★★【映画評】アンドルー・アダムソン『ナルニア国物語第2章 カスピアン王子の角笛』 (2008) The Chronicles of Narnia: Prince Caspian

♥ というわけで、ここに書いたように、トールキンは最後まで力入れて書いたのにルイスは無視ってのもひどすぎるというので、けじめのためにしかたなくやります。
♣ 何もそこまで嫌わなくても。確かに出来はよくないが、それでも他のくだらないお子様向け映画よりは、少しは見るものもあると思うよ。
♥ だから役者だけはいいって前も書いたじゃん。これもカスピアンがベン・バーンズじゃなかったら絶対見なかった。せっかくのすばらしい思い出を汚されるだけだから。

相変わらずの安っぽさ

♣ これは前作『ライオンと魔女』の3年後に封切られたシリーズ2作目。この頃はいちおうまだ全部撮るはずだったんだね。
♥ でも3年ペースじゃ7作目を撮り終わる頃には子供らは中年になってしまう!と心配してた。
♣ 監督も1作目と同じアンドルー・アダムソンでスタッフもほぼ同じディズニー映画。

♥ だから予想はしてたけどさ、のっけから安っぽい作り物の城に安っぽい作り物の森で、もうげんなり。
♣ しかもその城の後ろに花火が上がるのを見て、(ディズニーのシンボルの)シンデレラ城にしか見えなくなった。
♥ ちなみにシンデレラ城は私にとっては、ダサいエセヨーロッパのシンボル。最初だけじゃなく最後にも同じ構図が繰り返されるところをみると、あれは明らかにスポンサーに対するごますり
♣ この安っぽさと嘘くささはもう狙ってやってるとしか思えないね。今どきどんな低予算のファンタジーでも、CGぐらいはもうちょっとちゃんとしてない?
♥ 犯人は誰なんだ? 監督? 配給会社? SFXチーム?
♣ 全部だめだけど結局はスポンサーでしょ。スポンサーが首を縦に振らなきゃ何もできないんだから。
♥ こういうのを見ると本当にイギリスとアメリカの違いがわかるね。いくらイギリス人役者使ってイギリスっぽく見せかけても、根本理念が違うんだよ。子供だからこそ本物を与えなくてはならないと考えるイギリスと(英国児童文学に傑作が多いのはそのせい)、子供には安ピカのケバケバしい色のプラスチックのおもちゃでいいというアメリカと。

カスピアンの年齢の矛盾

♣ それはそうなんだけど、BBCのあれがあるから、ナルニアに関してはイギリスもあまり威張れないような。
♥ いつの時代のドラマだと思ってるんだよ! あの時代にはSFXはあれが精一杯だったっての。クリーチャー以外はいいってあそこにも書いたでしょ。
♣ でもBBC版はカスピアンからしてこれだから(笑)。

BBCテレビ版のカスピアン王子

こちらがディズニー版カスピアン王子

♥ 笑うなよ。そりゃ私もベン・バーンズのほうがいいが、原作に忠実ってことでは映画の配役もおかしいよ。年食いすぎ! どう見てもピーターより年上じゃん。
♣ ポーリーン・ベインズの挿絵でもカスピアンはわりと背が高くて大人っぽくなかったっけ?
♥ だったら、なんで最後の決闘でピーターが戦うんだよ! カスピアンの親の仇なんだから、本来なら彼が戦うところでしょ。もちろんカスピアンはその気だったけど、「子供だから」というので止められたんじゃない。
♣ ハッ! そう言えばそうだった。なのに映画じゃ明らかにピーターが子供でカスピアンは大人。大人の身代わりに子供が戦う話になってる!
♥ 私はピーターが戦うと知って、見ながらええっ?と思ったよ。べつに年齢の違いぐらいいいけど、それならそれに合わせて脚本書き換えなきゃ変でしょう。

