★★【マンガ評】漫画について思うこと――あるいはなぜ私は日本の小説・映画・音楽・アニメ・ゲームと縁を切って海外に逃げたのか

(久々の全方向無差別罵倒リビューです。そういうの気にする方は読まないように)

ここ数年、またちょっと漫画を読むようになった。
私は他のすべてのジャンル同様、漫画についても極端に選り好みが激しく、(私の考える)最高のもので、なおかつ自分が好きなタイプのものしか読まないし、読めない。(そのお気に入りのマンガについてはこちら最近のマンガについてはこちらに寸評があります)

【注】表記について
しかし漢字・ひらがな・カタカナと3種類の文字体系のある日本語は面倒だね。特に漫画みたいにどれも通用する場合は、どうしていいのか迷うし、検索でいつも困る。いちおうここでは大勢(「おおぜい」じゃなく「たいせい」だからね。同じ漢字で読みがいくつもあるのも面倒くさい)に合わせて「漫画」とするけど、手書きで書いていた頃はとにかく画数を減らすのが最優先だったので、「マンガ」と書いていた癖がまだ抜けない。よってあまり気にせず使い分けることにする。

特に漫画はもともとが子供向けジャンルだけあって、なかなかこれと思うものがなくて、もう何十年も前にとっくにあきらめて、新しい漫画家を開発しようという意欲も失せ、過去20年ぐらいはもう、わずかなお気に入りの作家の手持ちの本だけを何十回と繰り返し読む感じになってしまっていた。

ただ、断っておくと、邦画や邦楽やアニメと違って、日本の漫画のことはぜんぜんバカにしてないし、むしろプロ・アマともにレベル高いと思ってる。
でもとにかく漫画は出版量が多すぎるし、それだけに玉石混淆すぎる。映画でも音楽でもインディー好きなので、こういう大量生産・大量消費のシステムとはどうしても肌が合わない。ひとつの漫画が長すぎるし、この年になると漫画喫茶とか行くのも億劫になってきた。それでもしかしたら玉を見過ごしてるかもしれないとは思いながらもあきらめてた。

ところが4~5年前に、Kindleで漫画の単行本が「試し読み」という形でけっこうただで読めるということに気付いて、有名無名合わせてあっちこっちで拾い読みしてみた。Kindleだと、週替わりぐらいでかなりの数の漫画単行本が無料になる。何十巻もあるような長編だと最初の3冊ぐらい、10巻完結ぐらいだと最初の1巻だけというふうに。お試しセールみたいな感じで99円とかになるのもある。

あと、これに触発されてこれまでほとんど見たことがなかった無料漫画サイトも見るようになった。こういうのは雑誌連載を持てないプロ予備軍みたいな人の作品を集めたものかと思ってたが、案外プロもけっこう書いてたり、既刊の漫画を(もちろん期間限定だがかなりの量)ただで読ませてくれたりするのね。
そこで数十年分のブランクを埋めようと、いろんな漫画をあれこれ試し読みした。その中に1作でも好みのものがあれば大儲けだし(ちなみに私は気に入ったら、たとえ元が無料漫画であろうと単行本買うからね)、そうでなくてもせめて世間で有名なやつとか流行り物ぐらいは把握しておこうと。

で、結果はと言うとほぼ全滅。まさに予想していた通りっていうか、買いたいと思うほどの漫画は(有名作品や人気作も含めて)ごくわずかだった。というか、ゴミばっかり読まされて気分悪くなった(笑)。

もちろん最初から(私には)無理そうなのは除外している。そこですべてのエロ漫画と少女漫画と女性向け漫画と、ほぼすべての女性漫画家の作品が除外される。女はどうしても無理。日ごろ萌えとかさんざんバカにしているが、そのほうがまだ許容できるし理解できると言えるぐらい、少女漫画やレディースコミックは性に合わない。おもしろさがまったくわからないばかりか、絵も気持ち悪いし、ストーリーにまったく付いていけなくて、火星人か何かの話にしか見えん。
あと、これも嫌いなラブストーリーはどんなジャンルであれ除外

