【マンガ評】五十嵐大介『海獣の子供』 (2006-2011)

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五十嵐大介動物や自然をテーマにした幻想的な物語を描く人というので、前から気になっていたマンガ家。

お話は学校になじめない14歳の少女琉花(るか)が、ジュゴンに育てられた少年(うみ)に出会ったところから始まる。彼はもうひとりの少年(そら)といっしょにフィリピンの沖合で発見されたのだ。

2~3歳まで海中で暮らしていたので長時間水の外にいると体調が悪くなるとか、そもそも赤ん坊が海の中でどうやって生きてたんだよ!とか、海はフィリピンあたりの南方系、空は金髪の白人で、2人とも明らかに日本人じゃないし、彼らを拾った保護者も関係者も全員外国人なのに、なんで日本語の名前がついていて日本語をしゃべるのかとか、そういうところに突っ込むのは野暮なんだろうから、とりあえずやめておく。まあ、前者はファンタジーと思えばどうってことないが、後者はファンタジーでもあり得ないと思うが。

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★【マンガ評】ながいけん『第三世界の長井』(2009-2019)

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人は何故、人たり得ているのか。
人間社会とは何なのか。
神は存在するのか。
真実など、この世にあるのか――
ながいけんが紡ぐ新世界。
現実と虚構が複雑に交錯する「万物の真理」の世界をあなたも旅してみませんか?

――オフィシャル・サイトの「作品紹介」より
(ただしこれはあんまり真に受けない方がいい)

というわけで、漫画リビューの最初には『ゴールデン・カムイ』が来ると思ったでしょ。残念でした。私がそんな月並みなことをするわけないじゃない。もちろん『ゴールデン・カムイ』は大好きなので、完結したら何か書きたいけど。

そこで記念すべき漫画リビューの第1弾は(前にもますむらひろしとか『てるみな』とか書いてるのを忘れてる)、崩壊する現実がテーマの不条理ギャグ漫画。なんで知ったのか思い出せないんだが、たぶんAmazonのおすすめに出てきたんだと思う。やるじゃん、Amazon。

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★★★【映画評】クリストファー・スミス『トライアングル』 (2009) Triangle

♥ 『センチュリオン』のところで述べた英国の宝くじ映画は、なかなか秀作が多いことがわかったので、気が付くと見るようにしている。これもそうして見つけた一本だけど、まさに宝くじ並みの大当たりだった。
♣ 宝くじ映画とは、BFI(英国映画協会)が英国宝くじ基金を使って、有望な若手英国人監督に出資して作らせている映画です。
♥ これがこれまでに14のオスカーと31のBAFTAを取っているそうだ。いつの統計かわからないので、現在はたぶんこれより増えてるだろうけど。
♣ 有名どころでは『英国王のスピーチ』(アカデミー作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞、他多数)、『ゴスフォード・パーク』(アカデミー脚本賞、ゴールデングローブ賞 監督賞)、『リトル・ダンサー』(BAFTA 主演男優賞・助演女優賞・作品賞)、『ラストキング・オブ・スコットランド』(フォレスト・ウィテカーがほとんどの主演男優賞を独占)などが宝くじ映画です。
♥ ちなみに例によって見る前は、一種の心理サスペンス/ホラーだということ以外は何も知らずに見始めた。
♣ とりあえず最初にこれ置いときましょうかね。あと、青字になってるのはあらすじです。
♥ どうせ全部ネタバレしてるけどな!

!!!ネタバレ注意報!!!

これはとってもおもしろい、いい映画なので、まだ見てない人は先に下のネタバレは見ないことを強くお勧めします。おもしろさは保証するので、ぜひ予備知識なしで見てください。逆に見たけど意味がわからなくてさっぱりという人には、いい解説になってると思います。

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【マンガ評】近頃(と言ってもここ20年ぐらい)のマンガ寸評

はい、実はもうかなりのマンガ評ができてるし、ぜひひとりでも多くの人に知ってもらいたいマンガはあるんだけど、まだもったいぶってそれは出しません(笑)。

というわけで、ここ数十年のブランクの間に出版されたマンガの中で、私が気に入ったマンガや、気に入らなかったマンガについて書こうと思うのだが、ただ、私の「あとで」ぐらい当てにならないものはないので(笑)、忘れないうちに寸評だけ書いておこうと思う。
ただし、これはすべて読んですぐ書いた走り書きのメモで、普通はこれを元にちゃんとしたリビューを書き起こすんだけど、私はこういう短いのを書くのが超苦手なんで、これだけでは誤解を招いたり、納得の行かない部分があるかもしれません。また、最初の数巻だけしか読んでいないものも多いので、勘違いや誤解があったらごめん。
あと、アニメ化されている作品も多いけど、書いてあるものを除き、アニメはまったく見てません。理由はいつも言うように日本の声優が嫌いで、イメージを壊されたくないから。

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★【マンガ評】私の漫画50年史

というわけで、最近読んだ気になるマンガ(好きなのだけではない)について書こうと思うのだが、アニメについての個人史は前に書いたので、マンガ論の前史としての私のマンガ史を書いてみようと思う。

【ご注意】 などと、偉そうなことを書いていますが、他のジャンルと同じく、私の好みはきわめて極端でなおかつ偏向しているので、決して一般向けのマンガ入門みたいなんじゃありませんし、お子様に見せられるようなものじゃないのもあるので要注意です。(私はそういうのを小学校低学年から読んでるので、感覚が麻痺しちゃってます) 正直人には勧められないマンガも出てくるし。(ヤバい絵とかは貼ってません)