セントールの造形の話

♣ でもBBCとは決定的な違いになるはずのクリーチャーもわりとヘボくない? これは『ライオンと魔女』でも思ったけど。
♥ アスランなんてたいして変わらなかったしね。
♣ タムナスさんが良かったから良くできてるような気がしただけで、セントールとかひどくない?
♥ セントール自体がもともと無理のありすぎるキメラだからねえ。馬の首の代わりに人間の胴体が生えてるというのは。
♣ 想像するとグロいよね(笑)。
♥ 特に無理が生じるのは結合部。人間の性器のあたりが馬の胸になってしまうので。
♣ ジョン・ヴァーリー(SF作家)のセントールは前後に性器があったんだけど、普通は人間の性器はなくてツルツルだからなんか去勢された男みたいに見えるし。
♥ 『ライオンと魔女』は股間(?)まで覆う鎧を着けていたからあまり気にならなかったんだけど、今回のセントールの鎧は人間の胸を覆うだけで、下は裸なんでますますヤバい感じになっている。

♥ それはしょうがないとしても腰と胸だからつながり方が変になる。なんか腰から下がぼてっと太った人間みたいで。馬の胸は筋肉が発達してるからね。それが太鼓腹みたいに見えちゃって。
♣ イラストだとそこらへんはデフォルメで乗り切るんだけど、生きた人間との合成だからなあ。
♥ いや、イラストでもめちゃくちゃ変だよ、と、今回セントールのイラストや写真を集めてみて思った。
♣ それペガサスのときも言ってなかった? さすが馬にはうるさい。
♥ だからペガサスも同じ。こういうキメラ生物って絶対変になるんだけど、人間が混じると最悪という見本。
♣ あと、人間と馬とではサイズが違いすぎる(頭の大きさだけで人間の上半身ぐらいある)ので、そのまま合成するとすごい変なので、サイズを合わせると今度は馬がポニーみたいになってしまう。
♥ 挿絵を見るとわかるように明らかにポニーサイズでしょ。これは『パーシー・ジャクソン』のセントールだけど、馬部分を人間に合わせて縮小したため、短足のポニーになってしまっている

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のセントール

♣ これは人間の足を馬の前足と合わせてるんだよね。ところがナルニアは本物の馬サイズにしてるんだけど、それなら人間部分は巨人にならないとおかしいのに、そうじゃない。全身写真がほとんどないのでわかりにくいと思うけど。
♥ それより人間の股の、さらに下に馬の胸がついているんで、なんだかすごい胴長に見える。
♣ 顔も分厚いメイクで人間と言うよりモンスターっぽくなってるし。
♥ セントールって人間部分は美男美女だと思っていたので、この蛮族みたいなセントールにはうんざり。しかも馬の胴体の太さを人間の腰の太さに合わせてるので、今度は馬の胴体がとんでもなく細長くなってしまってヘビに足が生えてるみたいだ。
♣ 子供セントールはかわいかったけどね。あのぐらいのサイズだとむしろ違和感がなくて。
♥ グリフォンも変だったし、やっぱりキメラ動物の実写化は無理があるというのがよくわかった。

クリーチャーにがっかり

♣ そうでなくても、この映画のクリーチャーのがっかり感ってなんなんだろうと思ってたんだけど。BBCの着ぐるみはあんまりだったんで、今度こそ最新技術で作られた獣やクリーチャーが画面いっぱいに活躍するのを期待していたのに。
♥ う~ん、セントールがちょっとあれなのと、アスランが代わり映えしないのを除けば、デザインはそこそこいいんだが。
♣ ちなみに私は(モンスターもだが)クリーチャー大好き人間で、どんなくだらない映画でもクリーチャーが出てるだけでつい見てしまう、『ハリー・ポッター』でも見てしまうぐらい好きなのに。

