★★【映画評】ファイナル・デスティネーション Final Destination シリーズ

身も蓋もないB級低予算ホラーだが、なぜかツボにはまったらしくノリノリで、なかなか熱い議論が繰り広げられております。そのスジの人にはなかなか興味深い考察もあるかも。
不謹慎な発言多数なので、嫌いな人はご遠慮ください。
あと、当然のようにネタバレ全開ですが、このシリーズはネタを知っちゃうと楽しみが半滅しますので、まだ見てなくて見るつもりの人は読まないでください。

final_destination_2_poster

♥ でも悪魔なり殺人鬼なりモンスターなり、相手さえいれば、逃げることも対策を練ることもできるけど、「存在しない死神」からは逃げようもないし、対策も立てようがないという意味で、かえって絶望的だったりする。

♥ というわけで、結局見るべきものは誰がどういう死に方をするかっていうだけ。よって、他に懲りようがないので、死に方にめちゃくちゃ凝ってる。
♠ でもこれがホラーの原点かも。要するに人が残酷な死に方をするのが見たいという。実際図星だし。だからこれは普通のホラーのハイライトだけ集めたみたいな映画。

♥ 次はアジアで撮るべきかも。中国の欠陥機械や、韓国のセウォル号に、マレーシア航空やトランスアジア航空、全部アジアじゃないか! アジアって恐ろしすぎ!
♠ それ言ったら日本の地震がいちばんこわいし、破壊力も桁違いじゃないか!

このシリーズの人間ってみんな豆腐でできてるよね?(笑)

♠ どうも最近ホラー映画にいいのがなくて、とうとうこんなものまで見てしまった。
♥ 典型的アメリカのB級ホラーだよね。ドライブイン・シアターでティーンエイジャーがキャーキャー言いながら見るタイプの。アメリカ行ったことないから知らないけどさ。
♠ でなきゃ深夜映画でね。ところがこれが意外とおもしろくてハマってしまった。そこで何がおもしろかったのか考察してみようと。今は5作目まで作られてるみたいだけど、私が見たのは4まで。いちおうタイトルとスタッフ/キャストは以下の通り。

Final Destination (2000) ファイナル・デスティネーション

Director: James Wong
Writers: Glen Morgan (screenplay), James Wong (screenplay), 2 more credits
Stars: Devon Sawa, Ali Larter, Kerr Smith

Final Destination 2 (2003) デッドコースター

Director: David R. Ellis
Writers: J. Mackye Gruber (screenplay), Eric Bress (screenplay), 4 more credits
Stars: A.J. Cook, Ali Larter, Tony Todd

Final Destination 3 (2006) ファイナル・デッドコースター

Director: James Wong
Writers: Glen Morgan, James Wong, 1 more credit
Stars: Mary Elizabeth Winstead, Ryan Merriman, Kris Lemche

Final Destination 4 (2009) ファイナル・デッドサーキット 3D

Director: David R. Ellis
Writers: Eric Bress, Jeffrey Reddick (characters)
Stars: Nick Zano, Krista Allen, Andrew Fiscella

♠ ええい! まぎらわしい邦題ばっかりで混乱する!
♥ 私なんか、なんとかコースターばっかりだったからジェットコースターの映画だと思ってた。
♠ 原題はあっさり『最終目的地』というだけなのに。
♥ 『SAW』みたいなワンアイディアの殺人ホラーだけど、たまたまおもしろかったので続編が作られたってところかね。
♠ ていうか、元ネタはホラーファンなら一目でわかるでしょ。『オーメン』のパクり。どこがかというと姿の見えない殺人者ってところ。『オーメン』だと悪魔、ここだと死神のせいらしいんだけど。
♥ それも、一見、不幸な偶然が重なった事故死に見えるってところもいっしょ。理不尽に残酷な死に方ばかりのところもね。
♠ でも『オーメン』ははっきり悪魔の存在を肯定しているけど、これは死神がいるっていう決定的証拠は見せないでしょう? あくまで登場人物たちがそう主張してるだけで。

♥ 私はてっきりトニー・トッド(後述)が死神なんだと思ったけど、そうでもないんだよね。単に薄気味の悪い人っていうだけで。
♠ あと人が死ぬ直前はいつも風が吹くけど、そんなの偶然と言い切ればおしまいだし。やっぱり死神の映画なのに、死神の存在を肯定も否定もしなかったところが、かえって良かったと思うな。
♥ でも悪魔なり殺人鬼なりモンスターなり、相手さえいれば、逃げることも対策を練ることもできるけど、「存在しない死神」からは逃げようもないし、対策も立てようがないという意味で、かえって絶望的だったりする。
♠ うん、おかげでDumb Ways to Die(※)のオンパレードになって、ストーリーもへったくれもなくなるけどね。普通の映画なら主人公たちは逃げたり戦ったりするけど、この人たちは手も足も出ないから。

※ Dumb Ways to Die YouTubeで話題になったアニメーション。のんきな歌に乗って、かわいらしいキャラクターがタイトル通り様々な「おバカな(そしてちょっとグロい)死に方」をするだけのビデオ。

