【映画評】ロドリゲス&タランティーノ特集その1 ロバート・ロドリゲス/フランク・ミラー 『シン・シティ 復讐の女神』(2014)

♠ それが例によって自分が書いたこともすべて忘れてるからさ、(最初の『シン・シティ』のリビューを)読み返してけっこう感動したよ。
♦ どこに?
♠ こちらが音楽好きの50代の女教師ということしか知らない、会ったこともない海外の男友達に、「人の両手両足切り落としてダルマにして犬に食わせたり、『武装解除』とか言って、レイピストのチンポを素手でむしり取ったりする映画」が好きだとバレてたところに。


♠ こういうの見るとおっさんの考え方がよくわかっておもしろいじゃん。
♦ 彼らにとって世の中にはエロくてかわいい若い女しか存在しなくて、そういう女は鬼瓦みたいな顔したデブジジイを見ると「男らしくってステキ!」とすり寄ってきて、それでもって、売春婦やストリッパーはみんな心優しく情に厚い聖女で、戦うとめちゃ強いと。

ロドリゲス&タランティーノ特集もくじ

その1 ロバート・ロドリゲス/フランク・ミラー 『シン・シティ 復讐の女神』(2014)
その2 ロバート・ロドリゲス 『プラネット・テラー in グラインドハウス』 (2007)
その3 クエンティン・タランティーノ 『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)

♠ ああ? なんでこんなクズ映画に4人も揃う必要があるの?
♥ 実はメインはタランティーノの『グラインドハウス』なのよ。それであれってワイルドな女の子たちが暴れるビッチ・ムービーだから、こっちもいちおうそれに敬意を表して。
♣ 女の子たちがどうでもいいようなことをペチャクチャしゃべる映画でもある。その意味では合ってる。
♦ タランティーノに敬意なんて表したくないんですけど! ロドリゲスは言うに及ばず。
♥ まあ、そう言わずと付き合ってよ。
♠ だから私は忙しすぎるんで、ゴミに使う時間なんかないんだって!
♣ ちなみになんでこの作品からかというと、最初にこれを見ちゃったのがきっかけで、「これならタランティーノのほうがまだましだ」と思ったので、長年録画だけして放ってあった『グラインドハウス』を見てしまったというのが理由。だから明らかにこれはつまんないんだけど、あくまで前座として。
♦ だからと言って『グラインドハウス』がおもしろいというわけじゃありませんけどね。

♦ なんで私がこんな‥‥(ぶつぶつ)
♣ 『シン・シティ』の一作目については書いたよね。
♠ ここの2006年8月30日にある。
♥ このページにはあの超傑作『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』のリビューがあるじゃない! こういうのはちゃんとブログに転載しておきたい。
♦ それは事実。実は『トゥインクル』の監督のウィリアム・ピーター・ブラッティが亡くなったので、その追悼を書きたくてリビューを捜してたんだけど、死ぬほど好きな『エクソシスト3』のリビューがどうしても見つからないのよ。書いてないはずないし、書いたこともはっきり覚えてるのに。
♣ 前にも『スクリーム』のリビューが見つからないと言ってたし、どうもサイトを引っ越ししたり、パソコン間の移動をしたりしている隙に消えちゃったのがあるみたい
♠ それだけは絶対やっちゃならんことじゃない! だからアナログからデジタルの以降にはあれだけ気を使ったのに! 絶対復元できないんだから!
♥ でもネットに上げておけばなくなるって可能性はまずないから、ほんとはあるだけの日記全部上げたいんだよね。埋もれた傑作も数あるし。
♦ でもどうせ上げるからには写真とか入れてちゃんとした形にしたいし。
♣ とか言いつつ、写真探しや参考資料を読むだけで何週間もかけてるもんだから、いっこうに進まない。
♠ とりあえずオンラインストレージにでも上げとけよ。
♥ それがいいんだけど、おびただしいファイルがうちのパソコンの中でもあっちこっちに散乱してて(笑)。
♣ マジで事務能力皆無の人だからね。

♦ 最初から脱線してるが、それで『シン・シティ』の一作目がどうしたって?
♠ それが例によって自分が書いたこともすべて忘れてるからさ、読み返してけっこう感動したよ
♦ どこに?
♠ こちらが音楽好きの50代の女教師ということしか知らない、会ったこともない海外の男友達(あそこで書いてるカナダのスコットのことです)に、「人の両手両足切り落としてダルマにして犬に食わせたり、『武装解除』とか言って、レイピストのチンポを素手でむしり取ったりする映画」が好きだとバレてたところに。
♦ 好きなのかよ!!!
♣ いきなりこの特集にふさわしい、香ばしい話題ですこと。
♥ すっげえ! 今考えるとよけいありえない気がしてなんかすげえ。

