【ゲーム評】Abyssrium(アビスリウム)

それで結局、気に入ってやってたスマホゲームはこれだけ。有名なゲームらしいんだけど、これはいわゆるアクアリウム・ゲームで、スマホの中を水槽に見立てるというわけ。ただしここでは水槽じゃなくて、タイトル通りの深海(にしては浅い海の魚が多いし淡水魚も多いが、そこを突っ込んだら負け)が舞台。

見ての通り美しく幻想的なグラフィックで、クジラが泳ぐ海を見てインストールした。魚のグラはずいぶん簡略化されてるけど、この海には百匹以上の魚が泳ぐので、スマホの性能ではこれが限界なんだろう。それでも個々の魚の動きとかはかなりリアルなので感心する。

ゲームシステムとしてはこれは放置系・クリッカー系ゲーム。おっとクリッカーというのはPCの場合で、スマホだとタップか。英題もTap Tap Fishだし。
これは最近はやりのタイプのゲームで実は私がいちばん多くプレイしているのもこれ。だって楽なんだもん(笑)。放置系はその名の通り、単に放置するだけでゲームが進行する。クリッカーはクリックするだけ。たいていはこの二つを組み合わせて、放置しっぱなしでもいいし、クリックしてもいいようなゲームが普通。
ゲームですらもものぐさな私は放置系はなにしろ何もしないでいいから楽だし、クリッカーはオートクリッカーに任せてしまえばいいのでこれも楽、というので好んでやっている。そもそも『シムピープル』をやってる頃から、シムたちを見ているだけのほうが楽しかった私としては、「見るだけゲーム」の極致である放置系はまさに待ち望んでいたゲームだった

余談だが、Skyrimにも「見るだけモード」があればいいのにと時々思う。Skyrimのプレイヤーキャラには自立モードがないので動かないが、一定時間放っておくとプレイヤーキャラを中心にカメラが360°ぐるぐる回り始める。私はあれ見てるのがけっこう好き(笑)。
NPCは日常生活AIを搭載しているので、勝手に生活したり仕事に行ったりするのだが、行動範囲が広いので、Simsみたいな自動追尾モードがあるといいのにといつも思う。まあ、Skyrimで私がいちばん長時間やってるのは馬に乗ってオープン・ワールドを走り回ることで、これも見るだけみたいなもんですけどね。

しかしそもそも水槽って、ぼーっとして眺めるためのものだし、考えたらアクアリウム・ゲームぐらい放置ゲームに適したゲームはなかったので、これを結びつけただけでも勝ったようなもんだな。さらに放置系はIncremental Games(私は勝手にインフレ・ゲームと呼んでいる)になることも多いんだが、これもそのまま取り入れている。
つまり、画面をタップするとハート(このゲームにおけるお金代わり)がたまり、サンゴ石(と訳してるが海底火山もしくはチムニーだよね)をアップグレードすると1タップあたりの稼ぎが増える。一方、サンゴを育てると自動でハートを生産してくれる。こちらもアップグレードで生産量が増えるんだが、その増え方が異常だ。

通常、この手のゲームではいくらなんでも完全放置では単調すぎるので、一定時間ごとにフィーバー・タイムみたいなのがある。30分に一度、クリック時の生産量が30秒間倍になるとかそういうの。ところがこのゲームは、15分に一度、5分間生産量がアップする。なんだ、これ? 桁が違う! てことは3分の1がつねにフィーバー状態。しかもその倍率は倍どころか何十倍にも上げられるのだ!
しかも稼いだハートで水槽に入れる新しい魚を買うのだが、1匹買うごとにすべての生産量が倍になる。どんどん倍々になっていくんだから、あっという間に天文学的な数字になる。もちろん費用もそれに応じて上がっていくのだが、普通のゲームはたいていどこかでインフレも頭打ちになるのに、これはどこまでも倍々だからとどまることがない。
それ以外にアチーブメントの獲得で増えるのもお約束だが、こちらは倍どころかいきなり5倍とかになる。こんなむちゃくちゃなインフレするゲーム見たことない。だいたいソシャゲはPCゲームよりきついものなのに、PCよりはるかにぬるいゲームというのも初めて見た。
人をイライラさせるのがスマホゲームという私の理解からすると、収入は確かにインフレするけど魚の値段はそれ以上に天文学的で、特にクジラやシャチやイルカのような人気者は、大量に課金しないと無理な金額設定になってるはずだ。それは予想してたけど、私はシャチが大好きなので、とにかくシャチが買えるまではがんばろうと思っていた。

ところが何の苦もなく1日1時間ぐらい放置しただけで1週間で買えちゃいました。イルカもシャチもクジラも。もちろん隠しキャラみたいな魚が大量にいて、それをコンプリートしようと思ったら時間か金がかかるのはもちろんだが、コンプリートなんて最初からあきらめてる、というぐらい大量の種類の魚がいる。
とにかく私の印象はなんだかめちゃくちゃ太っ腹なゲームというもの。これ普通だったらバランス崩壊していると叩かれるだろうが、崩壊しようが何だろうが、やたらとユーザーの喜ぶ仕様にして、大勢にプレイしてもらって、広告料で稼ぐというのは賢いやり方だと思う。

