【映画評】『スター・ウォーズ』旧三部作(特別篇)回顧 『エピソード4/新たなる希望』 (1977)『エピソード5/帝国の逆襲』(1980) 『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)

starwars05柔道着着たヒーローが不細工なぬいぐるみ背中におぶって跳ね回る! 今見ると(当時もだが)爆笑ものの『スター・ウォーズ』オリジナル三部作のリビュー。

とりあえず私にとって『スター・ウォーズ』旧三部作の最大の思い出と言えば、「主役三人がありえないほどの不細工!」ということに尽きる。(中略)というわけで、(70年代当時)鳴り物入りで上陸したロマンチックなスペースファンタジーを期待して見た私は主役三人の顔を見ただけで凍ってしまった。


ていうか、それなりのルックスの若い女の子が、あれだけしっかりメイクしてお姫様ルックで出てくれば、それなりにかわいくきれいに見えない方がおかしいと思うが、この人はラバが服着て出てきたみたいに見えてしまう。


悪役大好きな私だが、ダース・ベイダーもぜんぜん怖くなくていかにもこけおどしなのに引いたし、いちばんかんじんなルークとの父子対決のところが、結局は「助けて、父さん!」「やめろおおお!」(と言ってルークを助けて死ぬ)で終わるのにどっ白けで、おかげでシリーズ全体が嫌いになった。

こっち(オリジナル三部作)は見るつもりなかったんだけど、そう言えばこのトリロジーは1997年に大幅な修正が行われてたんだ(その後もDVD化やBD化に際してやってる)と思い出して、見てみる気になった。

先にそっちの話をしてしまうか。変更点はずいぶん細かいところまでいろいろあるようだが、いちばん目立つのは大量のCGが追加されて、前にはなかった背景があったり、宇宙船や宇宙人の数が増えてたりすることだろう。それにオリジナルにはなかった(当時に技術では撮れなかった)追加シーンもけっこうある。
それで見ての感想は、私が見たのとはずいぶん違ってて、DVDでディレクターズカットを見ているような気分だ。もちろんこれは普段から歓迎しているんだが、なにしろ40年前なんで、追加シーンに関しては今さらこんなもの見せられても、なんか知ってるようで知らない映画か偽物に見えてしまう。

それと心配はしていたが、やはりオリジナルとの乖離がすごい。特に昔のフィルムに新しくCGキャラクターを加えた場面は明らかに鮮明さが違って浮いてるんだが。というより、現在の映画を見慣れた目には、古い部分の方が作り物臭くて、素人が作ったクソコラみたいに見えてしまうのが難点。まあ、将来は役者も全部CGで作れるようになるだろうから、まるごとリメイクするって手もあるかもね。
とりあえず、今の観客には古いままでは受け入れられないだろうし、修正はしょうがないとは思う。唯一我慢できなかったのは、6のラストで死んでしまったヨーダ、オビ=ワン、アナキンの幽霊、じゃなかった、霊体が並んで出てくるところで、アナキンの顔がヘイデン・クリステンセンに変えられているところ。
もちろんエピソード1から見る人もいるだろうし、それとの整合性を取るためなのはわかってるが、このときは生まれてもいなかったヘイデンが映ってるのは、オリジナルを見た者にとっては違和感がありすぎで、それこそ幽霊でも見たような感じでちょっとぞっとした

さて、とりあえず私にとって『スター・ウォーズ』旧三部作の最大の思い出と言えば、「主役三人がありえないほどの不細工!」ということに尽きる。いや、悪口のつもりじゃないっす。リアルタイムで見たときの正直な感想です。というか、40年の間にかなり記憶も劣化しているから、本当に見たときどう思ったかは(古い日記を発掘しないと)正確には思い出せないが、この記憶だけは鮮明に残ったというぐらい印象が強烈だったんで。
前述のように、新三部作の主役級はみんなかっこよかったんで、あれがどうも『スター・ウォーズ』らしくないと感じたのはこれもあるかも。あのカップルからどうしてこんな奇形の双子が生まれるんだよ! 暗黒面の力か?! というわけで、(70年代当時)鳴り物入りで上陸したロマンチックなスペースファンタジーを期待して見た私は主役三人の顔を見ただけで凍ってしまった。

