【映画評】マイケル・ファスベンダーの結婚とジェーン・バーキンと例によってレッドグレイヴ母子の話

これは『スノーマン 雪闇の殺人鬼』のリビューの続きです。今いちばん惚れてるマイケル・ファスベンダーの映画で、けっこう期待して見たのに映画のできに不満だったため、映画の話はそっちのけで、ファスベンダーの結婚の話とか、往年の英国の美人女優ジェーン・バーキンとヴァネッサ・レッドグレイヴの話で盛り上がってしまったので、別記事にしました。カテゴリが映画なんで【映画評】と名は付いていますが、ほぼ個人的なフェティシズムの話です。

参考

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』
『ドラゴン・タトゥーの女』
レッドグレイヴ家の女たち――私の愛した女優たち
美しく老いるということ

♦ というわけで、あらためて場所を変えて対談形式でやることにしました。
♥ なんでこういうことになったかというと、『スノーマン 雪闇の殺人鬼』でマイケルの相棒の刑事を演じたヒロインのレベッカ・ファーガソン(Rebecca Ferguson)がけっこうかわいくて好みのタイプだったんだよね。(と言っても30代半ばですが、いつも言うようにおばさん好みなので)

♦ 彼女はスウェーデン人の女優さん。美人だけどそこまで好みじゃないかな。
♥ でもなぜか見覚えがあるのでなんでだろう?と思っていたのだが‥‥
♦ 『ヘラクレス』(2014)のヒロインか。
♥ あの映画、まだリビューは上げてないけど、わりと好きだったんだよね。
♦ レベッカの役柄は幼い頃に犯人に父を殺されて、その復讐のために捜査に命を賭けているという設定。
♥ 普通のミステリだったらこの手のヒロインは絶対殺されないんだが、この映画ではあっさり殺されます。

♦ で、もうこのリビューは終わりにしようと思ったんだが、ふと、そう言えばマイケルもブルネットのスウェーデン人女優と結婚したんだよね、と思い出して。
♥ 気に入らないから封印していた記憶を呼び起こされてしまった。
♦ そこまで嫌う?
♥ 嫌うってほどでもないが、なんとなく気に入らなかっただけ。こちらがそのお相手のアリシア・ヴィキャンデル(Alicia Vikander)嬢なんだが。

♦ 普通に美人じゃない。何が気に入らないの?
♥ 目つき。なんかこういうジトッとした目がいや。
♦ ほとんど言いがかりだな。
♥ あとロリっぽい感じがするところ。あとこの写真じゃわからないけど、明らかになんか混じってる感じで色黒だし。何も外国人なんかと!
♦ ちなみに私が外国人というのは「イギリス人以外」の意味です。マイケルだって英国人じゃないし、EUはもうひとつの国なんだから、別に嫌うほどのことじゃないと思うけどな。それとも嫉妬?
♥ まさか! マイケルはけっこう恋多き男で、映画で共演した女優とはだいたい噂が立ってるけど、共演した女優とくっつくのってなんかさもしくない?
♦ だんだんただの言いがかりに(笑)。ちなみに二人が出会ったきっかけは『光をくれた人』(2016)で共演したことかと思ったら、2014年から付き合っていたというから、けっこう真剣交際じゃないの。単に映画の雰囲気に呑まれてくっついたというのとは違うよ。
♥ とにかく私は彼にはシャーリーズ・セロンと結婚してほしかったので、悔しいだけなの! むしろマイケルよりシャーリーズの方が好きなぐらいなんで。

MTVアウォードでのマイケルとシャーリーズ

♦ そういうことか。確かに似合いのカップルではあったが。でもシャーリーズはあの通り、いろいろ破天荒な女の子みたいだし、男としてはアリシアさんみたいな家庭的な感じの方がいいんじゃない?
♥ まあいいわ。どうせ別れるから。
♦ ひどい。
♥ だってハリウッドスターで別れなかったカップルなんていないもの。
♦ ヨーロッパは違うんじゃない?
♥ 北欧女なんて地雷じゃないさ。若い頃はどんなにきれいでも年取ったらゴブリンだぞ。
♦ もうやめなさいよ。何を言っても負け惜しみにしか聞こえないから。ところでアリシアのバイオを読んでたら、トーマス・アルフレッドソンとも仕事してるのね。
♥ それは同じスウェーデン人だからでしょ。
♦ この世界狭いわ。

♦ というところで第二ヒロインのシャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)の話にいくはずだったんだよね。
♥ 彼女はマイケルの元カノを演じるんだけど、「え? 彼女にしちゃ年が違いすぎない?」と思ってしまった。
♦ マイケルだってもういい年なんだけど。それにしてもシャルロットの方が年上だけどね。