♥ あと、予知能力も。
♠ だいたいホラーの予知能力者はその能力が何の役にも立たないというか、かえって不幸な目に遭うのが定番だが、これもその定石通り。
♥ それはカッサンドラの昔からその通りで、予言者ってそういうものなんだよ。でもこれは予知能力というか、一種のデジャヴなんだよね。
♠ 4本のストーリーは基本的にすべて同じ。主人公が突然、自分が大惨事に巻き込まれて死ぬビジョンを見て、その惨劇は実際に起こるんだけど、主人公と周辺の数人の人たちが助かる。だけど “The death has a design.” というわけで、人の生死はあらかじめ決まっている。そこで彼らは死神(?)の手によって、予知の中で死んだ順に惨死する。というこれだけ。
♠ 人の写真に棒のような影が写ってると、実際に同じ角度で棒が刺さって死ぬとかいうのも『オーメン』からのパクりだな。

♥ 単純な設定なのに突っ込みどころは多いんですが。
♠ こういうのは突っ込まずに素直に怖がってあげるべきでしょう。“The death has a design.” という発想は、オリジナルだしおもしろい。
♥ でもあの「死は生命によって打ち消せる」っていう設定はどうなったのよ? どうやら死ぬはずだった人に子供が生まれれば、みんな助かるという謎理論らしいんだけど。
♠ ぜんぜんつじつまも合わないし、合わせようという努力もしてないから立ち消えたね。
♥ それと、死ぬ順番の人を助けると他の人が死ぬんだか、助かるんだかというのもなんだか意味がわからなかった。
♠ ほとんど意味なんて考えてないからね。

♥ というわけで、結局見るべきものは誰がどういう死に方をするかっていうだけ。よって、他に懲りようがないので、死に方にめちゃくちゃ凝ってる。
♠ でもこれがホラーの原点かも。要するに人が残酷な死に方をするのが見たいという。実際図星だし。だからこれは普通のホラーのハイライトだけ集めたみたいな映画。
♥ 何もこんなの見ないでも、YouTube見ればISIS(イスラム国。イスラム系過激派組織)が現実の人の死を動画でジャンジャンあげてくれてるのに。残酷さも申し分ないし。
♠ あー、ここでそういう現実の話はやめてくれない。ていうか、私はこれ湾岸戦争のあたりから感じてるんだけど、インターネットやビデオのおかげで、現実の戦争はますます現実感がなくなって、テレビゲームよりリアリティがなくなってきている。
♥ それは言えるかも。私はISISがなんでイメージ低下になるような、あんな野蛮な映像を上げるんだろうと不思議に思ってたんだけど、見慣れてしまうと衝撃が薄れるというか、実際ネットじゃ(一部のアホではありますが)冗談の種にされるようになってきている。
♠ これが不鮮明な写真だけで、特派員の報道を新聞で読むだけだったら、ISISに対する恐怖と怒りはこんなもんじゃなかっただろうに。
♥ テロリストにもちゃんと映像担当の広報がいて、ビデオも編集したりしてるもんね。そっちのほうがむしろ死者を冒涜している気がして気色悪い。
♠ それでもISISは彼らなりに真実(の一部)を見せているけど、アメリカの空爆のビデオはその爆弾の下にいる人たちは見せない。ほんとにテレビゲームをやってる感覚でしか見られない。
♥ あー、やっぱ現実の話はやめよう。深刻になっちゃうから。

♥ それで映画に話を戻すと、よくピタゴラ装置って言われるんだけど。
♠ ピタゴラスイッチという日本の子供番組で出てくるらしいね。私はそれ見たことないんで、ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(※)のほうがしっくりくるんだけど。

※ ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(Rube Goldberg machine)

アメリカ合衆国の漫画家ルーブ・ゴールドバーグが発案した表現手法。普通にすれば簡単にできることを、手の込んだからくりを多数用い、それらが次々と連鎖していくことで実行する。樋状の棒の上に玉を転がしたり、ドミノを倒したり、台の上に何かを置いたりするなどの簡単な作業を行うことで仕掛けが作動し、それによって次の仕掛けが作動していく。このようにしていくつもの仕掛けを連鎖的に作動させ、最終的に何らかの作業を実行する。
(Wikipedia)

♥ 長すぎるわ! ピタゴラでいいよ。要するにバナナの皮ですべった人を見て笑い転げていたら、トラックに気付かれずに轢かれるみたいな負の連鎖なんですわ。
♠ 映画の中の例でいうと、たとえばこれは1の先生がキッチンで死ぬ場面なんだけど、

お湯を沸かして、ヤカンを布巾で拭く。
使った布巾を包丁立ての上にひょいとかぶせる。(乾かすため?)
お茶を入れて飲もうとするが、カップに入った高校名を見てトラウマを思い出し、思わずお茶を捨てる。
気を取り直して冷蔵庫からウォッカを出してカップに注ぐ。
カップの底にヒビが入るが気付かない。(たぶんまだ熱いカップに凍ったウォッカを注いだせい)
歩き回っているとヒビからウォッカがこぼれる。
PCディスプレーの上にこぼれたウォッカのせいでショートして火花。
火花が床のウォッカに引火して台所中に火がまわる。
近付くとディスプレーが爆発して首に破片が刺さる。血がドクドク出るがまだ死なない。
倒れて起き上がろうとカウンターの布巾をつかむと、包丁立てがいっしょに落下して、包丁が胸に刺さるがまだ死なない。
ここらで主人公が到着するが、おろおろして見ているだけで何もできない。
棚が落ちて椅子に当たり、倒れた椅子の背が胸に当たって包丁を押し込みとどめを刺す。