♣ そう言えばナルニアって主人公である子供たち以外、人間の存在しない世界じゃない。その意味、まさに私の理想なんだけど。
♥ その子供たちも大人になったらもう入れない。確かにこの手の映画では通常、人間のドラマは飛ばしてクリーチャーや動物だけ見てる私には理想の世界なんだよね。
♣ (王家を除けば)ものいうけものと、それ以外は神話上の生物だけが住む国なんだから、映画は不思議なクリーチャーがいっぱいの魔法の国が見れると期待してたんだよね。そのわりにクリーチャー少ない感じがしない?
♥ いちおうナルニアには他に人間はいないような気がするけど。カスピアンを初めとするテルマール人は他国人だし、次の『朝びらき丸』もテルマールの船で外国を巡る話だから人間も登場するけど。
♣ だけどクリーチャーがすごい少ない感じがする。「ものいうけもの」なんてもっと大量に登場するかと思っていたのに、もっぱら出てくるのはセントールとフォーンとドワーフで、彼らは顔は人間だから、ガヤとして出てきたときなんか人間が集まってるみたいだし。

♥ それよりやっぱり全体の雰囲気の問題だと思う。少しもファンタジックじゃなくて夢がない世界だから、せっかくクリーチャーが出ててもピンとこない感じ。『ライオンと魔女』でナルニアに見えないと言ったのもそこのこと。形だけそれらしく整えても魂が入ってないから。
♣ 結局それかねえ。ものいうけものなんて実にディズニー向きだし、誰が見てもかわいいから、もっと大々的にフィーチャーされてると思ったのに、リーピチープを除いては、『ライオン』のビーバーさんと、ここではアナグマの「松露取り」ぐらいしか出てなくない?
♥ そうか、それでか! 上のような写真を見てなんで違和感おぼえるかわかった! 原作だとこういう神話生物よりものいうけもののほうがずっと数が多いんだよね。だからナルニア人集合の場面では必ずあたり一面鳥や獣でいっぱいになるそのシーンがないんだよ!
♣ CG動物いっぱい作るより、人間にメイクするほうが安いのかしら。
♥ なんでアスランがライオンの姿かというと百獣の王だからで、そもそもここは獣たちの国なのに、かんじんの獣がほとんどいない。
♣ それと戦争シーンになるとやたら巨人とミノタウロスが目立ったけど、あの人たち、本来敵じゃなかったっけ?
♥ 最初は白い魔女の手先だったけど改心したんだっけ? だからまあ味方にいてもおかしくはないけど、本来凶悪な、悪に属する生きものだったはず。
♣ ドワーフもどちらかというと悪の印象が強い。もちろん中にはトランプキンみたな味方もいたけど。だからこの軍勢を率いる子供らも、悪の側に見えちゃうんだよ。セントールも凶悪顔だしさ。かわいい動物はいないしさ。
♥ うーん‥‥ディズニーの子供向け映画でこれでいいのか?

楽しいものや美しいものの消えた世界

♣ ますますこれって私の知ってるディズニーと違うとしか思えない。まあ、これがティム・バートン監督作ならわからないでもないけど(笑)。アンドルー・アダムソンってそんなブラックな監督だっけ? 『シュレック』ってそんな話だった?
♥ 寒いギャグは多かったけど、ブラックってことはなく普通におとぎ話してたよ。
♣ なんなんだ、いったい? とにかくナルニアはこの世界じゃ天国にいちばん近い世界で、美しいものや楽しいものでいっぱいの、いかにもファンタジーという世界なのに。(だからしょっちゅう攻め込まれて戦争になってるけど)