確かに広告は多い。でもそれでもらえるものが十分見合うと思うから、つい猿のようにクリックしてしまう。私はオートクリッカー使ってるから自分でクリックするわけじゃないけどね。それにもともと放置ゲームだし、PCだとオートクリックで放置して、裏で他のことやってればいいだけだから。
バランス崩壊に関して言えば、これこそ普通のゲームなら飽きる最大の原因なんだが、これってもともとゲームと言えるようなものじゃなくて、眺めて楽しむだけなので、それも気にならない。
課金でしか買えない魚はほんのわずかで、べつに欲しくもないようなのだし。だいたいこういうのをやる女子供が喜ぶのは現実にあり得ないファンシーな魚や装飾だが、私は本当に動物が好きなリアリストなので、元からそんな非現実的な生物に興味はない。深海が舞台なのにスキューバ付けたコーギーとかいらねーよ
とりあえず私の目標は本当の深海を再現すること。そのため深海魚(もしくは深海魚っぽく見える魚)をコレクションしている。あと、イルカやカジキやサメでいっぱいの海も作りたいし、軟体動物だけの海もいいし、古代の海もいいな。

とりあえず最大の難関は「Facebookで5人の友達を作ろう」というやつ。さすがにソシャゲと言われるだけあって、やたらこれが多いんだわ。でもFacebookって実名で実友達とつながるためのものでしょう? そんなどこの豚の骨とも知らない奴らとつながれるか!
ところが念のため調べたら、匿名でもアカウント作れるし、ゲーム用のアカウント作ってる人も普通にいるのね。そこでサクッと作っちゃった。それで友達募集かけたら続々集まるじゃない! それでこのアチーブメントもあっさりクリア。終わったらアカウントはサクッと消した。
しかしFacebookの仕組みってぜんぜんわからないんだけど、これってFacebookやゲーム作者に何かうまみがあるのかね?

いやしかし、適当に集めた魚見ているだけでも十分きれいだし癒されるわ。ゴテゴテした飾りもいらない。
特に好きなのはシーラカンスとリュウグウノツカイ。もともとの造形がすばらしすぎるから当然だが、本物はけっこうキモいのに、ゲームではデフォルメされてるから、かっこよさだけが際立つ。
現実に存在しないファンシー魚(クリスマス仕様のやつとか)は嫌いなんだけど、例外として王冠かぶったウーパールーパーだけはかわいすぎるので許す。(海に入れたら死ぬだろう!という突っ込みはおいといて) 両生類・爬虫類大好きなのにどうしてもっと出さないのか理解に苦しむ。両生類は無理でも爬虫類ならウミイグアナやウミヘビや汽水性のワニがいるのに!
そのわりに軟体動物はコウモリダコとかムラサキダコとか、アオミノウミウシとかゴマフビロードウミウシとかマニアックなのが揃ってるのが笑える。(単にネットで話題になった動物というだけかも)

シャチやサメやイルカはかわいいしかっこいいのだが、でかくて動きも敏捷なため、たくさん入れるとカクカクし始めるので我慢している。いつかサメでいっぱいの海とかも作りたい。
クジラはあまりにでかすぎて、近寄ってくると小さいスマホ画面では何も見えなくなってしまう。サイズはもちろんデフォルメしてあるのだが、それでもあまり違和感を覚えない程度になっている。
複数の同じ魚を入れるとちゃんと群泳するのもいいね。いっそ小さい魚ばかりたくさん入れて泳がせるのも楽しいかも。

というわけで、ストレスがないというだけでもすごいゲームに思えてしまうのは、やっぱりソシャゲ全体がおかしいと思うけど、確かに放置ゲームとしてはよくできている。問題は放置できるようですごい時間食いだってことだけ。というのも、待ってる間にも次々何かしらイベントが起きて手を離せないからだ。なるほど、ながらスマホの事故とかはこうやって起きるのだな。

ところでこれ、どこの国のゲームだろう?というのが気になっていた。日本っぽいけど、魚の名前に和名じゃなく英語名が使われてるのがあるし。(ガルパー・イールとか私は英語のほうがなじみがあるが)
そしたら韓国のゲームだったのね。なるほど、韓国の大衆文化というのは日本や西洋のいいところだけを取って、あえて韓国らしさを完全に排除した国籍不明コンテンツだと思っていたが、これなんかがまさにそうだな。つまり、放置ゲームという西洋のゲームに、日本的なカワイイ文化を入れて、でもかわいさのためにリアリティを無視したりはしないで、一部アクアおたくにも受ける要素入れてとなかなか賢い。韓国はIT大国でネトゲ文化も盛んと聞くがこういうところにも現れているね。
日本のゲームが一部のおたく(女子含む)にだけ媚びた作りなのは、おそらくこの層がいちばん金を落とすからだろうが、普通の女の子や私のようなおばさんがゲームに金を使わないのは、やりたいと思うようなゲームがないからだってことをわかってほしい。だいたい、そういうニッチな市場を狙わなければ、世界中に売れるのに。こんなことで韓国に負けてるってなんか恥ずかしいよね。

というわけで、Abyssriumは気に入って毎日遊んでいたのだが、ある日、BlueStacksがアップデートしたら、このゲームだけがプレイできなくなっていた。理由は不明で、ググってもひとつも出ない。プレイしたいのはこのゲームだけだったのにこれじゃ意味がないし、こうなってみると放置ゲームなんかに時間を割くことのバカバカしさが身にしみてきて(放置ゲームは最初はどれもおもしろいんだが、すぐこうなって飽きる)、BlueStacksともどもサックリ削除してPCゲームに戻りました。短い蜜月だったな。

しかしこれがオンラインゲームのむなしさだよねえ。これがダウンロードゲームなら、飽きてやめても忘れた頃にまた立ち上げて楽しむことができるのに、こっちは消えたらパー。いや、おそらくアカウントは残ってるからスマホ買ったら続きができるのかもしれないけど、その間のイベント何もやってないからコレクションはストップ。ていうか、確かこれFacebookのアカウントを使ってたような。Facebookなんかもう消しちゃったわ。あちゃー。

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