萌え漫画はもちろん除外だが、最近は他ジャンルに萌えを忍び込ませるのが多くて、話自体は好きそうなのに、絵があれだから読めないとか、少女が主人公だから読めないというのが多すぎて困る。
萌えの女性版と言ったら、海外だとハーレクイン、日本だとやおいということだろうが、男性は手に取る作品がどれもこれもあの絵で男同士がいちゃいちゃする漫画だったら、どれだけ気持ち悪いか想像してほしい。(やおいがキモいと言ってるだけでLGなんちゃらをバカにするつもりはありません)

こういうこと書くと婆のひがみみたいに聞こえそうだが、そう思う人はたぶんおたく文化に洗脳されている。
常識的に考えてほしい。世界中でいちばん売れてる娯楽コンテンツはおそらくハリウッド映画だが、映画の主人公は94%大人の男である(数字の根拠なし)。あとの5%が大人の女、老人とか子供とか動物が主人公の映画はおそらく1%に満たないだろう。
当の女児向けに絞ってみても、おそらく世界中でいちばん売れてる女児向けコンテンツはディズニーだろうが、こちらも主人公はほぼ80%大人(少なくともハイティーン)の女性である(数字の根拠なし)。なのに日本の漫画やアニメだけ、少女主人公だらけっておかしくない?

流行りのグルメ漫画も私には何がおもしろいのかさっぱりわからない。もともと食べることに興味がないせいもあるが、本当に食べられるならまだしも、ただの絵じゃん! 百歩譲って写真や動画ならまだ、自分で作ったり店を選んだりするときの参考になるが、実在すらしてない料理の絵を見てどうしろと?
それも『美味しんぼ』の時代なら、まだ食についての蘊蓄や、珍しい料理とか食材の紹介なんかもあったが、今のグルメ漫画ってストーリーも何もなく、主人公がごく普通の飯を食うだけのが多い。
どうやらこういう漫画は料理そのものよりもそれを食べたときのキャラの表情を見せるものらしいが、こういうの好きなやつは飯食うたびに顔を真っ赤にして、よだれをダラダラたらし、白目になってイキ顔をするのか? それ見てセクシーとかおいしそうとか思うのか? そんなやつとは絶対いっしょに食事したくないし、見ただけで食欲失せるんだが。

スポーツ漫画なんかもちろん読まない。スポーツ自体は好きなんだが、動きがすべてのスポーツを止まった絵で読んで何がおもしろいのかわからない。自分が体育会系を体験しちゃったせいで根本的に体育系が嫌いだから、精神論的なところも嫌い。

あと職業漫画ってやつがどうしてもダメ。仕事というものはなんであれ、私には責め苦でしかないので、なんで楽しみのために読む漫画でわざわざ嫌なものを思い出させられなきゃならんのだ。
職業でも特にサラリーマンと教師が主人公の漫画はすべてNG。私にとって漫画や映画や小説やゲームは、現実ではできないことをやったり、現実には見られない世界を見るためのものなのに、なんで漫画で現実を思い出させられないとならないのか。サラリーマン漫画の読者ってやっぱりサラリーマンがほとんどだと思うのだが、本当に何が楽しいのか聞いてみたい。

本当は学校が出てくる漫画、小学生~大学生を主人公にした漫画もすべて除外したいんだが、それをやると本当に何も残らないので我慢するしかない(笑)。なんでみんな学校やガキどもが大好きなんだよ! 私、大っ嫌いなんだけど!!