テレビアニメは日本初のアニメ『鉄腕アトム』が始まったときからテレビにかじりついて見ていた私だが、幼少時はマンガとの付き合いは薄かった。理由は主として金がなかったから。親は買ってくれないし、わずかな小遣いはすべて活字本を買うのに使ってしまったので。正確な金額は忘れたが、半年分の小遣いを貯めてやっと本1冊買える時代だった。これじゃマンガなんか買えるわけがない。

そこで子供時代の私にとって、マンガは学校で回し読みされる雑誌で読むか、床屋の待合室で読むものだった。女の子でも子供なんか床屋しか行かせてもらえなかった時代なので。それに学校の図書室や図書館にマンガがあるような時代でもなかった。図書館にマンガが置かれるようになるのはずっとあと。
ちょうど少年マガジン、少年サンデーが創刊された頃で(ジャンプとチャンピオンはずっとあと)、週刊誌は新鮮で垢抜けた雰囲気がいかにも新時代のマンガ誌という感じで、小学生には大人気だった。私のように買えない子も多かったので、最新刊を学校に持ってくる子はヒーローだった。それを休み時間に、みんなで顔を寄せ合ってむさぼるように読むわけ。ページをめくるのが早いとかで喧嘩になったりして。

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【マンガ評】Kindle Unlimitedを体験してみた

Kindleのことを書いていたら、前から気になっていたKindle Unlimitedの無料体験をやる気になった。
というか、なぜか板橋しゅうほうのマンガがほとんど入っていたので、それだけ欲しくて(もちろん紙の本ではすべて持ってるんだが)。それでマンガだけじゃなく、いろいろカタログを見て回ったんだが‥‥古本屋の100円コーナーを見ているような気になりました。

期間限定の無料コミックの方は新作もベストセラーも混じっていたけど、Unlimitedはまあタダでないと売れないだろうなと思うような本がほとんど。無名作家の作品や、一般家庭でもゴミにしかならないようなビジネス本やエッセイ本やハウツー本のたぐいが大半。ゴミをまとめ売りする福袋のようなものか。暇つぶしにタダならというのでダウンロードする人ならこれでいいんだろうけど、本当に本が好きな人が楽しめるようなものはないです。

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【マンガ評】のおまけ Kindleと電子書籍と漫画村のはなし

大学教師という職業柄、および生来のコレクター体質のため、うちの本の量はヤバいことになっている
ただ、断っておくと私は決して本コレクターじゃないし、マンガコレクターでもない。なまじ本のことには詳しいし、反面教師がまわり中にいたから、本を集めるには鉄筋の専用書庫付きの家を建てられるぐらいの資力がないと無理、ということはわかってたので。

だからセーブはしてたのだが、それでも本はつい増えてしまうし、特にマンションに引っ越してからは床が抜ける心配がないというだけで、かなり気がゆるんで本が増えてしまった。どのぐらいのペースで増えるかというと、まあだいたい1日1冊ペースで読んでたから年に365冊ですか。それで古本屋に行くと5冊とか10冊とか買うから、売ったぶんを差し引いても年に500冊ぐらい増える。それを40年ぐらい続けてたわけだから(笑)。

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★★【マンガ評】漫画について思うこと――あるいはなぜ私は日本の小説・映画・音楽・アニメ・ゲームと縁を切って海外に逃げたのか

(久々の全方向無差別罵倒リビューです。そういうの気にする方は読まないように)

ここ数年、またちょっと漫画を読むようになった。
私は他のすべてのジャンル同様、漫画についても極端に選り好みが激しく、(私の考える)最高のもので、なおかつ自分が好きなタイプのものしか読まないし、読めない。(そのお気に入りのマンガについてはこちら最近のマンガについてはこちらに寸評があります)

【注】表記について
しかし漢字・ひらがな・カタカナと3種類の文字体系のある日本語は面倒だね。特に漫画みたいにどれも通用する場合は、どうしていいのか迷うし、検索でいつも困る。いちおうここでは大勢(「おおぜい」じゃなく「たいせい」だからね。同じ漢字で読みがいくつもあるのも面倒くさい)に合わせて「漫画」とするけど、手書きで書いていた頃はとにかく画数を減らすのが最優先だったので、「マンガ」と書いていた癖がまだ抜けない。よってあまり気にせず使い分けることにする。

特に漫画はもともとが子供向けジャンルだけあって、なかなかこれと思うものがなくて、もう何十年も前にとっくにあきらめて、新しい漫画家を開発しようという意欲も失せ、過去20年ぐらいはもう、わずかなお気に入りの作家の手持ちの本だけを何十回と繰り返し読む感じになってしまっていた。

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【ゲーム評】Abyssrium(アビスリウム)

それで結局、気に入ってやってたスマホゲームはこれだけ。有名なゲームらしいんだけど、これはいわゆるアクアリウム・ゲームで、スマホの中を水槽に見立てるというわけ。ただしここでは水槽じゃなくて、タイトル通りの深海(にしては浅い海の魚が多いし淡水魚も多いが、そこを突っ込んだら負け)が舞台。

見ての通り美しく幻想的なグラフィックで、クジラが泳ぐ海を見てインストールした。魚のグラはずいぶん簡略化されてるけど、この海には百匹以上の魚が泳ぐので、スマホの性能ではこれが限界なんだろう。それでも個々の魚の動きとかはかなりリアルなので感心する。

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【ゲーム評】ソシャゲでパズルゲームを遊んでみた マッチ3ゲームと探し物ゲーム

というわけで、スマホゲームができるようになったので、試しにと思って、いくつかダウンロードしてプレイしてみたのでその感想も。
こういう単純な暇つぶしゲームで私がよくやるのは、パズルとクリッカー(clicker games)と放置ゲーム(idle games / incremental games)。

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