♥ 楽しいことで思い出したけど、子供の頃にこのシリーズを読んで、何がいちばん楽しかったかというと、食べ物の出てくるシーンだったのだ。とにかく食べるシーンが楽しそうでおいしそうで、「いいなあ、私も食べたいなあ」とあこがれてたのが今のお茶好き英国料理好きにも通じてるんだが。(英国ではお茶は食べ物である)
♣ 同じことトールキンのところでも言ってたよね。
♥ トールキンのもいいんだけどさ、あっちはやはりかなりリアル路線じゃない。それにくらべ、ルイスの食べ物に対する執着はすごい。必ずどの巻にもご馳走(でなくてもおいしいもの)を食べるシーンが出てくるし、その描写の細かさとおいしそうさでもトールキンの比ではない。
♣ いや、これは作者のっていうより子供の執着に合わせたんだよ。子供って餓鬼だから(笑)食べ物に異様に執着するんだよね。私みたいに実際は食べることが嫌いだった子供ですらそうだった。
♥ と、同時に英国らしさの象徴にも思えるな。どんな緊迫した状況でも、「まあとにかくお茶にしませんか」と言って食べ物が出てくる(笑)。
♣ それでこの作品に出てくる食べ物は、ストーリー以上にしっかり脳裏に刻み込まれてるんだけど、そういうのがぜんぜん再現されてない! 食べないナルニアなんて!
♥ とにかくイギリスの作家はこういう日常シーンを描くのが本当にうまいよね。
♣ それも物語世界に入り込むためには大切なものだから。

♥ 食べるシーンがないと言えば、これも原作には必ず出てくる歌ったり踊ったりお話をしたりのシーンがぜんぶカットされてたね。
♣ 娯楽というものがない世界(苦笑)。白い魔女の支配下ならともかく、解放されてもこれじゃ何が楽しくて生きてるんだかわかりませんな。
♥ で、何度も言うけど、こういうのって映画の得意中の得意技で、それもディズニーならそれを売り物にしてもまったくおかしくないのに、そういう楽しいシーンをなくして何がしたかったかというと‥‥。

バトルものになったナルニア

♥ でもその程度のアラは許せちゃうっていうぐらい、今回はストーリーの改竄がひどい。
♣ 『ライオンと魔女』も原作ではほとんど出ない合戦シーンを無理やり引き延ばして戦争映画みたいにしたことに怒ってましたね。
♥ それを思えば、この『カスピアン王子の角笛』は原作もほとんど政治と戦争の話だから無理がないだろうと思ってたの。
♣ だから原作はシリーズの中でいちばんつまらないんだけどね。魔法要素というか、夢のようなファンタジー要素が少なくて、権謀術数の話だから。
♥ ところがこの作品に合戦シーンなんて出てこないのだ。剣をまじえるのは最後の決闘シーンだけで。どっちかというと謀略と頭脳戦の話だから。
♣ なのに今度も無理やり戦争シーンを作りやがった。
♥ ミラースの城攻め! どっからそんな話が出てくるんだよ! どれだけ好戦的なんだよ、ナルニア!
♣ 何がなんでもバトルものにしなきゃいけないって規則があるんでしょうか?
♥ 日本のマンガやアニメだとあるみたいだからディズニーもそうなのか? 私の知ってるディズニーと違うんだけど。
♣ そういえば最近よく漫画読んでるんだけど、どれもこれも結局はバトルものになるのに白けてるところ。漫画については近いうちに書く。

♣ 好戦的なのは男の子たちだけじゃないんだよね。これと『ライオンと魔女』を見てると、スーザンとルーシーまで好戦的なので驚かない?
♥ 原作だと(時代のせいもあり)女の子たちはあくまで銃後の癒し要員。武器持って戦うなんてことはしないのに、映画だと小さいルーシーはともかく、スーザンが平気で人を殺すのでびっくりした。これはまずいんじゃないの?
♣ 「男勝り」のルーシーは大人になれば武器を取るけどね。まだこの頃は子供だし、スーザンは「女らしい女」の典型なので、大人になっても絶対に戦争に参加したりはしない。
♥ それを言ったらミラースの王妃も、原作では夫の悪企みを知らない善良な人という設定だったのに、映画だとマクベス夫人並みの冷血女になってた。乳飲み子抱えて(笑)。
♣ これだと最後にアスランが当然のように彼女を許すのがおかしくなるよね。改変はいいけど(良くないけど)せめて話の整合性を取ってほしい。