starwars06ハン・ソロ=ハリソン・フォード単なる土方顔のおっさんというだけだから、ぜんぜんヒーローってガラじゃないけどまだ良かった。それと、アウトローなのにヒーローというキャラがわりと好きで、その意味セクシーだとは思った。だからその後この三人の中でフォードだけが「スター」として映画界に残ったのはすごくわかる。
一方、女子に大人気だったルーク=マーク・ハミルは金髪前髪・青い目補正がかかってるからかわいっぽく見えるだけで、中味はただの貧相なおっさんだなあと思ったが、実際素顔はそうだった。なんかアメリカでウェイターとかガソリンスタンド従業員とかによくいそうな顔。ジェダイにもヒーローにも王子様にも見えません。

でも男二人がかすむぐらいインパクトがあったのがキャリー・フィッシャー。以下、死者に鞭打つみたいに聞こえるかもしれませんが、あくまでも正直な印象述べてるだけなので、ファンの人(がいるなら)ごめん。(そういや、私より年下の人が死ぬような年になっちゃったんだなー、私も)

彼女は典型的な親の七光で役を得た女優で(父親は歌手のエディ・フィッシャー、母親は女優のデビー・レイノルズ。どっちも超有名スター)、両親は美男美女(デビーはちょいアレだが)なのに、どうして娘はこうなったのかと思えるが、実際はけっこうよくいる残念なタイプの二世女優。
それももっとわかりやすいブスならまだしも、このなんとも言えない微妙さが見る人を不安な気持ちにさせる。(以下、すべて旧作当時の話です)

若い頃からババア顔、下ぶくれでふっくらしてるのに奥目で骸骨みたいな顔、顔がふくれっ面だから太ってるのかと思うと、実は体は痩せてる、のになぜかだらしないたるんだ感じの体。背は極端に低いのに、長身のハン・ソロと同じぐらいでかい顔に胴長短足のプロポーション。
ていうか、それなりのルックスの若い女の子が、あれだけしっかりメイクしてお姫様ルックで出てくれば、それなりにかわいくきれいに見えない方がおかしいと思うが、この人はラバが服着て出てきたみたいに見えてしまう。その証拠写真。とりあえず新旧三部作のヒロイン三人を並べてみるとこの差は歴然。

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『スター・ウォーズ』の新旧ヒロイン 左からキャリー・フィッシャー、ナタリー・ポートマン、デイジー・リドリー

わざとブスに見える写真選んだわけじゃないよ。これはプロモ・フォトだから、むしろプロのカメラマンが最大限に美人に撮ってこれですから。まあ、ナタリー・ポートマンと並べば誰だってブスにしか見えないと思うとかわいそうだし、あのメイクもひどいけど。右の二人と並べてみればわかると思うけど、化粧が濃すぎるんだよね。目の回り真っ黒だし、たれ目だからパンダみたいになっちゃうし。
あと化粧について言えば、自然に日焼けした小麦色の肌が美しいとされる現代と違って、この頃はアメリカでもまだ白塗りがいいとされてたのがよくわかる。(日本では美白だのなんだの言って、まだその傾向が残っているが、マジで神経わからん)

とにかくそれを思うとちょっとかわいそうな気もする。この人なんて生まれたときから華やかなハリウッドの真ん中で育って、当然周囲は美男美女ばかりだろうし、ブスに生まれたことにはコンプレックスがあっただろう。それで外人見てるとはっきりわかるけど、コンプレックスある人ほど化粧が濃いんだよね。たぶんそのせいだろうなあと。そういや、最近日本でも目の回り真っ黒、どころか(目を大きく見せようと)目の外側に目を描くようなメイクが流行ってるが、あれも痛ましいね。ああ、これ以上やるとどこかかから文句が来そうだからやめるけど。

でもまだ言っちゃうとコスチュームもひどい。そういや、最近のヒロインって、ゲームでも映画でも右の二人みたいな格好してるよね。それにくらべレイア姫は寝間着みたいな着物きせられてかわいそう。別に70年代の衣装がダサかったわけじゃないよ。この映画のコスチュームが致命的にダサかっただけだから。ルークは柔道着だし、ハン・ソロはちゃんちゃんこ着てるし(笑)。おかげで当時の少年たちは『スター・ウォーズ』ごっこをするとき衣装では困らなかったけど。