というわけで原則、本来の「私のジャンル」であるSF・ファンタジー・ホラー系しか読んでないのだが、ご想像の通り、むしろそれが地雷だった。

SF・ファンタジー・ホラー要素は取って付けただけのお飾りで、ほんとどうでもいいような日常的な話になるか、単なるバトルものになるか、そうでなくてもラノベの定型から一歩も出てないものばっかり。
ていうより、このジャンルのほとんどがラノベのコミカライゼーションか、ラノベ・オマージュみたい。(最近ではそれ以下の「なろう」系とかも)

マジでこれなんとかしてほしい。漫画の主要読者は子供だろうから(現実はそうでもないような気がするが)そういう需要があるのはやむをえない。だから、そういうのは18禁みたいに、15才以上閲覧禁止とか大きく書いておいてよ。中学生の性的妄想に付き合ってる暇なんかないし、うっかり間違えて見ちゃうと吐きそうになるから。
まあ、いちおう見分けるには表紙が萌え絵だったり、「エロいことしか頭にない薄らバカの中坊だけど異世界に転生した」みたいな長たらしい文になったタイトルや、ひらがなだけのタイトルは避けるということは学んだけど。

特に「異世界もの」と呼ばれるジャンルがひどい。ひどいという話は聞いていたが、自分の目で見ると本当に目を疑うばかりにひどい。もちろん私はジャック・ヴァンスあたりに始まる本当の本物の異世界ファンタジーが死ぬほど好きなんだが、そういう「本物」を期待して読むと間違いなく痛い目に遭う。
どうも日本じゃエルフとか魔法使いとかが出てくるファンタジーはすべて異世界だと思われてるみたいね。ちがーう!という定義は別として、そもそも異世界というのは、日常とかけ離れた、我々凡人には想像もできないような、常識の一切通用しない世界だからおもしろいのに、なのに完全に日本のお茶の間(+ネット)の常識(+オタの妄想)を越えてないんだよ。

「ごく普通の高校生が突然異世界に投げ込まれる」 ←ここまではまだいいよ。
だけど、その異世界の住人たちや、その世界のルールが「ごく普通の高校生の妄想レベル」なのをなんとかしてってこと。登場人物は読者の代理だから普通の高校生でもいいけど、作者がそのレベルじゃ困るんだよ。というぐらい設定がゆるゆるのぐだぐだ。
いや、待てよ。私は恋愛とかセックスなんて日常の最たるものだからつまらなくて嫌いなんだが、もしかして童貞には常識を越えた異世界に見えるのかも(笑)。

冗談はさておき(冗談とばかりも言えないのが恐ろしいんだが)、私は昔から、なんで日本じゃ青年漫画でも子供(高校生どまり)を主人公にするんだろうと不思議に思っていたが、それってもしかして作者が高卒でそれ以外の世界を知らないから? いや高卒をバカにするわけじゃなく現実に高卒の人のほうが大卒よりよっぽど世の中を知っていて人間もできてることは多いけどね。でも漫画で食べていこうという若い人は他の世界なんて学ぶ暇ないだろうし。
これって要するに話の背景を描きたくても、世間を知らない、調べる気もない、架空の世界を構築する能力もないから、適当に異世界ってことにしておけば矛盾や間違いに突っ込まれないで済むと思ってるだけとしか。
だからこそ異世界ものってのは、その世界の歴史から言語から風俗習慣からすべて完璧に構築しておかないとだめだって言ったのはトールキンだっけ? G・R・R・マーティンだっけ? いや、そのレベルと比較するのもおこがましい。(そういう意味じゃSkyrimのTES世界はそういう背景がすべてできてるのがすごいな。シナリオはガバガバだけど)

異世界まで行かなくても、そもそも漫画やアニメに外国人が出てくる、あるいは外国を舞台にしているだけで眉唾ってあたりで、察するべきですがね。

もちろん最近は、漫画家もよくリサーチしている(特に歴史物は)から、明白な間違いがあるとかいうんじゃない。建物とか衣装とか歴史的事実とか、むしろびっくりするほどよく調べてはあるんだが、根本的に何かが違う! ていうか登場人物が全員外人の皮をかぶった日本人でしかないんだよね。外人は絶対こんなこと言わないだろう?とか、外人はこうは思わないだろう?みたいな。(外人じゃなくても、歴史物なんかは「この時代の日本人は」と言い換えてもいい)
見かけは外人でも魂が違う。中味は全部現代の日本人なんだよね。(まあ、ハリウッド映画も同じだってことはすでに書いたが)

