生まれて初めてUFOを見た話(宮沢賢治番外編)

masumura-hiroshi23UFOと言っても宇宙人の乗り物じゃないよ。あくまで未確認飛行物体(unidentified flying object)というだけだからね。このブログはもう日記っぽいのは書かないのでどこに書くか迷ったが、なんとなく銀河鉄道とつながってる感じがしたので。

冬は空気が澄んで空がきれいだ。うちのような地上がこうこうと明るい都会でも、星がくっきり見える。もちろん主要な星だけだが、星座がはっきりわかる程度には見える。だから仕事帰りは星を見ながら帰ることが多いのだが、今日は夜空に妙なものが飛んでいるのを見て思わず立ち止まった。

ちょうどオリオンの三つ星のあたりを背景に、なんかキラキラと光るものが空を飛び回っていたのだ。それも最初は10機ぐらいが乱舞していたのが、あっという間に2機ぐらいに減ってしまい、「んんん?」と思っている間に消えた。

最初は飛行機だと思った。見かけの大きさと光が点滅する感じが旅客機そっくりだったので。
ちなみにうちの上空はちょうど旅客機の定期航路になっていて、特にこの時刻(夕方8時)はひっきりなしに飛行機が飛んでいる。ただ、動きの速さと軌道が飛行機ではあり得ない。
曲芸飛行のようにお互い同士ぐりんぐりんと旋回しながら飛んでいて、旅客機の動きではなかったからだ。また旅客機なら必ず付いている赤と緑のライトではなく、すべて白一色である。スピードから言って、飛行機よりずっと低空を飛んでいる感じだし。

次にドローンだと思った。ドローンならこれぐらい機敏な動きをするし。でも夜中にこんな場所で編隊飛行をする理由がない。

ならば鳥かとも思った。確かに夜飛ぶ鳥はけっこういる。私は渡り鳥の群が深夜に編隊飛行をしているのを見て、「渡り鳥は眠らずに飛び続けるって本当なんだな」と思ったことがある。でも渡り鳥は互いに絶えず鳴き交わしながら飛んでいたのに、鳥の声なんかしないし、羽ばたきも聞こえない。何より夜空に鳥が飛んでいればシルエットだけが黒く見えるはず。白く点滅するなんて鳥とは思えない。

風の強い夜だったので、強風で何か光るものが飛ばされていたのかもしれないとも思ったが、明らかに意思を持った飛び方だったので、無生物でもない。

だからやっぱり目の錯覚だと思った。仕事で疲れてるからそれぐらいの錯覚はありうる。飛蚊症ってやつか? でも飛蚊症はしょっちゅうなるので、こんなふうには見えないことは知っている。やっぱり飛行機を見間違えたのかもしれないなと思いながら歩いていたら、またなんか飛んでる!
しかもこれは絶対目の錯覚や、見間違えじゃない。なんだかわからないけど確かに何か実体のあるものだ。

このときにはもううちに付いていたので、その足で大急ぎでベランダに出て、今度こそ正体をつきとめてやると思って双眼鏡を手に待ち構えた。そしたら程なく同じ光が見えたので、双眼鏡を覗いたら、完全に鳥でした(笑)。
真っ白な鳥が腹を見せて羽ばたくとき、羽の一部が光って点滅するライトのように見えていただけだった。へえー、鳥って夜にはあんなふうに見えるんだ。

それにしても謎は残る。私はしょっちゅう空を見ながら歩いているので、こういう鳥がいつも飛んでいるなら当然前にも気付いていたはずだが、何十年とこの道を通っているのに初めて気が付いたということは、珍しい鳥なのか?
やっぱり渡り鳥なのかもしれない。大きさはかなり大きく、プロポーションも首が長くて白鳥のようだが、白鳥よりは小さい。(距離がつかめないので自信はないが) ちょうど『銀河鉄道の夜』の光る鷺のようで(トップ画参照)、すばらしく美しく神秘的で、UFOと思っていたときより感動した。

masumura-hiroshi22そうそう、ちょうどこんな感じ。ただ、鷺って夜中に飛ぶんだろうか? 調べたらゴイサギは夜行性だそうで、ゴイサギだったのかもしれない。ここは海や川があるせいで、けっこう鷺も見るし。

あと、夜空をじっと観察していて気付いたが、ここらは本当にすごい数の飛行機が飛んでる。ほとんど1分置きに空を横切っていく感じだ。それも東西に飛ぶのと南北に飛ぶのがまざっていて(羽田発着の便と成田発着の便?)、飛行機の交差点のようだ。これだけでもけっこう幻想的で銀河鉄道っぽい。
しかし交錯して飛ぶ飛行機の軌跡が完全に衝突しそうに見えてハラハラした。おそらく高度差がかなりあって大丈夫なんだろうが、落っこちてくるなよ。

というわけで、天気輪の丘で空を眺めるジョバンニの気持ちになった一夜でした。

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