とにかく今にして思えば、「いやしくもスクリーンにでかい面をさらすからには映画スターは美男美女以外認めない!」という私の持論はこの辺で形作られたんじゃなかろうかと。(舞台俳優や声優は声が命でむしろ顔はどうでもいい) とにかく(男二人も含めた)この顔がスクリーンでアップになるたび、心臓が止まりそうになりましたからね。

それだけでもすごいのに、『ジェダイの帰還』で奴隷女ルックで出てきたときは本当に卒倒しそうになった。私にももう何が起こったのかよくわからない。普通ならすごいエロい劣情をそそる格好だと思うんだけど、この人がこのスタイルでしなを作ると、なんか絶対見てはいけないもの(児童ポルノとか死体陵辱写真とか)を見てしまったような気がして、今でも目を背けずにはいられない。男性はこんなんでも欲情できるんでしょうかねえ、だとしたらすごすぎる。あと、囚われのヒロインは(捕らえたのがたとえモンスターでも)ハーレムルックという発想そのものが前世紀、どころか前前世紀の遺物ですごすぎる。

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「どっちがお姫様?」というのはかわいそうだから言わないでおこう

というわけで、SFともファンタジーともまるで関係ない部分の印象が強すぎて、お話はほんとどうでもよかったというのが感想。もう今さらいちいち言うまでもない子供だましとかご都合主義とかは後のシリーズでもまるで変わってないしね。
旧三部作だけでもつじつまが合わないところだらけなんで、これがプリクエルとかシークエルとかになったら矛盾だらけのはずだけど、そういうのを掘り出してチクチク言うのは好きな人に任せておく。
でもつい言いたくなるので、ちょっと突っつくと、ヨーダとともに戦ったはずのチューバッカを相棒にしているソロがフォースの存在を信じてないとか、これは7だけど、小さい頃にさらわれて兵士として訓練されたフィンが、どう見ても30ぐらいになってるのにこれが初めての戦闘だと言ってるとか、自ら望んで失踪した人が「ルークの居場所」って地図作ってばらまいてるとか(笑)。

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主役とくらべて、かっこよすぎるアレック・ギネスとピーター・カッシング

逆にこのシリーズで何かいいところってあったかしら?(必死で考える) アレック・ギネスピーター・カッシングはかっこよくて好きだった。どうも私の「イギリス男はじじいになってからのほうがイケる」という信念もここらで形作られたらしい。

だけど、そもそもフォースって何なのかとか、ジェダイのどこがえらいのかがさっぱりわかんないので、あんまり乗れなかった。ヨーダに至っては、今のようにオールCGというわけにいかなかったので、この当時は不細工なぬいぐるみ背中におぶって跳ね回るルークに失笑しただけだったし。
ハン・ソロも前述のようにある意味かっこよかった。だけど、あの顔で絵に描いたようなツンデレのレイアがうざすぎてラブストーリー部分にはまったく乗れず。
悪役大好きな私だが、ダース・ベイダーもぜんぜん怖くなくていかにもこけおどしなのに引いたし、いちばんかんじんなルークとの父子対決のところが、結局は「助けて、父さん!」「やめろおおお!」(と言ってルークを助けて死ぬ)で終わるのにどっ白けで、おかげでシリーズ全体が嫌いになった。
こうやって書いてみるとなんか何もいいとこないじゃねーか! ああ、もちろんC-3POとR2-D2は好きだったよ。イウォークみたいに露骨にお子様受けを狙ってかわいぶったキャラは嫌いだったけど。

なんだよ、これ? 上に「世評ほどすごいとは思わないけど、それなりに楽しめた」なんて書いたけど、これがすでに思い出補正で美化されてただけで、そういえば初めて見たときもこんなような悪口書いてた気がする。

最初は『スター・ウォーズ』と『ハリー・ポッター』の全シリーズを並べてバカにしようと思って始めたが、こうやって並べてみると、『ハリー・ポッター』が偉大な映画に思えてきたぞ。まあそれも当然で、『ハリー・ポッター』には「腐っても英国映画」という取り柄があるし、「腐っても原作あり」という取り柄もあるからね。
とにかく脚本アホすぎ、監督もアホすぎ、なんでこれがこんなに受けたのかは知らないが、この後はスタジオが「映画はこのぐらいアホなほうが受ける」と学んでしまって、アメリカ映画全体がどんどんバカになっていった戦犯のような気がしてきた。