♥ ディズニーというかハリウッドのお約束はバトルと恋愛。これまた元が童話の原作には恋愛要素なんて皆無なんだけど、映画ではこれも無理やりねじ込んできた
♣ カスピアンがスーザンに恋しているという設定? 原作だとカスピアンがスーザンに会うのは最後の最後で、恋なんてしてる暇もないんですけどね。

♥ 『ライオンと魔女』を見たときは、ヘボいのは主にみすぼらしい美術のせいだと思ってたけど、こうやって見てくると、脚本もひどいねえ。
♣ 上に挙げたのは、これだけは許せないし矛盾していると思える致命的な改竄部分なんだけど、それほど重要じゃない、細かい違いは他にもいっぱいあるんだよね。
♥ ストーリーにはさほど影響ないけど、出来事の順序を入れ替えたり、出来事に関係する人物を入れ替えたり、そういう些細な改変がすごいたくさんあるんだよね。『ライオンと魔女』でもそうだった。
♣ それこそ変える意味がわからない。変えたことでどうなるっていうわけでもないのに。
♥ 『LOTR』の成功が証明したのは、原作を変えちゃいけないってことでしょうが! 特にこれほど有名でたくさんの人が読んでる原作をいじりまわすのって、冒涜としか思えないし、なんの意味もない。
♣ だからそれだけ原作に対して何の思い入れもなければ敬意もないんだなあとしか。
♥ 死ねばいいのに!

カスピアン=ベン・バーンズについて

♣ これ以上これを続けていると切れそうなので、唯一の見所である役者の話をしましょう。
♥ まあね。役者は前作よりよかった。役者がいいだけでなんか前のよりいい映画に思えてくる。
♣ じゃあカスピアン王子役のベン・バーンズ(Ben Barnes)からどうぞ。
♥ 前作でも書いたけど、王子様役は王子顔しかやっちゃいけないんで、この人は確かに王子顔だから、年齢の矛盾は許した。
♣ 1981年ロンドン生まれ。身長6フィート1。
♥ 81年?! それじゃこの映画の封切り時27歳? そんな年だったんだ! それじゃ老けて見えるわけだわ。じゃあ、もう30越えてるの?
♣ 今年で36歳。でもまだまだきれいだよ。このタイプは年取っても渋いオヤジになるの確定だし。
♥ えー、でもなんか損した気がしちゃう。マイケル・ファスベンダーも映画デビューが遅かったんで悔しい思いしているのに。
♣ 子役出身でない限り、映画の世界で出世して私の目に触れるのなんてみんな30過ぎだよ。特に英国役者の場合はテレビと舞台が主だから。
♥ でももう少し若い頃を楽しみたかった。

♣ というわけで出演作は少ないんだけど、ニール・ゲイマンのファンタジー『スターダスト』とかに出てた。あとワイルドの『ドリアン・グレイ』で主演している。
♥ ゲーッ! それは見なくちゃ! なにしろ(男の)永遠の若さと美がテーマの話だし。『ドリアン・グレイの肖像』は三度映画化されているけど、その中じゃいちばんの美形じゃない?
♣ かつて美男子の代名詞だったヘルムート・バーガー(1970年版の主役)より美形?
♥ だってあの人はどこからどう見てもゲルマン民族でイギリス人には見えないじゃん。1945年版のハード・ハットフィールドはけっこう美形だったけどね。

♣ まあ、この人が世界一美しい男かどうかは異論があると思うけど、イギリスもよくまあ美形の種が尽きないと思うわ。
♥ そんなにいるか?
♣ ほら、ハリー・ロイドとか、あとはえー、エディー・レッドメインはハンサムというんじゃないがかわいいし。もうちょい年上ならリチャード・アーミティッジやジム・スタージェスがいるじゃない。
♥ とりあえず、イギリス人男優というと(例外を除き)ある程度の美貌と演技力と身長180cm以上と声がいいことはデフォルトで保証付きだからな。マジでアメリカ人役者がいいと思う人って信じられないわ。揃いも揃って下郎顔で。
♣ 下郎顔!(笑) それでも役者に関しては私のアイルランド愛は揺るがないけどね。
♥ 『ゲーム・オブ・スローンズ』はほとんどすべてが完璧だけど、せっかくイギリス人キャストで揃えたのに美青年がいないのだけがくやしいんだよな。ジェイミーは許したけどジョンやロブがあれはないわ。この人なんかジョンにぴったりだったのに!
♣ ほらまた話がそれてる!