とまあ、こんな感じ。
♥ 何もここまで凝った殺し方しなくても(笑)と思うんだけど。
♠ むしろ日常に潜む危険がよくわかるじゃないか。
♥ うん、私なんて粗忽者でうっかり屋でドジっ子の代名詞みたいなもんだから、これマジで怖いわ。布巾を包丁立てに掛けることなんてしょっちゅうあるし。
♠ でも逆に私は自分がいかにダメかを熟知しているから、倒れても床に落ちてくるような所には絶対包丁は置かないよ。それ以外のものは年中落としてるけどね。

追記

なーんて書いてたが、この10日後、まるでこの映画の呪いみたいな、そのまんま映画の一場面みたいな出来事があったので追記。
上記のようにうちのナイフ・スタンド(ステンレス製のメッシュのやつ)は、コンロの奥のカウンターの上という、普通なら絶対床に落ちたりするはずのない場所に置いてある。(コンロとカウンターは同じ高さ)
ところが料理中、触ってもいないのにこのスタンドが倒れ、そのまま中の包丁だけがコンロの上を水平に滑るように飛んできたのだ。
幸い私はナイフ・スタンドが倒れ始めたときに飛び退いたので無事だったが、そのまま立ってたら腹か足に包丁が刺さってたかもしれない。本当に肝を冷やした。
と言ってもべつに超常現象ではなく、おそらく元々あまり安定性の良くないスタンドが倒れそうになっていたところへ、料理中なのでそこらに雑然と置いた道具類が触れて倒れ、倒れたスタンド自体がまるで発射台のような角度になって、中身の包丁がコンロを飛び越えて落下したものと思われる。
でも、下でスラップスティックを現実にやってると書いたが、本当にやるな!っていうか、この映画がどれだけリアルかおわかりいただけただろうか。と同時に、やっぱり私は本気で死ぬほど気をつけないと、いつか火事でも出して死ぬと思った。このスタンドも危ないから使うのやめようかとも思ったんだが、こういう方がすぐに包丁が乾いて清潔なのでやめられない。

さらに追記。上の事件の起きた翌日、また台所で料理をしていたら、今度は手元のまな板の上に置いてあった包丁が落ちて、今度は足元に落下した。このときも飛び退いたので無事。
なんかここまで続くと本当に呪いかと思うでしょうが、実は粗忽者の私には日常茶飯なので、回避行動だけがうまくなってる(苦笑)。

♥ それでもしょっちゅうやらかしますけどね。床に放置してたビニール袋踏んで滑って、あわててつかまった棚が倒れてきて、必死で押し戻したんだけど、棚の中身を頭から全部浴びるとか。
♠ 死ぬぞ、おまえ!(笑) ひとりでコメディやってるのかよ。
♥ ていうか、元のルーブ・ゴールドバーグもそうだけど、これってギャグですから。スラップスティックの代名詞だしね。チャプリンとかキートンもやってるでしょ。
♠ 確かに。だからこの映画見てても笑っちゃいけないところで笑っちゃうんだよね。
♥ それってやっぱりYouTubeで「fail動画」(※)を見ている感じにも似てるね。
♠ うん、ああいうのってめっちゃ笑えるんだけど、中にはほんと痛そうなのや、「これもしかして死んでるだろ?」みたいなのも少なくない。

※ fail動画 素人がYouTubeに上げた失敗動画のコンピレーション。スケボーでトリックに失敗して転けたり、プールに飛び込もうとして変なところに落ちたり、結婚式で滑って転んで式を台無しにしちゃうような失敗シーンが収められている。中には明らかに死んでもおかしくないようなことに挑戦するようなダーウィン賞候補のアホもいる。

♠ YouTubeで事故動画見たくなる気持ちにも通じるかも。
♥ それはないわー! 引くわー。
♠ (ちょっとあせって)もちろん死体が写ってたり、人が死ぬところがはっきり見えたりするのは見ないよ。でも怖いもの見たさってあるじゃない。
♥ 写ってなくたって人が死んでることがわかってるもの見る人の気が知れないわー。
♠ (開き直って)だから怖いんじゃない。私はもう他に怖いものなんてない。お化けやモンスターで怖がれない代わり、身近な現実ほど怖いものはない
♥ それはちょっとわかる。こういう映画やISISのビデオで首が飛んだりするのを見るより、YouTubeのドラレコ動画で、普通の道をまっすぐ走ってるだけなのに、横のファミレスの駐車場からいきなり車が出てくるのを見るほうが怖い。思わず「ヒッ!」となって。
♠ それは現実に体験したから。私は駐車場から出てくるほうの車だったけど。断っておくけど私は運転できないので助手席に乗ってただけだよ! 免許持ってない人間としては、驚くほど多くの事故を見てきたなあ、私も。
♥ それって付き合う相手がクズばっかりというだけじゃない?
♠ 歩行者としてトラックに衝突したこともあるし。
♥ ダーウィン賞候補って自分のことじゃないか! よくまだ生きてるな。それだけ怖い思いしたのに、まだ事故動画なんか見たいか?
♠ だから怖いもの見たさだって。見たくないのについ見ちゃうんだよ。事故の時って、本当に時間が止まったようになって、すべてがスローモーションで見えるっての本当なんだよね。あの異次元空間に迷い込んだような感じを思い出す。