P.S. タイトルを付けていて気が付いたが、『新たなる希望』ってなんじゃい?と思ったら、いつのまにかエピソード4(つまり最初の『スター・ウォーズ』)に昔はなかった副題が付いてる! 『スター・ウォーズ』は『スター・ウォーズ』だろうが! って、オールドファンは怒らないのか?

おまけ 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

でもってこれは今のところ最新作のエピソード7。実は6まではすでに話も知ってたし、驚きは何もなかった。でもこれは完全に「初めてのスター・ウォーズ」になるので、それなりに楽しみにしていた。なのになんでおまけ扱いかというと、ハードディスクがいっぱいなのを忘れて録画に失敗して最初の1時間しか見れなかったから。
でも1時間見たらいやになったので別に見れなくても良かったというだけであとはお察しの通り。まあ、ここからルーカス・フィルムがディズニーに買われたってことは、シリーズそのものが暗黒面に墜ちたんで(笑)ダメでも何も驚かないけど。

何より、ほとんどエピソード4(最初の『スター・ウォーズ』)の焼き直しなのが気になった。これってシークエルだと思ってたけどリメイク?というぐらいそっくり。単に世代が子供の世代になっただけ。よって、死んだダース・ベイダーの代わりはハン・ソロとレイアの息子のカイロ・レン(アダム・ドライバー)。ルークが次世代のジェダイとして特訓している途中に暗黒面に落ちちゃっただけ。
ってまたそれをやるのかよ! もうそれでさんざん失敗してるのに、ジェダイどこまで無能なんだよ! それでルークの子供の双子と戦うのかよ!と思ったら、さすがにそこまではパクらなかったけど。でもレンはまたもデススターを作ってるらしい。またかよ! こっちも二度も失敗して学習しないのかよ! というわけで、懲りない人々が性懲りもなく同じことやってるだけ

ただしいい面もないではなくて、初代の三人が40年後の姿で揃って出演しているというのは、ファンでなくてもちょっとジーンとした。おもしろいことにハリソン・フォードは単に老けただけなのに、キャリー・フィッシャーとマーク・ハミルは元がアレだっただけに、むしろ年とったほうがまともに見える。と最初は思ったが、やっぱりこうやって昔と並べてみるとあれか。

starwars08でもこの人たちなんて、とっくの昔に過去の栄光に溺れて身を持ち崩してこの世界から消えたと思ってましたよ。(キャリー・フィッシャーはそうだったらしいが立ち直った)
とりあえずハン・ソロがお爺さんになってもまったく成長してなくて、借金踏み倒してギャングに追われるだめ男のまんまだったのはうれしかった。
なつかしいと言えば、最初にちらっと顔見せだけだったけど、マックス・フォン=シドーが出てたんで驚いた。いや、この人はなんかもう大昔からすごい高齢の老人役ばっかりで、もうとっくに死んでるような気がしてたので。(『エクソシスト』のメリン神父の印象が強すぎたわね) だからてっきり死んだ人が出てきたと思って、それこそCGかと思った。

さらにジジババだけではなんなので、新たな若い主役にレイ(デイジー・リドリー)フィン(ジョン・ボイエガ)。黒人のフィン(フィン?と、『アドベンチャー・タイム』にぞっこんの私は突っかかる)は何もおもしろみのない平凡な役だが、イギリス人のレイはナタリーほど美人じゃないがかわいいし、りりしいし、かっこよくて好き。お姫様然としたナタリーより、野性味があってアクションもできるのがいい。どうやら彼女が新たなフォースの担い手らしく、するとやっぱり双子だったの??
実はレンの両親はまだ秘密ってことになってるが、どうもルークの子供らしいけどね。だったら母親は誰なのかとかなんで捨てられたのかとか謎は残るけど。とりあえず、初めて主人公を女性にしたのは当然の流れだし、美人でよかった。
というわけでなんかこの調子で次も見ちゃうんだろうなあ。

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