【動物】動物特集4 動物を飼うということ――虐待か愛護か

お洋服着てリード付けて二足歩行でお散歩するモニター、ってもう何がなんだか(笑) でもこのサイズのトカゲが二足で立つとラプターみたいでかっこいいね。

動物特集3からの続きです。

というわけで、YouTubeにはこういうかわいい爬虫類動画がいっぱい。それで前の記事に貼ったビデオのトカゲたちはサイズに関わらずどの子も本当によく慣れてるしおとなしい。インスタなんかでも、かわいいトカゲに洋服着せたり、ぬいぐるみ抱かせたかわいい写真を投稿している人たちもいる。それはそれで私も見ればかわいいと思うし、悪いとは思わない。こういうの見ると爬虫類をペットにする人が増えたのもよくわかる。

でもその一方で、爬虫類は野性的なところがいいと思っている人たちもいて、そういう人たちは抱いたりなでたりするのは嫌い、トカゲにしろヘビにしろ人を見るとクワッと口を開けて飛びかかってくるようなところを愛するらしい。私もどっちかというとそっちかな。

え? だってそうじゃない? それがいやなら犬猫飼えばいいわけで。私が馬の凶暴さについてよく書いてるのも実はそこが好きだから。馬というのは私が初めて触れた野生動物だからね。
と言うと、速攻で「馬は家畜でしょ」と反論されると思うが、私も馬を知るまではそう思ってた。だいたい家畜を知らない人は家畜=人に従順でなんでも言うことを聞くと思ってるし。
早い話が、馬が犬猫みたいに完全に家畜化された動物だったら、進んで人を乗せなきゃおかしい。なのに、生まれたときから人の手で育てられた馬でも、乗ろうなんてしたら全力で暴れて抵抗するので、入念な調教をしなくちゃ乗ることはできない。
とにかくペットと小動物しか知らなかった私は、初めて馬を見て、そのあまりの手に負えなさとわがままさと凶暴さに、本物の動物ってこういうものだったのかと感心した。それ以来、犬猫がぬいぐるみに見えちゃって。
そういう人たちと付き合うには、ただ単にかわいいかわいいじゃダメで、ある意味全身で取っ組み合う必要があるんだよね。

というわけでトカゲと取っ組み合ってる人(笑)の動画がこれ。

 

こちらは気が荒いことで有名なナイル・モニター(でもペットとしては人気ある)。前の記事のテン君とくらべたら、体重なんて4分の1以下のサイズだと思うけど、男が全身全力で格闘してやっと取り押さえられるほどの力の強さ。意図的に人に馴らさなければたいていこんなもんだと思います。
「ハンドリング」(爬虫類を触って手懐けること)とかいうふざけたタイトルが付いているから、動物虐待だとか、こんなやつには飼う資格がないとか書いてるコメントもあるけれど、逆にこれができなきゃこのサイズのトカゲを飼う資格はない。

これはたぶんわざと出したんだと思うけど、もし本当に脱走しそうになったら、このサイズのトカゲを素手で捕まえてケージに戻すのはこれぐらい大変ってこと。確かにこんなのが脱走したら、人に危害を加える恐れもあるし、それ以前にトカゲ自身の命に関わる。これ見てやっぱり私にはモニター飼うのは無理だとあきらめました。たとえ小型のサバンナでも、本気で暴れたら私の力じゃ絶対取り押さえられないもの。あいつらしっぽの先まで全身筋肉だからなあ。
人の腕ほどの太さのヘビでも本気で巻き付かれたら大人の男の力でも絶対ほどけないというし。だから、以前見た巨大ニシキヘビ飼いの人は、万一の場合のためと言って、ヘビをハンドリングするときは手元にバールみたいなものを置いていた。かわいそうと思うかもしれないけど、大型動物飼うのってそれぐらいの覚悟がないと無理だから。
実際それでペットの蛇をハンドリングしていて殺されたニシキヘビの飼い主いたし。それまで一度も反抗したことのない、おとなしい動物でも、なんかの拍子にスイッチ入っちゃうことってあるしね。相手がライオンやゾウやニシキヘビだとその一度が命取りだし。