♠ それにさ、人のこと人非人にしたいらしいけど、こういう経験があるから私は異常に注意深いし、交通法規は守るよ。
♥ だから生来のドジがその注意深さを上回ってるんだってば。
♠ むしろ私には自分以外の人間がみんな自殺志望者に見えるわ。特に最近、運動のためよく自転車乗ってるんだけど、うちの近所の自転車のマナーはすごいよ。一時停止無視や無灯火なんかなんのその、信号も完全無視だし、車線も無視だし、目の前から車が走ってきていても平気で正面衝突コースに突進していく。子供じゃないよ、いい大人や子連れの母親がだよ。あいつら死にたいのかよ。
♥ それのコンボで、私がこれまでに見たいっとうすごかった奴。(酒が入ってる?)おっさんの自転車なんだけど、夜中に、無灯火で、車道の真ん中を逆走して、しかも片手運転で後ろを見ながら誰かに手を振ってた。案の定、正面から来たトラックにものすごいホーン鳴らされてたけど、それにびっくりしてよろけたりして、早く死んでくれとしか思わなかった。
♠ 死んだら運転手がかわいそうすぎる。私が絶対運転しないのも、東京ではこういうのがわりと普通だからなんだ。
♥ たぶん東京は免許ない車ない人が多いせい。だから怖さも知らないし、交通法規も知らない。東京で車乗ってる奴もダーウィン賞候補だね。
♠ ああいう人たち見てて、私が感心するのは、自分は絶対事故にも遭わないし、死なないという変な思い込み。私は逆だな。自転車通勤してた頃も何度も肝を冷やしたし、側道があれば絶対誰かが飛び出してくる、信号が赤でも絶対誰かが突っ込んでくるという前提で走ってる。だからものすごい疲れるよ。気疲れ。
♥ じゃあ、飛行機乗れば必ず落ちる、電車乗れば必ず脱線すると考えてるわけ?
♠ それはない。統計的に言って。
♥ なんだ、そりゃ。

♠ でもって事故の華と言えばやっぱり飛行機事故ですよね。
♥ またすぐそういう不謹慎なことを。最近立て続けに飛行機落ちてるし冗談じゃないわ。
♠ だから私はアジア系の飛行機だけは死んでも乗らないんだ。いちばん最近の事故では台湾でのトランスアジア航空235便の映像がすごかったね。(リンク貼り直しましたが、YouTubeのテレビ映像はどうせまたすぐに消されちゃうので、便名で検索すると見つかります)
たまたま墜落してくる飛行機の直前を走ってた車のドライブレコーダーが、墜落の瞬間を至近距離で撮っているんだけど、ギリギリで高層ビルを避けた飛行機が、完全に180度傾きながら落ちてきて、前を走ってる車の屋根と路面に翼が当たってガリガリと削られながら、横の川に墜落していくの。ああいうの見ちゃうと映画なんかバカらしくなってくる。
♥ さっきは現実が映画よりリアリティーないって言ってたじゃない。
♠ だからこの映像なんか現実にしてはあまりにできすぎでCGみたいで、もう何が現実で何が虚構かがわからなくなってくるんだってば。実はこの映画を見ようと思ったのも、飛行機事故の映画だと聞いたからで。
♥ 趣味わるー!

♠ でもその意味では1のクラッシュシーンはがっかりだったな。本物見ちゃったせいもあるけど。
♥ たぶん低予算でちゃんと作れなかったんじゃないの? こういう映画は航空会社の協力得られるはずもないし、ケネディ空港のはずなのにセットもやけにちゃっちかったでしょ。
♠ それにしちゃ、あとのシリーズのジェットコースターとかレースコースはセットじゃなかったぞ。あれ許可したのか?
♥ まあ、アメリカならなんでもありか。だいたいカーレースなんてクラッシュを見に行くものだし。
♠ 映画のエアクラッシュ・シーンで私がいちばん肝を冷やしたのは『生きてこそ』の冒頭の墜落シーンだな。あの当時はCGなんかないし、模型だけで撮ってるのに、死ぬほど怖くてぞーっとした。(その後は別の意味で怖いんだけど) あのレベルの特撮を(CGなら簡単にできるから)期待してたんだけど。

映画やニュースではよく見る光景だが‥‥

映画やニュースではよく見る光景だが、当事者になってみると‥‥

♥ それだったらこのシリーズでいちばん怖かったのは2のハイウェイでの玉突き事故でしょ。車の事故はなまじ実感もあるだけにやっぱり怖い。飛行機が落ちたらもうどうしようもないからあきらめようという気にもなるけど、車は避けようと思えば避けられると思うだけに、逃げるに逃げられず巻き込まれていく恐怖と無念がひしひしと感じられて。
♠ あれはすごかったね。あのしつこすぎる連鎖は。実はカークラッシュなんてハリウッド映画にはつきもので、それこそすごいのをさんざん見せられているわけよ。でもヒーローが活躍するような映画はもちろんスタントマンが運転してるし、安全対策も万全なのはわかってるから、別に興奮もしないし怖くもない。
♥ これだってそうだけど、普通のカースタントでは主人公(絶対助かる)と悪役以外の車はただの障害物だからね。その意味、こっちは最初に1台ずつ車の中を映して、どんな人たちが乗ってるかを見せてるから、その普通の人たちがみんな死ぬって思っただけで背筋がぞわぞわする。
♠ 玉突き事故だって、日常的にしょっちゅうあるもので、ニュース映像とか見慣れてるんだけどね。ただ、事故後の映像を見ても、そこに巻き込まれた人の恐怖はわからない。
♥ それこそ今はドラレコがあるから、YouTubeでいやってほど見られるじゃない。
♠ そうなんだけど。事故の何が怖いって、もちろん事故ったら痛いとか死ぬとかいうのもあるけれど、突然やってくることだな。もちろんISISに捕まったら、それはそれで死ぬほど怖いだろうが、すぐに死ぬわけじゃない。でもたった一瞬前まで笑ったりしゃべったりしていた人たちが、次の瞬間には肉塊になっているというのはきつい。
♥ 良かったじゃないの。この映画はそういう死ばっかりだし。