ネットで調べられない部分は全部嘘。こういうのって調べてわかるものじゃないからね。それより外国映画見たり外国小説読んでれば自然と肌身で感じるものなんだが、学生と話してるとわかるように今の人は本当に外国もの見ないし興味もないから。
出てくる英語は99.99%嘘だし、外国人キャラの名付けは根本的に間違ってるし(これは名前フリークの私にはいちばんイライラする)。これなら全部日本の話にしてくれたほうがいいと思うんだが。おかげで外国が舞台だったり、外国人が出てくる漫画もすべて読めない

そんなわけで矛盾するようだけど、本来の「私のジャンル」であるSFとファンタジーは真っ先に避けないとならないというひどい事態に。そうすると残るのはホラーかサスペンスだけなんだが、こちらはこちらでまたひどい。

このジャンルだとやたら多いデスゲーム系ってのもひとつ残らずひどいね。発端になったのは『リアル鬼ごっこ』とか『バトル・ロワイアル』あたりの小説だろうが、元の小説がこれ以下はちょっと考えられないぐらいひどいのに、それの二番煎じどころか五十番煎じぐらいだから、まともなものになるはずがない。

最近読んだのはどれもこんな調子。高校生グループが主人公で、そいつらが次々殺されたり殺したりするデスゲーム。それで仲間が死んだり殺したりしたときはえらい愁嘆場になって大騒ぎするのだが、翌日には「つまづいた拍子にうっかり女の子の胸に触っちゃって、キャー!」とかいうのを平気でやってる。こいつら、なんかの障害者?(笑)
エロでなくても、たまたま目にした漫画でこんな場面があった。「やーもぉ。そんな血眼にならないで。気長に待ってますよ」と女の子が笑いながら言ってるのを見れば、せいぜい貸した漫画を早く返すとか、そういうシチュエーションを想像するが、これは父親を惨殺された女子高生がその葬儀の場で、刑事に「一刻も早く犯人を捕まえるよ」と言われたときのセリフである。それでこの返事を聞いた刑事が「えらい子だね。頑張って耐えてる」と言うのだが、いやもうこれ壊れちゃってるでしょ! 病院連れてけよ!
もちろんそうじゃなくて、単に文章書けない人が書いてるからなんだが。

こういうのがKindleやウェブ漫画とは言え、商業ベースに乗っちゃう国って白痴の国か?(名指しはしないが、大手の商業作品にも多し) 『ひぐらしのなく頃に』(ゲーム版)を見て、あまりに白痴なんで驚いたが(ゲーム版のセリフってまさに上の例みたいな感じだった)、むしろあれってこの世界じゃ普通というか、それでもぜんぜん知能高いほうだったのかも。(あの後『ひぐらし』は漫画版も読んだが、こちらはアニメと遜色なくよかった。原作だけが群を抜いてひどいって何これ?)

あとサバイバルっぽいのも流行りなのかよく見た。『漂流教室』もどきっていうか、突然、主人公と他数人が異世界みたいなのに放り込まれて、理不尽で過酷な環境で生きて行けと言われたり、魔物と戦ったり、逃げだそうと模索したり。これも一種のゲーム漫画かね。とにかくこの手はまったく「世界」ができていないうえ、ご都合主義とゆるゆるの「ルール」のせいで突っ込みどころ満載なのと、それこそゲームのNPCみたいにテンプレのセリフしか言えない登場人物のおかげで、まるで見るに堪えない。

結局、私が比較的抵抗なく読めるのはホラー漫画なんで、ついホラーばっかり読んじゃうけど、これもけっこう無理なのが多い。というか考えてみたらすべてだめだった(笑)。他のジャンルならまだ数本は好きなのもあったけど、ホラーで買いたいような漫画はほとんどなかったから。