♣ それであの映画に関しては私がスコットに送った感想

Graphics are great but the story is, well, typial boys’ fantasy, all muscles and no brain.
(絵は確かにすごいけど、お話はまあ、典型的な男の子のファンタジー。筋肉たっぷり脳みそゼロの)

が、ズバリすべてを言い得てると思うな。
♥ それはこの二作目でもまったく変わってないね。同じ原作者・同じ監督だから当然だけど。
♠ 今回はタランティーノは関与してなくて、ロドリゲスとフランク・ミラーの共同監督だけどね。
♦ 変わったとすれば、多少カラーが増えたのと‥‥
♥ クライブ・オーウェンがジョシュ・ブローリンに変わった。クライブ・オーウェンはイギリス人だし、まあまあハンサムだったのに、ジョシュ・ブローリンみたいな醜男に!
♠ あと、暴力表現がかなりおとなしくなったぐらいか。がっかりだよ。それしか見所ない映画なのに。
♣ せいぜい目玉を指でほじくり出すところぐらいだったね。
♠ と言うとすごそうだが、モノクロだし、見るからに作り物っぽいので別にたいしたことない。
♦ そんなにダルマやチンポむしりが見たいか?

♥ とにかくそれ以外、どっちがどっちかわからないぐらい同じような話だよね。やっぱりオムニバス風にいくつかの話がまざってて、タフガイが女の子のために命張る話で。
♣ 今回は殺されたブルース・ウィリスの弔い合戦を女の子がやるってところが新しいぐらいかね。
♠ まあ話はどれも同じだからグラフィックと役者ぐらいしか見るものがないんだけどさ、じゃあ、売り物のグラフィックは?
♦ そりゃ同じに決まってるので言うことがない。
♠ あの白い血はやっぱり抵抗あるなあ。1で書いたようにそうでなきゃ真っ黒な画面に黒い血で見えないという実利的な理由だろうが、今回これだけ色付けるなら、最初に色付けるべきは血だろう?
♣ 切られたり撃たれるたんびにミルクが飛び散る(笑)。
♥ あー、切られるとイっちゃう?(笑)
♦ 下品!

♦ じゃあ役者だ。
♠ 男はまず、前作に続いてミッキー・ローク
♥ かつてのスケコマシがこうなったという最初の衝撃のあとはべつに。もともとなんの魅力も感じなかったし。
♠ 『エンゼル・ハート』だけは映画が良すぎたのでちょっとあれだったけど。
♦ ブルース・ウィリスは死んでるんだけど幽霊(幻覚)として登場。
♣ ブルースは『ダイハード』以前から好きだった役者。年取っても渋くていいけど出番少なすぎ。
♦ ジョシュ・ブローリンは? 整形して顔が変わったという設定らしいけど。
♥ 醜男は死ね。

♠ もうひとりの主役級はジョセフ・ゴードン=レヴィット
♥ チビの優男だから、もともとなんでこの映画に出てきたのかわからないんだけど、実際さんざん痛めつけられたあげくに死ぬだけの役で笑った。
♣ チビって彼は176cmですけど。
♥ 男の180cm以下はチビに決まってるだろうが。特にこういう映画では。
♦ それ言ったらアメリカの男優の半分以上がチビだよ(笑)。英国じゃ6フィート(183cm)以下の男優なんてほとんどいないのに。
♣ 他がデブなのに彼だけヒョロガリだから、よけい小さく見えるのかも。

♦ 女優は?
♥ 邦題の「復讐の女神」や原題の“A Dame to Kill for”はこの人のことだろうから、全編を通しての主役扱いはエヴァ・グリーンなんだろうけど、この女が気に食わないのが、この映画の最大の欠点かな。
♦ フランス人で、『雨の訪問者』のマルレーヌ・ジョベールの娘。美人だし、もちろんスタイルもいいんだが‥‥
♠ フランス人ってなんでああいう半分溶けかかったみたいなトローンとした眠そうな顔した女が多いの?
♦ そういうところが男にとってはそそるんでは? 触れなば落ちんという感じで。
♣ ふーん? 私はやっぱり女もアングロサクソンのほうが好きだな。大陸系はいかにも大味で鈍そうに見える