しかしこの動画も変に癖になる(笑)。かわいいしおかしいし、すげえ!ってなるし、かわいらしい爬虫類をかわいがる動画もいいけれど、こういうのもすごい好き。それで投稿者の「ナチュラリストるうく」(あれ? こないだまで「レプラプるうく」という名前だったのに)さんに興味を持って他の動画やブログも見てみたら、ワニに丸まんまの鹿を食わせてるし、大蛇も飼ってるし、レオパードゲッコー30匹ぐらい飼って繁殖させてるし、いったいこの人何者?というぐらい、ほとんどプロじゃない。(でもプロじゃないみたい)
特に「おお!」と思ったのは、この人が鷹を飼ってて鷹狩りをやること。

鷹狩り! これも私が子供の頃からのあこがれなんだよね。もう無理だけど、かつての私の最大の夢は、馬にまたがり片手に鷹を止まらせて鷹狩りに行くこと。モンゴルあたりじゃやってるようだが、私は絶対あの辺の人たちの血が入ってる。
実は私、『ペット・ガイド・シリーズ ザ・猛禽類』という本を買ったんですわ。3600円もする本がBookOffで半額だったんで、パラパラ見たらオールカラーで、かわいいワシやタカの写真がいっぱい見れると思ったんで。
ところが、タイトルから「猛禽の飼い方」の本だと思っていたのに、読んでみたら鷹狩り用のワシタカの育成の教本だった。それだって飼い方には違いないが、ペットの飼い方の本とはまるで目的も雰囲気も違う。読んでてこれって馬の飼い方の本と似ているなと思った。つまり、愛玩動物の本じゃなくて、使役目的の動物ってことだけど。野生の本能を人間の知恵と力でねじ曲げるっていう意味では同じだなあと。
しかもペットの本だったらありえない、一般人には無理でしょってこととか(買ったタカが届いたら、箱を開けるのは獣医の立ち会いが望ましいとか)、めっちゃ過酷なこと(いざとなったら自分の手で殺す覚悟が必要とか)がいろいろ書いてあって笑った。それも大型の肉食鳥を飼うならあたりまえのことなんだろうけど。

何が言いたいかというと、やっぱりペットしか知らない人と“本物の動物”と付き合ってる人とでは視点がまるきり違うってこと。私は若い頃にちらっと見聞きしただけだけど、それでもYouTubeの爬虫類動画にコメントしているような人たちとは、住んでる世界が違いすぎる。その点、るうくさんとの方が話が合うかもと思ってしまう。

たとえばの例を馬術部時代の思い出からあげてみる。馬の鞍は腹帯という帯で固定するんだけど、しっかり締めないと鞍がずり落ちてしまう。でも馬もおなかを締め上げられるのはいやみたいで、頭のいい馬は腹帯を締めているとき、思い切り息を吸い込んで腹をわざとふくらませる。これだと全力で締めてもすぐにゆるんでしまう。
それを防ぐにはどうするかというと、目の前で大学生が実演してくれたんだが、長靴(ちょうかと読む。つま先に鉛の入っためっちゃ重くて頑丈な革のブーツ)で思い切り馬の下腹を蹴り上げる。すると馬も「うっ」となって腹がしぼむので、その隙に腹帯を締めるというもの。
私は新米だったし新米のままやめたので、はたしてこれが正しいやり方なのかは知らない。でも最初見たときは「ひえー!」と思ったけど、よく考えたら理にかなった方法だと思った。
実際のところ、私が全体重をかけて締め上げても、馬からするとちょっときつめのブラジャーぐらいの感じだし、大人の男が長靴で力いっぱい蹴り上げても、たぶん馬には軽くげんこつでジャブを入れられたぐらいの痛みだとは思う。ただ、やれと言われても私はやっぱり全力で蹴ることはできなかったな。だいたい驚かせれば馬は腹を引っ込めるので、何もあんなに力いっぱい蹴る必要はなかったと思う。でもこんなのYouTubeに投稿したら、馬を虐待する男として大変な騒ぎになるよね。
だけど、腹帯がちゃんと締まっていないと乗ってるときにいきなりズレて、乗ってる人は確実に落馬するし、下手すると死ぬ可能性もある。それを防ぐためには、あと、そういう姑息な手は人間には効かないということを教えるためにも、ある程度はきびしくする必要はあるのだ。