日本のホラーってどうしても日常ホラー(学校の怪談的な)が中心で、私の大好きな超常ホラーや、異世界ホラーや、モンスターホラーが少ない。(上記のように異世界行っても日常やってるし) せっかくのホラーをいじめとか殺人鬼とか、現実にいくらでもあるものと結びつけるなよ!
私が好きなのは、ラブクラフトとか諸星大二郎がそうだが、表面的な恐怖の向こう側にとてつもない想像を絶する神話的な何かが潜んでいるようなやつ。
日本のホラー小説がまったく読めない時点でお察しだが、日本で人気のある伊藤潤二とかもまるでだめ。
あと日本のホラーってウジ虫とかゴキブリとか顔が変形するとか、そういう表面的な「気色悪さ」で怖がらせようというのがだめだな。

それでいて、平均的画力は一昔前より格段に上がってるのね。おそらくデジタル技術のせいだろうと思うけど。大友克洋がデビューして「画力すげー!」と言われていた時代なら賞賛されただろうと思うレベルの絵を無名漫画家が平気で描く。もちろんそれでも大友には遠く及ばないけど。
あと、うまいと言われている漫画家でも、それは見開き大ゴマで背景をぎっちり書き込むのがすごいというだけで、人物やアクションはまったく描けない人も多い。そうでなければ女の子の顔はかわいく描けて、ヌードもエロく描けるけど、そもそもデッサン狂ってたり、手足の付き方が変だったり、老若男女全員同じ顔だったり(笑)。有名漫画家でも、これでありなのかよ?と思う人も多数。
昔の少女漫画は「ハゲのおっさんなのにキラキラ星目」とバカにされたが、今は少年漫画の絵柄自体が目のでかい少女漫画寄りになってるので、必然的におっさんも少女化していて気持ち悪い。

とりあえず、アニメの世界じゃ通用するようだが、漫画は絵だけうまくたって、お話書けなきゃしょうがないという当然の結論でした。そのせいか、昔とくらべ原作つき漫画がすごく増えたような気もする。
私のオールタイム・ベスト漫画家は画力という点ではほぼゼロに近い諸星大二郎だし。(諸星さん、ほんとにごめんなさい) そのせいか、ジャンプみたいな大手の雑誌連載を持っている漫画家は総じて下手な気がする。(ジャンプ漫画家の皆さん、ごめんなさい) これはやっぱり画力よりもストーリーを優先するとどうしてもそうなるんだろう。その点ウェブ漫画なんかは絵が描けるだけである程度の読者が付くし、簡単に単行本になっちゃう時代だから。

いつも言うように、私はストーリー漫画よりギャグ漫画のほうがはるかに知性とセンスと才能が必要なので上等だと思っているし好きだ。優秀なギャグ漫画家というのは、キチガイ的天才か、天才的キチガイだというのが私の持論。それでしばしば、発狂したり、自殺したり、失踪したりする漫画家が多いのもギャグ漫画で、それだけシビアな世界なんだと思ってる。
ただ、ギャグというのは(『こち亀』みたいな異常なのを除くと)巻数が少ないので無料化されないのはちょっと残念。まあ、ギャグのできのいいのなら無条件で買うからいいけど。
ただ、無料で読んだそのわずかなギャグ漫画にも愕然とさせられた。

まず学んだのは、最近はギャグの才能なんかゼロでも、かわいい女の子さえ描ければギャグ漫画家になれるのね。それが日常系と呼ばれる(しばしば4コマ)漫画なんだが、単に女子高生の仲良しグループがキャッキャウフフしているだけで、最初見たときは「オチは? オチはどこなの?!」と叫んでゲシュタルト崩壊しそうになるほどびっくりした。
その女子高生がまた童貞おたくの脳内にしか生息しない架空の女子高生なところも痛すぎる。現実の女子高生なんて男(現実のだろうと架空のだろうと)の話しかしてねーよ(笑)。でもこの世界の女子高生って絶対男やセックスのことなんて考えないのな。私の印象じゃ、漫画の女の子たちは設定年齢に関わらず、見かけも中味もだいたい小3ぐらいの感じ。