♥ でもマイケルはまだまだ若いしかわいいじゃん。こちらはもう見る影もないほど衰えた。まだ45歳なのに、どこのおばさん?という感じ
♦ 確かに。本当にこういう感じのおばさんって日本人にもよくいるわ。
♥ ところがシャルロット・ゲンズブールと言えば「美少女」じゃなかったの?!
♦ 私は若い頃から「美少女?」と思っていたからそれほど驚かない。
♥ まあなにしろ父親があの醜男のセルジュ・ゲンズブールではね。
♦ お母さんのジェーン・バーキンはあれだけの美女なのに。まあジェーン・バーキンの娘でも映画監督のジャック・ドワイヨンとの間の娘はそれなりに美人だから、やっぱりタネが悪かったか。

♥ それで、娘はどうでもいいけどお母さんのジェーン・バーキン(Jane Birkin)はイギリス女だし大ファンだったから、今頃どうしているのかしらと思って、検索かけてみたんだよ。そしたらショック! なんと今の姿はこうなんだよ!

ジェーン・バーキンThen & Now(2016年)

♦ う~ん、かなりきついが、まあ年から言ってしょうがないんじゃない? もう70過ぎなんだから。それにしてもこの写真(右)を載せる日本語Wikiは悪意を感じるな。こういうおばちゃんも日本によくいるねえ。
♥ えー、だってヴァネッサ・レッドグレイヴなんて年はジェーンより10以上年上で90近いのに、まだはっきり若い頃の面影があるし、かわいいじゃない!
♦ だからあの人たちは化け物だって。
♥ こんなの信じたくない! 若い頃のジェーンは本当に妖精みたいな完璧な美貌だったのに! セルジュ・ゲンズブールの爺に生気吸い取られたんじゃないのか?
♦ そういえばあの結婚にもカッカと怒ってましたね
♥ そう。だからついジェーンのこと思い出しちゃって。
♦ でもヴァネッサがトニー・リチャードソンと結婚したときはそんなこと言ってないでしょ。
♥ さすがに時代が古すぎ、その辺のことはあとから知ったんですってば。

♦ でもヴァネッサの映画はけっこう見てるけど、ジェーンの映画ってそんなに見たっけ?
♥ あんまり接点がなかったね。『ナック』(The Knack 1965)がデビュー作らしいし、あれは大好きな映画だったけど、もう覚えてないな。
♦ 端役だったからでしょ。あの映画は同じく端役でシャーロット・ランプリングジャクリーン・ビセットも出ていたというすごい映画なのだ。
♥ 英国美女揃い踏みじゃない。ヴァネッサもいたし、ヘレン・ミレンもいたし、あの頃の英国映画は良かったなあ。
♦ ハリウッド女優が昔とくらべ精彩がないけど、イギリスも同じかもね。まあイギリスは男優は絶対今の方がいいけど。
♥ 写真を並べててわかったけど、最初に出てきたレベッカ・ファーガソンって劣化版ジェーン・バーキンみたいね。せめてマイケルがこっちを選んでくれたらまだ我慢できたのに。

♥ その翌年がアントニオーニの『欲望』か。これはヴァネッサの主演作で、ジェーンは脇役だった。
♦ 当時は知らなかったけど、『ナック』も『欲望』もカンヌのパルムドール取ってるのね。本当にイギリス映画が全盛だった時代なんだよねえ。
♥ でもジェーンはヴァネッサみたいに賞を総なめとかしてないよね。代表作と言えるほどの主演作もないでしょ。
♦ 日本だと彼女の名を冠したバッグの方が有名だったりする。
♥ なのにOBEもらってるんだよね。なんでかな?
♦ 美人だから(笑)。私自身、彼女の映画なんてほとんど見てないのに顔だけで好きだったから。
♥ まあ実際、あの時代の英国一の美女だった。ヴァネッサを何度も絶世の美女と持ち上げてるけど、『欲望』ではルックスだけならジェーンの方がずっときれいだった
♦ 年が違いすぎるんだからそれは不公平だよ。それに『欲望』のヴァネッサはあのひどい髪型のおかげでここに写真貼る気もしない。
♥ そういう国宝級の美女だったのに、なんでフランスの子泣き爺なんぞに!!!
♦ というわけで、結婚当時のジェーンとゲンズブールの写真。