もうひとつ、これはさすがに私もあきれたエピソードだが、競馬上がりの牡馬がクラブに入ってきた。サラブレッドは闘争心の塊だし、去勢していない牡馬はめちゃくちゃ気が荒いので、去勢しなくては乗馬に使えない。そこで大学生の男の子数人が、麻酔も何もかけずにハサミで大人の馬を去勢して(チョキンと切って玉だけ取り出して赤チン塗っておしまい)、これだけでもすさまじいのに、その取った金玉をその場で鍋で煮て食べてしまったこと。これはさすがに私には無理! なんでそういうことができるの! しかもこの人たち、もちろんその馬をかわいがってて、この後も大事に育ててるんだよ。むだを省いたエコな生き方?(笑)
あくまで私の印象だが、動物と全身全霊で付き合ってると、だんだん人間が動物に近付いていくような気がする(笑)。

いや、変な例出しちゃってすみませんね。これが大学馬術部で一般的なことだと言うつもりはないし、大学の中では最も軟派な、チャラい学生ばかりの青学の馬術部でさえこれだけワイルドだということを言いたかっただけ。
上のビデオのるうくさんはブログを読むと本当に動物に詳しいし、動物を大事にしているし、動物のためにものすごい労力もお金もかけているし、たぶんキンタマなんか食べません。

ただ、ペットじゃない動物、特に大型動物と付き合ってると、ある意味なりふりかまっていられないというか、コワイとか、キタナイとか、カワイソウとか、キモチワルイなんて言ってられないので、だんだんそういう感覚が麻痺してくる感じ
そういえば、『ゴールデンカムイ』とか、『山賊ダイアリー』(猟師漫画)を読むと、普通の人はすげー!ってなるみたいだけど、私はすごくリアルだと思った。

なのに、こういうかわいい爬虫類動画でもすぐに虐待だの残酷だの言う輩が湧いてくるのは本当にむかつくね。
特に爬虫類の生き餌給餌動画にはアンチが大量に湧くので、日本のYouTuberは死んだ餌しか与えなかったり、ゴキブリ以上のサイズの生き餌を食べる場面は意図的に写さなかったり、モザイクかけたりしてるみたい。おかしな話だよね。肉食動物が肉食うのが反道徳的だとか不愉快だとか思ってる人が多いのは。
まあネズミとかはペットとして飼ってる人も多いから見たくない気持ちはわかるけど、なんでネズミを食うことがわかってる動画(必ず事前にそういう警告が出る)をわざわざ見に来て、わざわざコメント欄に苦情書くのかね? これは明らかに苦情が言いたいだけのクレーマーでしょ。

私の見たところ、日本人爬虫類YouTuberの動画なんてソフトそのものだよ。前の記事のテン君やビッグボーイなんて見ると、あんなに大きくても、あそこまでおとなしくてかわいいんだと思うかもしれないけど、「Reptile Channel」というアメリカのチャンネルの人(小さい子供もいるお母さんなんだけど)、彼女のAsian water monitor(テン君と同じ種類だと思うけど、微妙に模様が違うのは個体差なのかそうでないのかわからない。でも顔と体型はそっくりですごくかわいい)の「レックス君」なんて、生きた子豚を丸呑みにしているぜ。
しかもアメリカの田舎のほうだからできることだけど、レックスは家の中と言わず外と言わず、ほぼ放し飼い状態で自由気ままに歩いてる。(外はちゃんと頑丈なフェンスで囲ってある) うらやましいね、人もトカゲも楽しそうで。トイレに行きたくなると外に出たがってドアをガリガリしたり、本当に犬みたい。
彼女の動画はレックスにお洋服着せたりしたかわいらしいのもある一方で、こういうエグいのもあるのでかなりの数のBadが付いてるが、レックスがあまりにかわいいのと、半野生状態でのびのび生きてるモニターが見られるのがすばらしいので私は大好き。