そうでなければほとんどがいわゆるエッセイ漫画。これまた作者の身近な日常のどうでもいい話を淡々と語ってるだけで、いちおうギャグとかオチはあるが、ほんとにどうでもいい感じの、サザエさんより無害な漫画。これも流行りのネコマンガのほとんどがこれ。
私はこれほどの猫好きなんだから、猫ならなんでもよさそうなものだが、描いてる内容は猫飼いなら誰でも知ってる(あるいは毎日見てる)ような本当にどうでもいいことだけで、それでも猫がかわいければまだしも、これがまた絵が致命的にかわいくないし。猫なんてどうすればかわいくなく描けるのか不思議。
ああ、ちなみに動物漫画もほぼすべてだめです。動物は好きなだけに粗が見え過ぎちゃうのと、猫漫画と同じで誰でも知ってるようなどうでもいい蘊蓄が多すぎるから。爬虫類死ぬほど好きなんで、噂の爬虫類漫画も読んでみたけど、ネットで調べれば出てくるような単なる飼育マニュアルに(私にとっては)どうでもいい人間のラブコメ要素を加えただけだった。想像力も創造力もなしに書けちゃうこういうマニュアル漫画も本当に多い。

あと、昔は男性向け漫画でも少年誌と青年誌の住み分けができていた。私なんかは少年漫画はさすがに無理だが、青年向けならまだなんとかという感じだったのだが、もうその区分けが意味をなさない、っていうより、今の青年誌の漫画が私の感覚では少年漫画だ。少年漫画はもう幼年漫画。そりゃ大学生が(体はともかく頭の中味も学力も)50年前の中学生とほぼ同等のお子ちゃまなんだから驚くことじゃないわ。
でもそういう時代だからこそ、大人向けの漫画誌(サラリーマン向けとかレディースコミックの意味じゃないよ)が1冊ぐらいあってもいいと思うんだが、寡聞にして私は知らない。
まあ、ぶっちゃけた話、これは漫画だけじゃなくて小説でも映画でも音楽でもゲームでも私にとっては同じことで、一言で言っちゃうと、私の印象では日本のものはみんな幼稚で薄っぺらで中味がなくて貧乏臭い。だから私は大昔に日本のものからいっさい手を引いて、海外ものしか見ない聞かないんだが。漫画だけはまだ日本がリードしているんでやむをえず。海外の大人向け漫画ってつまらないんだよね。

ちなみに、これまで書いたこと、特定の作品だけの話じゃないよ。そのジャンルの漫画はどれもこれもみんなそうで、それこそハンコで押したような量産品だったのだ。
それで結局、いい漫画を探すのはほぼあきらめた。今好きな人たちの作品だけで十分だわ。結局ネットやSNSや「なろう」のおかげで、昔とくらべ創作のハードルはものすごく下がった。それ自体はいいことなんだけど、同時に読者のレベルも下がって、結局悪貨が良貨を駆逐するみたいになっちゃってる。
ちょうど昔『ハリー・ポッター』が流行ったときに私が心配していたのとそっくり同じで、ファンタジーがブームになって出版数もどっと増えて、だからファンタジー好きは万歳かと思いきや、ゴミの山に埋もれて本当の玉が見つけられなくなる(し、本当に才能のある作家が評価を受けられないまま失われていく)ことを恐れていたが、今の漫画もそう。日本映画はまったく見ないので知らないが、かつてはあれだけの栄光を誇っていた日本映画がだめになっていた原因もそのへんにありそう。

状況は絶望的だが、なんとなく、将来期待できるのはウェブ漫画のような気がしている。実際、商業的にビジネスになりにくいギャグ漫画はウェブ漫画のほうが圧倒的にレベルが高いし、すでに地獄のミサワという巨人を産んでいるし、ウェブ漫画についてもあとでまとめる。

というわけで、ボロクソ言ってるようだが、それも漫画を愛する故ということで勘弁してほしい。最初に言ったように日本の漫画の水準は(これでも)他国をはるかに凌駕しているし、ポテンシャルは計り知れない。最近知ってすばらしいと思った漫画については、あとでちゃんとした漫画評を書くつもり。

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