♥ まさに美女と野獣! もとい、美女と妖怪!
♦ でもヴァネッサとトニー・リチャードソンだってたいして変わらんと思うぞ。

♥ 確かに(笑)。
♦ 映画監督としては、すでに書いたように黒澤明も絶賛したという本当に偉い人だったんだけど。
♥ でも夫がゲイだったというのは笑えないよ。
♦ つまり二人ともこれほどの美女なのに、男は顔じゃなく才能で選んだと。えらいじゃない。
♥ あと、少しは子供に与える影響も考えてほしい。
♦ でもさ、レッドグレイヴ家の女たちでは父親の遺伝子は娘たちにはまったく伝わってないと書いたけど、よくよく見るとジョエリーなんかは、お父さんのいちばんの特徴(でかい鼻と耳)は受け継いでるんだよね。それでもあれだけ美人だからすごいんだけど。
♥ この家系でえらいと思うのは、相手は顔はアレでも確実に長身の男ばかり選んでるってところだけだな。おかげで娘たちもみんなあのスタイル。

♥ というわけで、どちらかといえばジェーンの方が美人顔だったし、夫のタネは甲乙付けがたいほどひどかったにも関わらず、それから50年後の母と娘はここまで差が付いたという証拠写真。

シャーロットとジェーンの母娘

ジョエリーとヴァネッサの母娘

♦ いや、ちょっとこれはかわいそうでしょ(笑)。
♥ そう? 別にジェーンがひどく見える写真選んだわけじゃなく、これでもいちばんいい写真選んだんだよ。それにヴァネッサの方だけドレスアップしてたんじゃかわいそうだから、二人ともスッピンでくつろいでるスナップをわざわざ探してきたのに、なんなのよ、この違いは!
♦ だからこの母子は化け物だって。
♥ もうそうとしか言いようがないよね。

♥ この人たちが年取ってもきれいな理由をあれからもいろいろ考えたんだけど。
♦ 何? それは私も興味ある。
♥ (演技以外では)なんの苦労もしていないというのがひとつ。あとは、やっぱり知性かな。
♦ やっぱりそれはあるね。
♥ DQNの女の子なんて、若い頃はいくらきれいでも中年になれば下品なおばさん丸出しになるじゃない。やっぱり知性って表に現れるよ。
♦ 確かにそれは思う。私の周囲の女性教授たち、もちろん個人差も大きいけど、平均すれば同世代の女性よりずっと若々しいしきれいだ。
♥ それはまた別の要因もあると思うけど。基本的に裕福なうちの人が多いってことや、毎日大勢に見られる職業だってことや、年を取っても続けられる(私なんか辞めたいけど辞められない)職業だから、隠居してグダグダになることもないし。
♦ とにかくヴァネッサは本当に頭がよくて聡明な人だし、心もきれいな人だし、内面になんにも汚いものがないっていうのが、見てるだけでわかるじゃん。

♥ じゃあジェーン・バーキンは心が汚いみたいじゃないさ。
♦ そうは言っていない。外見とは関係ないところで、彼女も今でも魅力的だとは思う。だいたい自分に自信がなけりゃ、この年でスッピンで写真撮らせたりしないでしょ。この飾らない感じと自信はすごーく好き。
♥ 確かにこの人が一種の教祖としてあがめられるのはわかるわ。
♦ これは「美しく老いるということ」でアニタ・エクバーグ(そう言えば彼女もスウェーデン女だ!)について書いたことと同じかな。あれだけの美人だったんだから、もう何も怖いものはない。
♥ でもジェーンっていかにもカルト・ヒロインという感じね。
♦ それはヴァネッサのほうだよ。彼女は社会意識も強かったし。
♥ それでもあくまで女優としてであって、ジェーンみたいに時代のアイコンみたいにはなってない。私としては美人ということと、不細工な旦那とベタベタしてるところしか記憶にないんだが。
♦ とにかく英国女優はいいってことで。
♥ 変な外人に引っかかりさえしなければ。

♦ そうやってジェーンのことを売国奴みたいに言うけど、ヴァネッサもシャーロット・ランプリングも外国人と結婚してるんですけど。
♥ イタリア人はいいんだよ。イタリアは好きだから。フランスとは性が合わないだけ! あと、シャーロットはもともとフランス人っぽかったからいいの。
♦ なんだ、そりゃ。
♥ とにかくアニタ・エクバーグを思い出したので声を大にして言うけど、マイケルはアリシアとは別れた方がいいと思うぞ。スウェーデン女は年取ると化け物だから。イギリス人がいいよ、やっぱり。男も女も。

♦ これを書きながらいろいろ気になりだしたので、往年の英国美女の今昔を調べてみました
♥ シャーロット・ランプリング(Charlotte Rampling)はこれもマイケルの『アサシンズ・クリード』で見て、あまりに老けたのでショックを受けたんだっけ。
♦ 「もともと半分溶けたような顔つきとジトーとした目つきが色っぽかったんだけど、それが溶けきってしまって」なんて書いてる(笑)。
♥ まあ70台なら溶けてもしょうがないが、私たちにとってシャーロット・ランプリングと言ったらやっぱりこれだよね。