それからトカゲの中では非常に人気のあるフトアゴヒゲトカゲ(Bearded Dragon)も、前述の「おちょこさん」があまりにおとなしくて野菜しか食べなくて動かないので、そういう種類なんだと思っていた。でもおちょこさんがああなのはおそらく飼い主さんが優しい女性だからで(野菜しか食べないのは偏食らしい。本来は雑食)、これもアメリカのビデオを見たら、同じフトアゴヒゲトカゲが血まみれになって逃げまどうネズミを豪快に追いかけ回して食ってた。なんか世界が違いすぎる(笑)。
とにかく肉食動物が動物食うのはあたりまえ! 自然界には肉屋はないんで、生き餌を食べるのもあたりまえだ。こういう議論だと「じゃあおまえは肉食ったことないのか?」なんていう的外れな反論する人もいるけど、人間は雑食動物で肉食べなくても死なないから別。この人たちは食べなきゃ死んじゃうんだから。

でもやっぱりヘビやトカゲ飼ってるだけで一般人には変態に見えるのかもね。私自身、そういう変わった動物を飼う人って、やっぱり変人なのかと思ってたが、実際見た目や話し方はそう見える人も多いが(笑)、ブログ読んだりビデオ見たりすると、実は犬猫の飼い主なんて目じゃないほど、すごく真剣に動物のことを考えているので驚いた。
普通、犬猫のビデオをアップロードする人たちって、基本的に「うちの子かわいー! 見てー!」というのでするんだし、コメント欄も同じタイプの人々が集まる。なのに、爬虫類や蜘蛛とかの虫系の動画ってやたら意識高いのだ。
特に命を預かる(=生きものを飼う)ということや、(餌動物の)命を頂くことやなんかについても、あまりにも深く考えているので感心した。そういう動物たちのために使う労力と金銭のでかさは言うに及ばず。私は上記のような理由で神経が一本抜けているので、餌ぐらい自由に食わせろやと思うけど。
確かに爬虫類飼いって、ただでさえ好奇の目にさらされて、あれこれ批判されることも多いからいやでも考えざるをえないんだろうな。そういう人は啓蒙活動にもすごい熱心に取り組んでいる。

最近はちょっとしたブームなのか、爬虫類を飼う人も増えているようだ。確かに爬虫類はかわいいし、哺乳類と違って狭いところでも飼えるし、鳴き声もしないからアパートとかでも飼えるし、最初は小さいし、値段も比較的安いから一見飼いやすそうに見えるんだろう。
でも無知な人間が爬虫類を飼うことを考えると、犬猫よりもっと悲惨だ。まず生きていけるだけの環境を整えるのが大変なうえ、少なくとも犬猫はおなかが減れば大声で騒ぐし、どこかが痛かったり苦しかったりすれば顔や態度に表れるからわかるが、爬虫類は痛くても苦しくても何も言えないし、表情もまったく変わらないからねえ。
特に今はトカゲモドキ(ヤモリの一種)を飼うのがちょっとしたブームみたいで、あんなか弱くて繊細そうな生きものを、何もわからない子供や何も考えてない大人が(かわいがるつもりで)虐待してるんじゃないかと思うと胸が痛む。と思っていた。

そしたらMassuChannelで、トカゲモドキを、仰向けにして手のひらに載せて、「ねんねさせると目つぶって気持ちよさそうにしてかわいい」とか言って、SNSにあげてる飼い主がけっこういることを知った。でもMassuさんによると、目をつぶるのは仰向けで内臓が圧迫されて苦しいかららしい。なんか聞いただけでかわいそうで涙が出る。
無知が理由とはと言え、あんなにちっちゃくて、苦しくても口がきけない動物を虐待するような奴は本当にニシキヘビの餌にしてしまえと思う。爬虫類が腹出して寝てるところなんて野生であると思うのか? あったらそれって死んでるだろ?
私が見たYouTube動画の中にも、例によって「かわいい、かわいい」というコメントで埋まってるが、ちょっとこれはどうなの?というのも少しはある。

だいたい、捕食動画に虐待だの残酷だの騒ぐなら、爬虫類をベタベタなでたり触ったりしている動画の方がよっぽど虐待だ。あまりにかわいらしいからついなでたりかわいがったりしたくなる気持ちは私もわかるんだけど、それは人が持ってる猿としての本能であって、猿とはなんの縁もゆかりもない爬虫類はなでられてもちっとも喜ばない、どころか大迷惑ってことがわかってるから。
サバンナモニターの「ひろし」君(この子もサバンナとしては最大級で大きくてかわいい)の飼い主の「MZ爬虫類」さんは、ひろし君をよく抱っこしたり撫で回してるので「ええ?」と思ってたんだが、「こんなことするのは月に一回ぐらいです」とどこかのビデオで言っていてほっとした。まあ、同じトカゲでもあのサイズになればちょっとやそっと触ったぐらいどうってことないだろうが、相手はあくまで我慢してくれてるだけだから。