♥ それでどうするの? これ1本ずつリビューするの?
♠ いや、さすがにそんな時間はないんで。さっきも言ったように全部同じだし(笑)。
♥ やっぱり最初から見ていこうよ。ただでさえどれがどれだかわかんなくなってるし。

見るからにボンクラっぽい1の主人公

見るからにボンクラっぽい1の主人公

♠ いいよ。まずはオリジナルなんだけど、やっぱり低予算だったのか、なんとなくしょぼいよね。あくまで日常の中に潜む恐怖って感じで。その点、2は使えるお金が増えたみたいで、全体にスケールアップしている。
♥ 高校のフランス語クラスの先生と生徒がパリへフィールド・トリップに行くことになるんだけど、
♠ 字幕じゃ「修学旅行」と書いてるが違うぞ。とにかく冒頭、男の子が自室で荷造りするのを両親が手伝ってるんだけど、お父さんが、「17才になって、親元を離れ、友達といっしょに、10日間、春のパリで過ごすわけか」と、ひとりごとみたいな長ゼリフを吐くのには笑ってしまった。
♥ 説明口調の極みじゃん! 物語の最初にセリフひとつで状況説明をしちゃう(笑)。シナリオライターの学校だったら、これだけは絶対やっちゃダメというやつだね。
♠ マンガだってここまでアホなネーム書かないよ! だから、これは予想以上にひどいなと思って、早送りボタンを押しそうになったんだけど。

♥ それで空港でパリ行きの飛行機に乗る直前になって、生徒のアレックス(デヴォン・サワ)がこの飛行機は落ちると騒ぎ始めて、数人のクラスメートと女の先生が下ろされる。ところが飛行機が落ちて、あとはみんなひとりひとり死んでいく‥‥というお話。
♠ 主演の男がアイドルらしいんだけど、いかにも情けないボンクラ面。
♥ 被害者面という点では良かったんでないの。その代わりヒロインのクレアを演じたアリ・ラーターがすごい良かった。ホラー・ヒロインらしくない、クールさとふてぶてしさがあって、この子だけが生き残るのも当然と思えた。
♠ それに美人だよね。
♥ うん、顔もすごい好み。この頃はまだ若かったんだけど、30過ぎてからのほうがもっと好み。すげーいい女なんだけど、もっぱらテレビ女優みたいで、映画はろくなのに出てないな。
♠ だからハリウッドじゃ顔がいいだけじゃ役はもらえないんだよ。
♥ むしろ美男美女に冷たい気がする。他のキャストももちろん無名俳優だけど、等身大のティーンエイジャーという感じがしてよかった。

左から

左から2のヒロインのA・J・クック、1のヒロインのアリ・ラーター、2のヒーローのマイケル・ランデス

♠ 普通、B級映画のパート2というのはひどいんだが、この映画は2の方が好き。玉突き事故がとにかく見応えがあるし、登場人物もみんなキャラが立っていて、個性的でいい。
♥ 今度の予知能力者は高校生のキンバリー(A・J・クック)。彼女は友達とドライブ中にデジャヴを見て、事故を未然に防ごうと道を自分の車でふさぎ、その結果、年齢も職業も様々な人々が生き残る。キンバリーは保安官のバーク(マイケル・ランデス)、前作のヒロイン、クレアと協力して死を防ごうとするんだけど、以下同文。
♠ キンバリーとバークは生き残るんじゃなかったっけ? いちおうここまでは、いちばん賢そうな人は生き残ることになってるんだよね。
♥ でも連鎖は終わってないみたいなこと言ってたから、この人たちも死ぬ運命なんじゃない? クレアも1では生き残ったけど、結局2で死んだわけだし。
♠ そうか。でも、ほとんどの登場人物がただ死んでいくだけのこのシリーズで、2の人たちは反応も様々で、協力したり反目したりの、人間ドラマの部分がいちばんきちんと描けてた
♥ 役者は? キンバリーはクール・ブロンドのクレアとは対照的な、ブルネットのかわいこちゃんだったけど。
♠ あれは対比という意味でいいんじゃない? 庶民的だけどかわいいし、何よりこのシリーズではめったに見られない自己犠牲精神があるところがいい。
♥ バーク役の人もハンサムで誠実そうな感じが好感が持てた。
♠ 他にも、肝っ玉妊婦とか、キャリアウーマンとか、ジャンキーとか、ひとりひとりが個性的なところがいい。
♥ 確かに頭の弱いティーンエイジャーが殺されるのは見飽きたからな。

♠ 3はどんなんだっけ? もうどれも筋がごっちゃになってわからなくなってる。
♥ ジェットコースターのやつ。卒業を前に訪れた遊園地で、ヒロインのウェンディ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は事故が起こるのを予見し、助かったクラスメートが以下同文。
♠ あれか。あれこそ頭の悪いティーンエイジャーがバタバタ殺される話で、登場人物がみんな高校生でウザい奴ばっかりなのがやだな。