♣ 不細工なセントールなんか見ちゃったから、ベンの乗馬姿でも貼っておこう。
♥ 馬に乗ってもかっこいいわあ。こんな不格好な鎧着ててもこんなにスタイルいいなんて‥‥。
♣ とにかくベンはまったく隙のない、セクシーでクールなさわやかイケメンで、もともとかっこいい人が、いちばんかっこいい役をやるんだから当たり前だけど、すてきでした。
♥ おかげでピーターがますますみすぼらしくガキっぽく見えてしまった(笑)。High King of Narniaがこれではちょっと情けない。

テルマール人について

ミラース(左)とグロゼール

♣ そういえばこの映画のテルマール人はイタリア人なんですね。
♥ そうとは言ってないけど、ミラース王(Sergio Castellitto)とグロゼール将軍(Pierfrancesco Favino)というテルマールの主要キャストをどちらもイタリア人がやってるし、国民もラテン顔を揃えてるのでそう見える。ベンも髪と目が黒いのでそう見えないこともないし。
♣ 見えないよ。同じ黒髪でもやっぱりイギリス人は端正だし。
♥ セルジオなんとかさんは、ちゃんとすれば十分色っぽいイタリアおやじだと思うよ。
♣ でも人種を分けて違いを強調するのはうまい手だと思ったな。
♥ テルマールはもともと地球のどこかの島からナルニアに入り込んだ海賊の子孫だからね。
♣ シチリア島あたりかね。それなら野蛮なのもわかるわ。
♥ あと、『馬と少年』でもカロールメン人は色黒で、ナルニア人は金髪で白い肌の北の野蛮人だと言っていた。
♣ ノルドじゃん(笑)。
♥ マジで、いま位置関係を調べようとナルニア世界全土の地図を探していたら、なんか見慣れた地図があると思ったらスカイリムの地図だった(笑)。
♣ でもスカイリムは北の最果ての国だけど、ナルニアはまだ北に蛮族の住む荒れ地があるよね。
♥ スコットランドじゃん(笑)。つまりナルニアはやっぱりイングランドってことで。スカイリムはスコットランド+北欧諸国。
♣ 正確にはナルニアの南がアーケンランド、そこから砂漠をはさんださらに南がカロールメン、テルマールはアーケンランドの西の国でした。
♥ こういう地図って見ているだけでワクワクするよね。
♣ 私はイギリスの地図見ているだけでもワクワクするけど。
♥ でもナルニアは絶対に行けないし自分の足では歩けないじゃない。それを実際に行って歩き回れるようにしたってだけでもオープンワールド・ゲームはすごいわ。

成長した子供たち

左からルーシー、ピーター、カスピアン、スーザン、エドマンド

♥ というところでペベンシーの子供たちの3年後。
♣ いやー、理屈ではわかってたけど、子供ってわずか3年でここまで育つんだねえ。上の二人はそれほどでもないけど、下の二人の成長には驚いた。
♥ あと、こういう子供から大人へ開花していく時期の人を見るのは楽しいね。まだまだ子供らしさを残していながら、大人になったらどうなるかがだんだん見えてきている。
♣ まずはピーター(William Moseley)だけど。もう大人になったところが容易に想像できる。ちょっとぼんやりした、大人しそうな二枚目になるのが目に見えるようだ。30過ぎたら太るのも。
♥ すでにそうなってるわ。今年で30だから。彼はいつもベンと並んでいるので差を付けられてしまってかわいそう。ちゃんと王子様しているベンの横で、この子はいかにもトロい子供顔で。こっちはナルニアの一の王なのに!
♣ まあ前に書いたようにこの兄弟は普通ってところがいいんで、彼はこれでいいんじゃない。