CharlotteRampling-nightporter

♦ もちろんリリアナ・カヴァーニ監督のイタリア映画『愛の嵐』(Il Portiere di notte 英題: The Night Porter)(1974年)の一コマ。
♥ 当時も今も恋愛映画の最高峰だなー。あとSM趣味と変態性欲についてのバイブルでもある。
♦ 当然、その主演だったシャーロットは私のセックス・シンボルでもあったのだが、今はこう。

CharlotteRampling-old

♥ たいして変わってないじゃない。もともとこういう顔だったし。
♦ 「あまりに変わり果てた姿」とか言ってたけど、確かに見れば一目でわかるよね。それぐらい超個性的な要望だから。
♥ あとイギリス女優って脱ぎ惜しみしないからよかったんだよね。ヴァネッサもだけど。

♦ 他にこの当時の英国美人女優というと、ジュリー・クリスティ(Julie Christie)?

JulieChristie-young

代表作『ドクトル・ジバゴ』のジュリー

♥ 確かに彼女も超美人だったけど、そのわりに女優としての印象は薄いなあ。『華氏451』(1966)とか『赤い影』(1973)とか、印象的な映画は多かったんだけどねえ。
♦ 役柄のせいかもね、強烈な印象を残したヴァネッサやシャーロットと較べると、わりと良妻賢母的な役が多かったせいか。

JulieChristie-old

♦ それでこれが御近影だというのだが‥‥
♥ うそー! 今でもきれいじゃない。ずるいー!
♦ ずるいかどうか知らないが、他の写真を見てもそうだから、70代でもまだこの美しさみたいよ。
♥ この人、整っているというだけでプラスアルファの魅力がないと思ってたけど、結局年取ってもそれは同じなんだねえ。その意味ではやっぱり今でもジェーンやヴァネッサのほうが魅力的。

♦ やっぱり美人女優ということで当時は人気が高かったが、私がいまいち乗り切れなかったジャクリーン・ビセット(Jacqueline Bisset)は?

JacquelineBisset-young

♥ 何に出てたっけ?
♦ トリュフォーの『アメリカの夜』とか。
♥ 見に行ったのは覚えてるが、どんな話かも忘れたわ。
♦ ジャクリーンはやたらたくさん映画に出てるわりには印象に残る作品がないという印象。
♥ だいたい「豪華キャスト」をうたった映画にはたいてい出てる感じ。顔もかわいかったけど、ジェーンみたいな圧倒的な魅力は感じなかったなあ。

JacquelineBisset-old

♦ それで現在のお姿がこれ。
♥ ああ、面影あるね。特に目のあたりとか。彼女もきれいに年取ったほうじゃない?っていうか、基本的にイギリス人女優は年取ってもきれいだから好きなんだけど。「美しく老いるということ」に書いたように、それ以外の白人は目も当てられないケースが多いけど。

♦ あとこの当時の英国美女として印象に残っているのはスーザン・ジョージ(Susan George)。
♥ 『わらの犬』のロリ妻か。あのレイプシーンはエロかった。
♥ この人もはっきり面影あるね。ただ元が白痴美人だからか、あんまり魅力的と思わない。

♦ 白痴美人というならこの人でしょう、というわけで、若い頃は大嫌いだったのに、年を取ってから惚れ込んだ稀有なケースがヘレン・ミレン(Helen Mirren)。これが60年代のヘレンなんだけど、

HelenMirren-young

♥ いたいた! そう言えばよく見たわ、この人!
♦ この写真だけでもわかるように、たいていエロ要員で、主人公を誘惑するダム・ブロンド(おつむの足りないブロンド女)の役柄で。
♥ 下品だし、かわいくもないんで私は嫌いだった。
♦ ただおっぱいは大きかった。というか、上の人たちほぼ全員(スーザン以外)、胸はぺちゃんこだったから。イギリス女というとガリガリのイメージで。
♥ そのヘレンが年取ったらこんなに変貌するなんて誰が想像したでしょうか?

HelenMirren-old

♦ 今や知性が売りのすてきなおばさまに。
♥ おまけに若いときより貴族的でかわいく美人になってるって何これ?
♦ というわけで、ヴァネッサやジェーンは別格として、今のイギリス女優じゃヘレンがいちばん好きなんだよね。
♥ まあ、イギリス男もだいたいそうだからね。若いときは見られたものじゃなかった、あるいは色気がビンビンすぎて気持ち悪かったのが、年取ってお爺さんになったとたん、絵に描いたような英国紳士にってよくあるパターンじゃない。ショーン・コネリーとかがまさにそうだったけど。
♦ ふむ、確かに。これはマイケルも老後は安泰か。
♥ 確実に禿げるけどね(笑)。というところで無理やりだが落ちが付いたので今日はこの辺で。

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