♥ そのせいか品がないよね。特にヒロインは例によって清く正しく美しいのはいいけど、殺される仲間がいかにもビッチだったり、エロしか頭にない勘違い男だったり、ゴス・カップルだったり、死んでも誰も悲しまないような連中なのがちょっと。
♠ ヒーローですらクソ野郎という設定だから(笑)。(実はコースターに乗り込む前に席を交換してもらったので、ヒロインの恋人と親友は最初に死んでしまい、生き残って相手役になるのは親友の恋人)
♥ うん。余りにクズなんで、親友ももう別れるつもりでいたんだよね。マジでヒロイン孤立無援でかわいそう。2のヒロインには2人も味方、っていうか少なくとも何が起こっているのか理解してくれる人がいたのに。
♠ いちおう妹がいるけど、彼女が守ってやらなきゃならない立場だし。
♥ ここでオリジナルの監督ジェームズ・ウォンに戻ったから良くなるかと思うと、そうでもないんだな。
♠ あとで述べるように見所はけっこうあったんだけど、とにかく登場人物に感情移入ができないのが痛い。
♥ ところでヒロインのメアリー・エリザベス・ウィンステッドは『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のヒロインだよね。
♠ そっかー! どこかで見た顔だと思ってたんだ。この子は美人だし魅力的だよね。
♥ うん、わりと好き。でもキャラクター的にはわりと役立たずだったので、クレアほどのインパクトはない。
♠ ちなみに彼女は最後ひとりだけ生き残るかと思ったら、無残な死を遂げます。

かわいそうなメアリー

かわいそうなメアリー

♠ それで4になると監督がまたデヴィッド・リチャード・エリスに戻る。
♥ 1と3、2と4が同じ監督なのね。2がおもしろかったから期待したけど、結論としてこれが4作のうちでいちばんつまらない。
♠ 大学生の恋人たちがサーキットにカーレースを見に来るんだけど、主人公のニック(ボビー・カンポ)はクラッシュした車が観客席に突っ込み、おまけに観客席が崩壊して大惨事になるのを予知して以下同文。
♥ なるほど、ジェームズ・ウォンはティーンエイジャー路線で、こっちはいろんな人路線なんだな。
♠ それはいいんだけど、今回は登場人物が全員影が薄くて、演技もへたっぴで何の魅力もない奴らばっかりなんだよ。レイシストの男やDQNカップルとか、またやな奴が多いし。
♥ 悪人の方が死んで当然という感じで観客の共感を得られるのでは?
♠ いや、いい人や罪のない人が死ぬ方がずっときつくて映画的にはおもしろい。とにかく役者がダイコンすぎて、目の前で友達がミンチになったのにぼーっとしてるしさ。

♥ というわけで結論は?
♠ 2がいちばんいい。3以降は見る価値なし。でもボックスセットが1000円だったら買っちゃうかも。
♥ 結局好きなんじゃないさ!

♥ そこで続いては、印象的な死に方ベストを選ぼう。
♠ 順位付けるのはむずかしいから思いつくままでいい? だいたいこのシリーズの死に方は大がかりなのと日常的なのとに分かれるよね。
♥ 大がかりなのは1の飛行機事故、2の玉突き衝突、3の地下鉄、4のサーキットの事故か。
♠ 3はジェットコースターでしょ。ていうか、3がいちばん派手なんだよね。地下鉄の事故は、これも毎日地下鉄乗ってるだけに、リアルだしぞっとした。
♥ この中ではやっぱり交通事故がいちばんかな。
♠ 交通事故は他にもいっぱいあるんだけど。だいたい面倒になると車が突っ込んできて死ぬ(笑)。
♥ まさに死亡フラグだと思ったけど、登場人物が道の真ん中に立って熱弁をふるいだすと、絶対来るなと思ったらやっぱりバスが突っ込んできたり。

♠ あとは船だけだな。
♥ セウォル号?(笑)
♠ 不謹慎はどっちだよ! でもあり得る。あれこそ本当に修学旅行の高校生が乗ってたし。
♥ 5はどうなってるんだろう?
♠ 知らない。もう見るつもりだからわざと情報入れないようにしてるんで。