エロいことはエロいけどやっぱりあまり好みじゃないエヴァ・グリーン

♥ まあ、ルックスはこれでいいとしても、稀代の悪女っていう設定でしょ、これ? 私は悪女は大好きなのに、その悪女ぶりが吐き気がするほど嫌い
♦ 要するにか弱い女のふりをして、男に取り入って手玉に取るというだけだからね。
♠ しかも相手役の男はどれも、ちょっと媚態を見せられただけでホイホイ飛びついて腰を振る、サカリのついた犬みたいな奴だけだから、釣り合いはとれてるね。
♣ どうでもいいとしか。
♦ ジェシカ・アルバは前作に続いての出演。
♥ この子はかわいらしい感じの、どっちかというとロリ系のブロンドなんだが、今回は「戦う女」になる都合上、髪を黒く染めて短く切り、見るからに貼り付けただけの傷跡だらけのゴス少女風。
♣ コスプレ?
♠ 『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベットかよ! 少しはノオミ・ラパスを見習えよ!
♣ ぜんぜん強そうにも機敏そうにも見えないのがなんともね。
♠ 他の女は?
♦ あとはいつものフッカー軍団でしょ。誰が誰かも知らん。
♣ そう言えば前のリビューで、「こんど変な日本人女が日本刀持って出てきたら殺す」とか言ってたけど?(笑)
♠ 出たね。しかも今度は刀だけじゃなく弓を引く(笑)。
♥ しかも日系人(デヴォン青木)じゃなく韓国系(ジェイミー・チャン)に変わってるからもう本当にどうでもいい。殺す価値もない。

♦ 「男の子のファンタジー」って書いたけど、見てたらやっぱりこれはおっさんのファンタジーだと思えてきたな。
♥ そりゃ作ってるのおっさんたちだし。
♠ そりゃマンガだしファンタジーだからしょうがないとは言っても、デブのおっさんがあんなに強いわけないし、ただの売春婦にあんな戦闘力あるわけないと思うと白けるよね。
♣ しかもそれらしく見せようという努力すらしてないからね。ワイヤでビュンビュン跳ね回るカンフー映画をバカにしたけど、いちおうあれやってる中国人は鍛え抜かれたプロだけど、こっちは動きも鈍重だし、なのにさわっただけで相手が吹っ飛ぶ
♦ 私はアクション映画は原則として嫌いだけど、アクション映画としてもこれは駄作でしょ。
♣ その点、ジョセフ・ゴードン=レヴィットだけはひ弱なところまでリアルだから、彼がいちばんまともに見える。
♠ こいつ変な役者だよな。アメリカ人の好む男優の対極っていう感じだし、もちろんハンサムでもかっこよくもないのに、なぜかけっこういい役が付いてる。演技派って感じでもないし。
♥ 「平たい顔」のせいか日本人にも見えるよね。
♣ ある意味ほかにいないタイプだから重宝がられてるのでは?
♠ 彼が指を全部折られるところなんか、下手な暴力描写よりよっぽど痛そうで良かった。
♦ でも彼はやっぱりいい役者だよ。話がヘボなだけで役者としては見応えあった。

♥ とにかく「強い女」マニアから見ると、これほど不快でアホくさい映画はないわな。
♠ こういうの見るとおっさんの考え方がよくわかっておもしろいじゃん。
♦ 彼らにとって世の中にはエロくてかわいい若い女しか存在しなくて、そういう女は鬼瓦みたいな顔したデブジジイを見ると「男らしくってステキ!」とすり寄ってきて、それでもって、売春婦やストリッパーはみんな心優しく情に厚い聖女で、戦うとめちゃ強いと。
♣ 現実が見えてなさすぎる! 男を欺して金を搾り取るという点では、エヴァがやってることとまるでいっしょなのに。
♦ しかもこういうアメリカの場末の売春婦というのは、ご面相といい、性格といい、完全に人間やめてる化け物揃いじゃない。どーしてこういう発想が生まれるのか聞いてみたいわ。

♣ なんかあれだね。普通なら見聞きすることのないおっさんの内面を垣間見る感じっていうか。ほら、今もあるか知らないけど飯場とかに置いてあるエロ漫画誌の世界というか。(なんでそんなの知ってるかというと、昔バンド仲間が金に困って土方をやってたからである)
♦ ヤクザ漫画とかヤンキー漫画が好きな人の気持ちってわからんのだけど、そういう人が好きそうな話。
♠ 知らないどころか、私の周囲のおっさんはみんなそんな感じだけど? ヤクザ好きっていうんじゃなく、都合のいいエロ・ファンタジーの世界に生きてるって意味では。
♦ エロ漫画自体がアメリカにはなかったから新鮮に見えるのかねえ?
♥ だからアメリカでそれに相当するのが、次に取り上げるグラインドハウスだったんじゃないの?
♣ というところで、パート2のロバート・ロドリゲス 『プラネット・テラー in グラインドハウス』 (2007)につづく。

 

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