そういう「やさしい虐待」がある一方で、ペットとして爬虫類の人気が出てくれば、儲け優先の業者による虐待も当然ながらある。ほら、「ペットはショップから買うな」というたぐいの話聞いたことあるでしょ?
ああいうのを見るたび、私は「それはどうなの?」と思っていたが、爬虫類でも同じだというのは、見たくなかったのについうっかり見てしまったPETA(動物愛護団体)のビデオを見てもわかった。哺乳類でさえひどい扱いなのに、爬虫類となるともっとひどい。物みたいにぎっしり箱詰めにされて出荷されるカメとか、やせ細ったトカゲモドキとか見ると本当にかわいそうで涙が出る。
だけど、だからペットショップから買うなと言うのは意味がわからない。そういうペットショップ廃止論者はブリーダーから直接買えと言うんだが、なんでブリーダーならいいんだろう。大手のペットショップなら大勢の目にさらされるから、不正や虐待があれば発覚しやすいけど、ブリーダーとの直取引なんて何があるかわからないし、ブリーダーこそピンキリだろうし。
もっと極端な意見では、ペットを飼うこと自体が動物虐待という人もいる。これは一理あるとは思う。人間が動物を飼うのはもちろん利潤の追求が目的だから。「かわいいから飼いたい」というのだって、もちろん人間のエゴだしね。

私は馬が命より好きだが、馬を飼って乗ることぐらいひどい虐待はない。すでに書いたように乗られて喜ぶ馬は一頭もいないし、犬猫みたいに好きで人間と暮らしているわけでもない。あれだけの巨大な動物を乗り物にするためには、きびしい訓練を施し、口には鉄の塊を噛ませ、背中には鞍を乗せて腹帯で締め上げ、鉛入りのブーツで腹を蹴り、そればかりか鞭を当てたり、拍車を当てたりさえする。これ、人間にやったら最悪の拷問でしょ。
(もちろんこれは誇張して書いている。すでに述べたように、人間ごときに蹴られたぐらいで馬はびくともしないし、鞭も同様、拍車は軽く当てるだけで、馬のおなかに穴を開けるためのものではないし、口に噛ませるハミは歯のないところに収まるので入れ歯ほども痛くない)
いちばんひどいのは、今の時代には馬に乗る必要なんてないってこと。乗馬にしろ競馬にしろ、完全に人間のエゴと快楽のためだけに存在するんだから。それで私はそのことにまったく罪悪感を感じない。馬から得られる快楽が大きすぎるんで。(馬の姿を見るという目の快楽だけでも十分すぎる)
だいたい、家畜やペットなんて(大多数の野生動物も)、みんな人間の都合で生かされているだけ。弱肉強食が自然界の掟だしね。仮に恐竜が絶滅しないで進化を続け、恐竜人類が誕生していたら‥‥という空想はよくするのだが、今の人類はまず存在してないし(生まれてきてもたぶん危険な害獣として駆除されてる)、哺乳類なんてたぶんトカゲの餌にされるネズミ並みの扱いしか受けてないよ(笑)。
だったら究極の動物愛護は人類を滅ぼすことになってしまうが、これも一理あると思ってる。

まあそういう極論は別として、ペットショップをつぶせとか、ペットを飼うなとか言ってる連中はべつに動物が好きなわけじゃない。動物が嫌いで、自分の目に入るところに動物がいるのが不愉快だから見たくないだけだろう。