写真だけ見るとギャグみたいですが、実際はとても怖いエレベーターシーン

写真だけ見るとギャグみたいですが、実際はとても怖いエレベーターシーン

♥ でもやっぱりおもしろいのは日常に潜む危険シリーズ(笑)。
♠ これがなかなか甲乙付けがたいんだよね。この映画を見ていると、私たちはいかに危険の中で生活しているかよくわかる。
♥ 歯医者とか、工場とか、ホームセンターが危険なのはよくわかるけど、むしろ日常性のあるやつのほうが怖いね。
♠ 私が一番に推すのは2のエレベーターでの死。子供を亡くしたお母さんが死ぬ場面。ヒロインは「鉤の腕の男」が死因になるという予知をして、携帯でそれを伝えようとするんだけど、その時被害者はエレベーターの中で、鉤の付いた義手が詰まった箱を抱えた怪しい男といっしょになっている。
♥ このジジイがマジで怪しくてキモい男なんだ。こっそり彼女の髪の匂いを嗅ごうとしたりして。
♠ だから「殺される!」とパニックになって逃げようとするんだけど、その時に鉤が編んだ髪に引っかかってしまう。それでますますパニクって、ジタバタしたあげくドアに頭だけがはさまっちゃって、エレベーターがそのまま動き出して首チョンパ。
♥ シンドラー製エレベーターだったか。
♠ そのシンドラーの記憶があるし、私、もともとエレベーター恐怖症だからさ、これは怖かった。だからエレベーターに乗るときは、突然ドアが閉まったり動き出したりしても逃げられるように、つねに身構えてるんだ。
♥ 特に日本で自転車を押して乗ろうとした高校生がはさまれて死んだ事故があったじゃない。私、部屋に自転車置いてるんで、いつも自転車持ってエレベーター乗るんだけど、これが寸法ギリギリで、うちのエレベータードア閉まるのが早いし、はさまりそうになっていつも怖い思いしている。
♠ エレベーターも怖いが、あのジジイも演技賞ものだったな。これは歴代の印象的なホラーシーンのランキングに入れていいよ。
♥ そう言えば、これだけ人が大勢死ぬのに、人が人を殺すシーンってひとつもないよね。殺すのはすべて無生物で。
♠ そこがこのシリーズの最高にユニークでおもしろいところじゃない。やっぱり『オーメン』のパクりだけど。

♥ 恐怖症と言えば、ジェットコースターも恐怖症でしょ?
♠ あれは違う。こわいはずないのに理不尽だけどこわいのが恐怖症で、ジェットコースターなんか乗るやつは死にたいやつだけだから。
♥ 変なの。私は高いところはぜんぜん平気っていうか好きだし、スピード恐怖症でもなくむしろ好きなのに。
♠ 私は三半規管が弱いので回転系がだめなのと、基本的に機械を信用していないのと、あと、縛り付けられて運命共同体ってのがいや
♥ それ、3のヒロインと同じじゃないさ。「ジェットコースターが嫌いなのはコントロール・フリークだからだろう」と言われてた。

♠ 私もそうなのかな? とにかくエレベーターにしろ、ジェットコースターにしろ、現実によく事故があるし、そういう事故のビデオがYouTubeでいくらでも見られるからねえ。あれはホラー以外の何者でもない。
♥ そういえばYouTubeでこのエレベーターシーンにそっくりな事故動画も見た。さすがに首が千切れたりはしないけど、はさまれたままスーッと持ち上がっていくシーンが恐ろしすぎた。
♠ 4ではエスカレーターに巻き込まれそうになるシーンがあったけど、YouTubeには実際に巻き込まれた人のビデオもあったよ。文字通り人がエスカレーターの中に吸い込まれて消えちゃうの。そういう事故ってほとんどすべて中国なんだけどね。
♥ 次はアジアで撮るべきかも。中国の欠陥機械や、韓国のセウォル号に、マレーシア航空やトランスアジア航空、全部アジアじゃないか! アジアって恐ろしすぎ!
♠ それ言ったら日本の地震がいちばんこわいし、破壊力も桁違いじゃないか!
♥ いや、あそこまで行くとB級ホラーのレベルを超えちゃうから。予算が足りない。

♥ あとはねえ、いちばんいやな死に方は焼死系かな、私は。3の日焼けマシーンに閉じ込められて、こんがり焼き上がるのはすごいいや。
♠ ていうか、こういう映画で日焼けマシーンに入ろうなんてバカは最初から死亡フラグ立ちまくりじゃん(笑)。
♥ でもいちばん痛いのがわかるのはやっぱり日常系だわ。1の先生とか、風呂場で滑って首が絞まって死んだ奴とか、2のキッチンでの死とか。
♠ 宝くじ当たった奴でしょ? キッチンでは死んでないよ。あれは1の先生の再現と思わせて、絶体絶命の状態(ディスポーザーに手がはさまって動けない状態で火の海)から、逃げ延びたと思ったところで、自分の捨てたスパゲッティに滑ってころんで、顔の上に非常階段が落ちてきて、ぐっさり行くかと思ったら途中で引っかかって止まって、助かった!というところで、いきなりまた落ちてきてぐっさり。
♥ そうか、先生と混同してた。
♠ しかもこいつの直接の死因は食べ残しのスパゲッティを窓から投げ捨てたこと、というアホさがいい。
♥ ひどいことするなあと思って見てたから、自業自得でざまあみろって感じ。
♠ だいたい先生の台所はさすがに若い女性だけあってきちんと片付いてたけど、こいつの家は足の踏み場もなくて、これじゃ遠からず死ぬわって感じ。
♥ 人のことが言えるか! マジで死ぬ前に片付けよう。

♥ じゃあ、いちばんバカな死に方。プールで排水口に吸い込まれる。
♠ 笑えないよ。これも日本であったじゃない。子供が排水口に吸い込まれたのが。
♥ あれは足を取られて溺死したんでしょ。こっちは大の男が全身ズボッと吸い込まれてミンチになるの。しかもその排水口が風呂場の排水口程度の大きさ。
♠ ありえねー! っていうか、この辺がいかにもB級映画なんだけど、このシリーズの人間ってみんな豆腐でできてるよね?(笑)
♥ 板ガラスが上から落ちてきただけで、つぶれてぺっちゃんこになるしね(笑)。
♠ 吹っ飛んでフェンスにぶつかっただけなのに、フェンスの網目でトコロテンにされるとか(笑)。
♥ なるほど、豆腐でできてるんじゃしょうがない。