♥ それよりスーザン(Anna Popplewell)がブスになったことがショックじゃない?
♣ スーザンは「一度見たら忘れられない」美人のはずなのに、アンナ・ポップルウェルはもともと美人じゃなかったから「これがスーザン?」と思ったけど、子供のうちはまだそばかすに青い目と可憐さで乗り切れた。
♥ だけど大人になったらますます変な顔になってきたね。個人的には下ぶくれ顔と団子鼻とぼってりした眉毛とたれ目とだらしない受け口がいや。
♣ 全部ひどいじゃないか!(笑) まあ女の子は思春期にブスになっても、成人すると見違えるような美人になることもあるから。
♥ もう思春期過ぎてますよ。やっぱりブスです。
♣ でもうまいことに、ピーターとスーザンは年を取り過ぎたので、ここでいなくなるから。
♥ それでちょっとほっとしたわ。でも本当ならピーターは最終章でまた出るのに。

♥ いちばん成長に驚かされたのがルーシー(Georgie Henley)。あのちっちゃかったルーシーがお姉さんになってる!
♣ この子はアンナ・ポップルウェルと対照的に、美人じゃないけど愛嬌のあるファニーフェイス。ルーシーにはふさわしいし、まだまだ子供なんで、大人になって化粧したら化けるかも。
♥ BBCのルーシー(ソフィー・ウィルコックス)がすごすぎたんで、十分美人に見えますわ。

♣ でもいちばんかわいいのはエドマンド(Skandar Keynes)よね。
♥ 『ライオン』のころもかわいかったけど、あの愛くるしい子供っぽさが薄れてだんだん男の顔になってきたところで、でも子供らしい瑞々しさはまだ残っていて、私はこのぐらいの男の子がすごい好き。美少年じゃないけど、生意気な感じがかわいいわあ。
♣ だいたい、一作目からこの子がいちばんかわいくなかった?

赤いほっぺがかわいらしかった『ライオンと魔女』のスカンダーが

『カスピアン王子の角笛』ではここまで成長しました

♥ 彼も茶色い目がクリクリしてかわいいんだけど、それはこの年だからで、大人になったらただのギョロ目のおっさんになりそう。子供時代にかわいらしすぎる子役はだいたいそうなってるから。
♣ それが、現在の彼はまだ若者だし、おっさんってことはないけれど、あのクリクリお目々はなくなりましたよ。じゃあ、四兄弟のThen & Nowを貼っちゃいましょうか。ネットで拾ったやつだけど。まず年の順でピーターから。

♥ うん、きっとこうなるとわかってた(笑)。
♣ この人なんかもうちょい体を絞れば十分ハンサムだし役者として通用するんじゃないの?
♥ これは写真が悪いけど、でもミサワ顔だよ。やっぱり二枚目でやってくのはむりじゃない?

♣ ある意味彼女がいちばん変わってない(笑)。
♥ 本当におかめ顔だけど、この手の女の子は一定の需要があるかも。このたれ目と受け口は。
♣ それで問題のスカンダーは‥‥

♣ これはカッパ頭がいけないんでは?(笑) まともな格好してキリッとすればまだなんとか‥‥
♥ でもただの人だよなあ。本当にこの時代はドキドキするほどかわいかったんだがなあ。

♥ ルーシー、きれいになったじゃん!
♣ 残念ながらこの写真はかなり修正されている。実際はかなり太って左の写真よりすごい二重あごだし、今ではタムナスさん(ジェームズ・マカヴォイ)より顔がでかい(笑)。彼女は最年少だけあってまだ若いから、まだまだ変わるかもしれないけどね。
♥ ベン・バーンズは貼らないよ。彼は子供たちほど変わらないし、もういい年だからしわは増えたけど、ますます渋い男になってるだけだから。
♣ 役者として残るのもベンだけだろうな。かわいそうだが、そんなもんだ。

