイしていたらどうしてもわからないところがあって、その攻略を探していたら、Rusty Lakeの本サイトが今でもまだ更新されていて、それどころか私の知らない新作が3つも出てることを知って、大感激したばかり。

シリーズ中唯一有料(198円)のRusty Lake Hotel欲しさに、とうとうSteamも登録しちゃったよ。ここは避けてたのになあ。いや、ここでジャンジャン新作ゲームをダウンロードし始めたら、確実に生活破綻するから。それでもこれはDLせずにはいられなかった。
まあRPGと違って長くても1本1時間ぐらいでできるから‥‥と思ったら3本で徹夜したけど(笑)。とりあえず、Elona(日本の無料RPG)の作者の新作も近くSteamで公開されるみたいだから、どっちにしろ登録しなきゃならなかったんでまあいいけど。

最初はごく普通の脱出ゲーム(のちょっと変なやつ)だと思ってやっていた。でもいくつかやるうちに、同じ部屋やら、同じモチーフ(貝殻とかオウムとかエビとか)が何度も出てくるので、これは連続もののストーリー性のあるゲームらしいと気が付いた。
こういうゲームは当時そんなにめずらしくはなかった。シンプルだけど味のある絵、一風変わった操作法、悲劇的なストーリー、悲しくも美しい音楽といったところで思い出すのは「Gateway」。これも傑作なんだが、みんな英語がわからなくて単なるパズルゲームだと思ってやっていて、だから私がゲーム掲示板にストーリーを書いたらすごく感謝された記憶がある。それがあるから今回も書こうという気になった。これなんて読むところはほとんどないんだけど、やっぱり説明されないとわからないだろうと思う部分があり、そういうのは日本の攻略ではまったく触れられてないから。

他にも似たようなゲームはいくらもあったけど、「キューブ・エスケープ」が特に印象に残ったのはやっぱりおもしろかったからだ。この手のゲームはパズルや謎解き中心になりがちだが、私は前述の理由で気の向くままあちこちクリックして回るのが好き。それで面倒な計算とか抜きで、直感とひらめきだけで解けるゲームが好きだ。その意味、これはサクサク進めて気持ちいい。
もちろんパズルも出てくるのだが、ギリギリ合格、というのはつまり楽しんでやれるレベルってことで、これ以上むずかしくなると私には苦行でしかない。パズルのバラエティーも豊富で飽きない。こういうシリーズものだと毎回毎回同じようなパズルを解かされてうんざりするのもあるので。

でも脱出ゲームでいちばん大事なのって(ストーリーはかなり理不尽だけど)理不尽じゃないってところだと思う。これが日本の脱出ゲームの多くに対する不満で、ストーリーはまとも、っていうか単に部屋から出るだけなのに、アイテムの取り方だとかアイテムのある場所だとかが理不尽すぎるのが多い。
私の考えるダメな脱出ゲームの条件というのは、普通の日本の家なのにあり得ない場所にあり得ないものがあったり、あり得ないところが開いたり、取るべきアイテムが見えなかったり、クリックポイントになんの目印もなかったり。だいたい家中のすべての戸棚や引き出しに鍵がかかってパスワード設定してある家ってなんなんだよ! あれ見るだけで萎える。
その点「キューブ・エスケープ」はそういう面はいたってまとも。台所用品はちゃんとキッチンにあるし、アイテムははっきり見えてるし、クリックすべきところも一目でわかるし、お湯をわかすにはヤカンに水を入れて、コンロに乗せて、ガスのコックをひねって、マッチで火を付けて、みたいにていねいな作りがすごく好き。リアクションや展開はしばしば狂ってるがね。

そういや、そういうナンセンス・ゲームみたいなのは日本にもある。だけど、日本だとそういうのはみんなギャグにされてしまう。私はルイス・キャロル(っていうか英国ナンセンス全般)がルーツなので、ナンセンスを笑いものにされるのが嫌い。私は大まじめなナンセンスが見たいのに。その意味でもこれは合格。まじめどころかすごい悲劇だし。

でもストーリーは本当に意味がわからない。最初のうちはそういうナンセンスゲームなんだろうと思っていたが、シリーズが進むにつれ、なんとなく関連性が見えてきたし、どうやら根底には深い意味がありそうな気がしてきた。(気がするだけ) それに毎回「続く」となっているところを見ると、この調子で少しずつ全体像が明らかになってくるのかもしれないし、あるいはわけのわからないまま終わるのかもしれない。

今のところわかっているのはこれだけ。

シリーズに共通した舞台となるのは、「ラスティ・レイク(錆びた湖)」と呼ばれる寂れた保養地。どうやらここは精神を病んだ人々のための療養地になっているらしい。
なぜか生きているらしい湖は人の(動物も?)記憶を欲している
記憶はキューブに閉じ込められる。
苦痛の記憶は黒いキューブになる。いい思い出は白いキューブ?
記憶を奪われた者は肉体(魂も)が腐敗して、「(Shadow)」もしくは「腐敗した魂(Corrupted Soul)」と呼ばれる黒いモヤモヤしたものになる。彼らは湖を徘徊している。
記憶は過去にも未来にも通じている
このラスティ・レイクで療養中の若い女性が殺され、その捜査にあたった刑事デイル・ヴァンダーミアは、知らず知らずのうちに湖の秘密に取り込まれていく‥‥