♥ そのせいか、もっとグロい人体破壊系かと思ったら、ぜんぜんグロくないね
♠ そもそもCGって時点で何もグロいとは思わないけど、これは荒唐無稽すぎてリアルじゃないから平気で見てられる。血の量も少ないし。
♥ その点、いちばんグロかったのは4なんだけどね。
♠ 内臓と肉片見せたのはあれだけだからね。ところが何を思ったか、4のクライマックス(とタイトルバック)は、被害者をすべてレントゲン写真(の動画)で見せる。首がもげたり、胴がまっぷたつになるのも全部ガイコツなの。なんなんだ、あれは? ギャグか?
♥ CGの予算が尽きたとか。

♠ アホな死に方の話を続けると、4の洗車機もバカっぽくなかった? 洗車中の車に閉じ込められて、サンルーフも動かなくなって水責めのやつだけど。
♥ あれドア開かないの? 私は車を知らないからわからないけど。湖に落ちたとかなら水圧で開かないという話は聞くけど。
♠ だったらガラス割って出ろよという話だよね。サンルーフだってあれだけ開いてれば出られそうだし。

♥ こわい死に方と言えば、なにしろワンパターンのシリーズだから、来るぞ来るぞと思わせて、実は来ないと思ったら、ぜんぜん違うほうからやってくるというフェイントも使い放題だったね。
♠ いい加減予想が付きそうなものだけど、いかんせん、次から次へと死ぬもんで、けっこうわからなくて翻弄された。それに思わせぶりなカメラが妙にうまいんだ。そういうところは。
♥ その意味いちばんこわかったのが4の美容院。美容院があんなにこわいところだとは思わなかった(笑)。
♠ そりゃ刃物や電気や水を大量に扱うからねえ。
♥ しかもその前のヒロインの予知で、ハサミやカミソリと目のアップがあったじゃない。私、眼球恐怖症なんで、あれがいつ来るかと思って、つい目をつぶっちゃった。
♠ ブニュエルの『アンダルシアの犬』をなんの予備知識もなしに見せられて以来の恐怖症なんだよね。犬の話かと思ったら、映画が始まるなり男がカミソリで女の目玉を切り裂くシーンで。
♥ とにかく異常にリアルで、私が映画で見たいちばんの恐怖シーン。
♠ ところが美容院では何も起こらず、ドアを開けて出ようとしたら車がはねた石が飛んできて目に当たっただけ。
♥ あれはだまされた!と思ったわ。

異様なオーラを振りまくトニー・トッド

異様なオーラを振りまくトニー・トッド

♠ さて、そろそろ締めたいがなんか言い忘れたことないかな?
♥ トニー・トッドの話を忘れてる!
♠ ああ、そうだった。あんなに印象的で重要なキャラクターなのに。
♥ 『キャンディマン』(クライブ・バーカーの傑作ホラー)の主演だよね。この人はあの異様な容貌と、巨人並みの体格と、深みのある声のおかげで、ホラーを演じるために生まれてきたような役者なのだが。
♠ このブラッドワースって何者だっけ?
♥ 葬儀屋。だから死については知り尽くしているということらしいけど、それにしちゃ知りすぎてるので、彼自身が死神なんじゃないかと思わせるんだけど、それにしてはストーリーにはまったく関与していないという謎の人物
♠ 死神じゃあないと思うな。でないと「死神は姿を見せない」という、このシリーズの良さが崩れてしまう。
♥ 彼は1と2に登場するんだけど、3には出てないと思ったら、実は声だけで出演しているんだそうです。それも遊園地の悪魔の声と、ラストの地下鉄のアナウンスという意味深な役柄で。
♠ もったいない!と思うけど、そういう使い方も不気味でいいかな。
♥ 5にはちゃんと出てくるそうだから、やっぱりこのシリーズを象徴するキャラクターなんだけどね。

♠ 彼が死神なのかそうじゃないのか、死神がいるともいないとも断定しないのがB級らしからぬ良さだった。
♥ そうだね。普通だと、1作目はいいなと思っても、2以降のアホな作り手が余計な設定とか考え出して、だんだんダメになっていくものだけど、このシリーズは基本が一貫してるのもいい。
♠ それを言うなら、最後まで180の数字(最初に落ちた飛行機が180便だったので)がつきまとう、因縁話っぽさもいらないな。安っぽい怪談みたいだから。
♥ まあそれぐらいは我慢するかな。そうでないと何もつながらないし。
♠ ああ、もったいない。話のアイディアもいいし、これだけぴったりな役者もいて、それをちゃんとした映画にできないアホな制作陣がクズすぎる。
♥ でも変に欲を出していじると、きっとこの映画のシンプルな良さが失われちゃうと思う。
♠ 確かにバカが無理してもよけいバカな話になるだけかもな。
♥ だからこれはこれでいいんだよ。

♥ 結論っぽい話も出ちゃったし、じゃあ、ここでおしまいかな。
♠ おもしろかった。4本一気見しちゃうとは自分でも思わなかった。
♥ テレビで映画見るようになってから、ちょっとでもつまらないと思うとどんどん早送りしちゃうんだけど、この映画は早送りする場面がほとんどなかっただけでもたいしたもんだ。
♠ おわり!

広告
カテゴリー: ★★(特選), 映画評 タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , パーマリンク