ドワーフたち

絵に描いたようなドワーフに扮するピーター・ディンクレイジ(左)とウォリック・デイヴィス

♥ あとこれはまったく期待してなかったんだけど、ドワーフ役で『ゲーム・オブ・スローンズ』の ピーター・ディンクレイジ(Peter Dinklage)と『ウィロー』のウォリック・デイヴィス(Warwick Davis)が出てたのはうれしかった。
♣ まあご覧の通り素顔なんかわからないほどのメイキャップで、ありがちな小人役だから、せっかくの演技力もあまり活かせないけどね。
♥ それでもピーター・ディンクレイジのトランプキンは、原作のかわいい小人さんのイメージじゃなかったよ。こっちが善玉のくせになんか斜に構えた感じでさすがだと思った。

リーピチープ

♥ そしてこの話には人間以上に忘れがたいキャラクターが登場する。ネズミのリーピチープなんだけど。
♣ どうでした? リーピチープがひどかったら殺そうと思ってたんだけど。
♥ 物騒な(笑)。
♣ それぐらい好きなんで、リープ。
♥ BBCの着ぐるみを見ちゃったからなあ。あれの後ならどんなネズミが出てきても許せたよ。ミッキーマウス以外なら。
♣ BBC版のリビューで、「それでも小さい子供よりずっと小さいということは、『身長が極端に低い人』が中に入ってるんだな」と驚いていたが、その中の人がウォリック・デイヴィスだったのだ。
♥ マジで?! そりゃ小人俳優は多くはないとはいえ、おもしろい巡り合わせだね。
♣ それでリーピチープのCGはあくまでリアルねずみ路線で、これはほぼ挿画通りだったのよしとする。ちゃんと頭に羽も付けてたし。
♥ 声を当ててるのはイギリスのコメディアン、エディー・イザード(Eddie Izzard)。
♣ これがちょっとね。私はリーピチープはネズミらしいキーキー声だと思ってたし、その声で偉そうなことばかり言うからかわいいのに、おっさん声はないわ。
♥ エディー・イザードはおもしろいから好きだけど、これはなあ。トランスジェンダーなんだから高い声出せなかったのか?
♣ かと思ったら、3作目ではサイモン・ペッグに変わってる。イギリスのコメディアンならいいってもんじゃないのに! おっさんはやめろー!
♥ 結局、リーピチープのことは単なるマスコットかコミックリリーフとしか思ってないのよ。そこがいかにもディズニー的で、確かにディズニー映画の中ならそうなるけど、リーピチープはナルニア有数の伝説の英雄なのに。
♣ ほんとそれ。

参考までに並べてみた。似すぎのプスとリーピチープ

♣ ただ、『シュレック』や『長ぐつをはいたネコ』のプスとキャラクターかぶりまくりじゃない? 監督も同じだし、どっちもCG動物剣士だし。頭の羽根までそっくりだし。
♥ だから、それは向こうがパクりだってば! こっちの方がはるかに古いんだから。
♣ でもネズミと猫ならやっぱり猫のほうがかわいいしなあ。
♥ そうやってプス(アントニオ・バンデラスの声でしゃべる)と同一視されるから、おっさん声はやめてほしかったんだ。
♣ そう言えば城に忍び込んだリーピチープと一党が眠ってる猫を見つける場面があって、どうするのかと思ったら、猫に猿ぐつわかませて縛り上げるという、いかにもディズニーアニメっぽい場面も。
♥ やめてほしいよなあ、ああいうの。子供に人殺しさせるくせに、そういうところは子供っぽくて
♣ 実際、『ライオンと魔女』がキリストの殉死の物語なら、これの原作も相当暗い話だよね。
♥ 幼い王子が父王を殺され、実の叔父に命を狙われるというハムレットみたいな話だから。まあおとぎ話ではよくあるパターンだけど。
♣ 実際、おとぎ話は残酷ですから。

おわり

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