そういえばショックなことがあって、これも見たくないのにうっかり見てしまったんだけど、北海道のばんえい競馬で、心臓麻痺かなんかでレース中に馬が死ぬ事故があった。事故もショックだけどそれ以上にショックだったのは、そのビデオのコメント欄が、「ばんえいなんてやめろ」、「廃止しろ」という声であふれていたこと。
ばんえい自体が世界にも類を見ない貴重な馬事文化であること、もうすでに何度も廃止の危機にあったのを大勢の人の努力で存続していることは別としても、なんでそんなにショックかというと、競馬が嫌いなら別に見なくてもいい、なのに自分が見たくないからと言って、あの馬たちをすべて殺せっていうエゴが恐ろしくて。
いや、本人たちはたぶん気付いてないけど、そうでしょ? 日本にばん馬が何頭いるかは知らないが、競馬がなくなったらみんな肉にするしかないんだから。もう馬で農耕したり馬車引かせる時代じゃないんで、ばんえいに使われる重種馬は競馬以外に生きる道がない。ただであげると言われたって、飼えるところはほとんどない。
もちろんああいう危険もあるけど、あの人たちはちゃんと働いて、誰にも迷惑かけずに自分の食い扶持稼いでいるのになんでそんなひどいこと言えるんだろ。

だいたい乗馬文化や農耕馬の必要がなかったら、馬なんてとっくに絶滅させられていたと思う。馬は草食動物の中でもデリケートすぎ贅沢すぎて、草だっていちばん柔らかくておいしいところしか食べないし、牛や鹿や山羊みたいになんでもバクバク食ってガンガン繁殖したりしないし、広い草原が必要な馬と牛や羊を飼う酪農家とは明らかに利害が対立するので、とっくに邪魔者として駆除されていただろう。
ゾウやキリンが(今みたいに保護されなかったら)そうなっていたのと同じに。そしたら、野生馬は今のゾウやキリンみたいに世界のほんの一部の狭い地域に隔離されて残るだけで、それに較べたら全国各地に競馬場や乗馬クラブがあって、馬にふれあえる今の世界は私には天国だから、多少の虐待(馬に乗ること)もやむをえないという気になる。

動物にとっても同じだと思うよ。「パピー・ミル」と呼ばれる悪徳ペット業者だって、犬にとって完全な不幸とは言えない。動物の究極の生きる目的は自分の子孫を残すことであって、仮に多くの子犬がゴミのように処分されるとしても、自然のままではありえないほど広く大量に遺伝子をばらまくことができるんだから、ドーキンスの「利己的遺伝子」論からすれば立派な勝ち組だ。(ドーキンス理論をこうやって局所に当てはめるのは間違いだってことはもちろん承知の上で、比喩として言ってるんで念のため)
よく「こんな世の中に生まれてきても子供が不幸になるだけだから」という理由で子供を作らなかったり中絶する人たちの論理と同じだと思う。生まれてきた場合子供や犬が受ける苦難と、生きていればあじわったかもしれない喜びや幸福と、どうやって秤にかけられるんだろう? それを勝手に「だからかわいそうだから生まれてこない方がいい」と決めつけるのもエゴだよね。

まあ哺乳類に当てはめるのは無理だとしても、爬虫類なんか一部のトカゲやワニを除けば、魚や両生類から受け継いだ「たくさん産んであとは天に任せる」方式の繁殖方法を採っているんだから、ショップで淘汰される子たちがたくさんいたとしても、それって自然状態でも同じなんだけど。
ましてトカゲモドキみたいにどう考えても自然でそんなに大繁栄しているとは思えない種類、どこかのジャングルの下生えの中でひっそりと生きてきた動物にとって、今みたいに大量に繁殖され売られている状態は、一部の不幸な子を別にすれば、トカゲの天国に行ったみたいなものだ。

だいたい動物愛護を訴えてる人たちも自分じゃ柴犬とか飼ってたりするんだよな。犬でも猫でも純血種を交配して固定するのに、どれだけ「規格外」や望ましくない特徴を持った動物が殺されてると思ってるんだろ。

なんか話がすっ飛びまくってるが、これが動物虐待と動物愛護に関する私の立場。
要するに地球上に人類が居座っているかぎり、動物には居場所がないので、あとはどう人間と折り合って居場所を作るかが問題。ペットはその中じゃいちばんマシな選択肢だと思う。
でももしかしてこのまま爬虫類ペットが本当のブームになれば、犬猫馬みたいな極端な品種改良が進み、本当に大きくならなくてちっちゃいままの手乗りオオトカゲとか、ペットフードだけで育てられて、アニメみたいな顔のおとなしいヘビとかが出てくるのかもしれない。オエッ! もしそういうのがいたら欲しいことは欲しいけど、やっぱりオエッ!だ。

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