なんだかインディーゲームにありがちな、独りよがりでナンセンスな物語設定に思えるが、今はこれがだんだん現実味を帯びてきたところ。

最初やったときからこのシリーズはデヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』を思わせると思っていた。そしてもちろん私は『ツイン・ピークス』(テレビドラマのほう。映画はクソ)の大大大ファン! あの悪夢とも現実ともつかない雰囲気や、とぼけたナンセンスや、異常者しか出てこない登場人物が大好きだから。

そしたら、「Case23」の主人公の刑事の名前がデイルだったので、これは『ツイン・ピークス』のFBI捜査官デイル・クーパーから取ったに違いないと思って興奮してた。コーヒーを飲んだデイルは “That’s a damn fine cup of coffee!”と言うが、これも『ツイン・ピークス』のデイルの有名なセリフだし。そしたら(今回これを書くため初めて読んだ)作者のサイトに「『ツイン・ピークス』にインスパイアされた」とはっきり書いてありました。
そういや、若い女性が殺されることが物語の発端になるというのもそっくりだし、最初は普通の謎解きミステリかと思ったのに、どんどん異常な世界に入っていってどんどんわけがわからなくなるのも『ツイン・ピークス』そっくり。「影」のテープの逆回しのような不気味なしゃべり方も『ツイン・ピークス』に出てくる。あれが本当に不気味なんだ。

決してうまい絵じゃないけど、なんともいえない味のあるグラフィックも、美しい音楽もすごい好き。そういえば、こういう雰囲気がある大人向けのゲームってほぼ間違いなくヨーロッパ製だね。これもオランダのアムステルダムで作られている。
この手のP&Cゲームはアメリカにもあるが、ホラーならただ残酷でグロいだけ。(それはそれで好きだけど) そうでなければカートゥーンっぽい絵で子供っぽいのばかりでこういうのはまずない。日本のもまったく雰囲気が違うし、ゲームってはっきりお国柄が出るな。

ほぼ一枚絵だけで構成されてる脱出ゲームが多い中で、アニメーションするのも新鮮だった。移動するたびに疑似3Dでゆらりと画面がゆらぐのは本当によくできている。画面を常に漂う黒と白のモヤモヤしたものも意味わからないけど『サイレントヒル』の雪みたいですてき。

ただこのままでは『ツイン・ピークス』並みに理不尽なエンディングに行き着きそうな気がするな。毎回のエンディングも理不尽だけど。というわけで、本当はもっと突っ込んだ話をしたいんだけど、それだとネタバレになっちゃうし、それなら攻略といっしょにやろうというわけで、次のページからは各エピソードの攻略に行きます。

プレイ方法

(普通の脱出ゲームと同じなので、脱出ゲームに慣れてる方は以下は読む必要がありません)

  • 画面をクリックすることでゲームを進めます。
  • 左右と上の黒い三角をクリックすると隣の画面に移動します。(上は天井を見上げる)
  • それ以外にもクリックできる場所はたくさんあるので、怪しいところをクリックしてください。正しければ何かの反応があります。二度、三度とクリックする必要がある場合もあります。ときには別の次元や場所に飛ばされることもあります。
  • 画面右の四角は持ち物欄です。そこをクリックして絵が変わるとその物を持っていることになり、その状態でメイン画面をクリックするとそれを使えます。(水差しを持って水道の蛇口をクリックすると水が入ったり)
  • 持ち物が増えてくると、持ち物欄は画面に見えているだけでなく、上下や左右にも続いていることがあるので、小さい三角をクリックしてください。
  • だいたいが常識的な物理法則に従ってますが、まさかと思うような行為も可能なので、なんでも試してください。ただし稀に怖いのが出てくることがありますので驚かないように。
  • 最初はゲームの目的すらわかりませんが、持てるものはすべて取り、クリックできるところはなんでもしてみるといいでしょう。次にやるべきことはだんだんわかってきます。(ただ英語がわからないとつらいかも。中学生以上なら辞書を引きながらやれば十分ですが)
  • 攻略にはすべての手順が書いてありますが、一部の例外を除いてこの順番通りにする必要はありません。間違えても決してゲームオーバーになったり手詰まりになることはなくて、何度でもやり直せるのがこのゲームのいいところなので、安心してなんでもクリックしてください。
  • ときどきパズル系のミニゲームがはさまることがあります。これはクリアしないと次に進めません。解き方は直感でわかる場合と、ヒントがどこかにある場合があります。

怖いの苦手な方にご注意

いちおうホラーに分類されるゲームなので注意です。血や死体は出てきますが、単純なマンガっぽい絵なのでぜんぜんグロではないです。むしろどのエピソードもそれぞれ一回ぐらい、怖いの(といっても単に黒い影なんだけど)がいきなりわっ!と出てきて脅かされる場面があるので心臓弱い人は注意。
次のページのSeasonsのプロモビデオはなぜか怖いシーンだけ集めてありますが、逆に言うとこれがいちばん怖い部分で、実際のゲームはこれほど怖くなくてのんびりしてます。

次のページからは攻略ですので、自力でやりたい人は見ちゃダメ。行き詰まったら読んでください。私の感想や普通の攻略サイトにはないような情報も載ってるので、もう解いた人もぜひどうぞ

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